患者さんを治療するにあたって、最も多い質問の中に
「私の症状は何回ぐらいの治療回数で治るんでしょうか?」
という問いかけがあります。
似た様な質問は本当に良くいただきます。
そこでこのページでは「症状がどれぐらいの治療期間で治るのか?の質問に対して」説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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治るまでの正確な治療期間は誰にも分からない
肩、腰、膝のどの部分、どの症状に関わらず、どれぐらいの期間で症状が治るかはほぼ全ての患者さんが知りたい情報の一つでしょう。
「坐骨神経痛はどれぐらいの期間で治るの?」
「変形性膝関節症はどれぐらいの期間で治るの?」
腰椎椎間板ヘルニアの症状は?頸椎ヘルニアは?変形性膝関節症は?膝の半月板は?脊柱管狭窄症は?腰椎分離すべり症は?
こういった内容の質問は本当によくいただきます。
治療をする側の私もその部分は十分に理解しているため、今までの経験則からできるだけ具体的な期間や治療回数を最初に患者さんに説明するように心がけています。
しかし本当の所はそんな事誰にも分かりません。
「ふざけるな」
と怒る人もいるかもしれませんが、これが本音です。
何故分からないのか?予想しにくいのか?の理由も存在します。
患者さんの日常生活の負担を私には計算しきれないからです。
当然ですが、患者さんの日常生活の中での負担や負荷が大きければ大きいほど症状の改善は遅れます。
極論を言えば、私の治療の効果が如何に優秀であろうと、その効果以上の負担や負荷を体にかけていれば症状は改善しません。
中には治療院や病院などに通わず、日にち薬で治そうと思っている人もおられるでしょう。
その人達にもこの理由は当然当てはまります。
人には自然治癒力が存在しますが、自然に回復する効果以上の負担や負荷を日常生活でご自分にかけている場合は当然治りません。
この部分が症状が治る期間を予想しにくい最も厄介な点です。
もし患者さんが四六時中楽な体勢で安静にしてくれるのであれば、ある程度正確な治療期間の目安を提示する事は可能だと思います。
しかし、実際にはそうはいきませんよね?
仕事をされている人もいるでしょう。
家事をされている人もいるでしょう。
仕事も人によっては肉体労働の人もいますし、ずっと座りっぱなしのデスクワークの人もいるでしょう。
家事も人によっては、小さい子供の世話や身内の介護をされてる人もいるでしょう。
趣味で手芸をされている人は、やはり首や腕に強い負荷が加わります。
スポーツを趣味でされている人は、当然腰や膝に強い負荷が加わります。
さらに、症状を治すために良かれと思って行っているストレッチや筋トレ、〇〇体操などで逆に体に負担をいれてしまい、症状の改善を遅らせている場合も良くあります。
(これは本当に多いので気をつけて下さいね)
これら日常生活の負担や負荷、そしてその負担の量や質によって症状が治る期間は大きく左右されます。
そして、こういった患者さん個々の日常生活の負担の量や質を、初対面の時点で予想する事ははっきり言って不可能です。
誤解してほしくないのですが、決して言い訳をしたくてこの文章を書いているわけではありません。
普段の何気ない日常生活の動作が、如何に症状の改善に関わっているかを患者さんにも理解してほしいんです。
何のためか?
患者さんの症状を改善するためにです。
先ほども説明しましたが、患者さんの日常生活の負担や負荷が大きければ大きいほど症状の改善は遅れます。
逆に言えば日常生活の負担が少なければ少ないほど症状の改善は早くなるんです。
このページを読んでいる人の多くは、長引く症状にうんざりして
「いつになったらこの症状は楽になるんだろう?」
と疑問に思っている人が大勢いらっしゃると思います。
具体的に治る期間を知りたくてこのページにたどり着いた人も多いと思いますが、症状の重症度、さらには個々の患者さんの生活環境によって大きく異なるため、やはり絶対的な目安を答える事はできません。
これは誰であっても不可能だと思います。
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具体的な治療回数をはっきり言う先生は怪しい
具体的な治療回数を予想する事は、患者さん側の生活環境も大きく関わるため難しいという事を上記では説明させていただきました。
色々な治療院のホームページを拝見していると
「1回の治療で必ず治る」「〇回以内の治療回数で必ず治します」などの文句をみかける事が良くありますが、私からすれば不思議で仕方がありません。
治療の良し悪しに関わらず、症状の改善には患者さんの生活環境が密接に関わるのに、何故患者さんを実際に診る前から答えを出せるのか?
こういった事を平気で言える様な先生の所に行く場合は気をつけて下さいね。
我々のような治療院という職業は、半分詐欺師みたいな人間もたくさんいます。
そしてそういった詐欺師の特徴は、患者さんにとって耳あたりの良い情報を言い切る事が非常に多いんです。
患者さんからすれば、はっきりと「〇回で治る」と言われる先生に魅力を感じるのは理解しています。
しかし、こういう言い回しをする先生の中には、お金儲けの事しか考えていない人も多数おりますのでくれぐれも気を付けてくださいね。
先ほども説明させていただいたように、患者さん側の生活環境を把握できない他人の先生が適切な治療期間を予想する事は不可能です。
「順調にいけばこれぐらいの回数で治りますよ」
ぐらいの予想は経験則から可能でも
「必ず何回以内で治ります!!」
みたいな事を平気で言う先生には本当に気をつけて下さいね。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきますね。
「症状がどれぐらいの治療期間で治るのか?」の質問に対しては、患者さんの生活環境を詳しく理解できていない段階で絶対的な期間を提示する事はできません。
(経験則からだいたいの予測をお答えする事は可能です)
それだけ、患者さんの日常生活の負担や負荷は症状の改善には密接に関わるんです。
逆に言えば日常生活の負担や負荷を減らせば減らせるほど症状の改善は早まります。
この事実はどの症状であっても当てはまります。
坐骨神経痛、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎分離すべり症、頚椎ヘルニア、変形性膝関節症、半月板損傷、肩の痛み、膝の痛み、腰痛、どの疾患であろうが当てはまります。
もし、長期間に渡って症状がなかなか治まらない人は、一度ご自分の日常生活を振り返ってみてください。
もちろん無茶な事を言うつもりはありません。
仕事をされている人に仕事を辞めろ、休めなど言いません。
ただし、もしデスクワークで腰を痛めているのであれば、少しでも楽な座り方を探してみてください。
重たい荷物を持つ作業なのであれば、楽な持ち方などを考えてみてください。
そういった細かい事の積み重ねが患者さんの症状の改善に役立ちます。
どこか治療院に通っていたとしても、そういった日常生活の動作を気をつけていただいた方がより改善が早くなります。
もちろん、そういった日常動作の中で、負担のかかりにくい動作を患者さんの知識内で答えを見つけるのは難しい作業でもあると思います。
当院では、治療と並行してそういった動作の指導も行っていますので、興味のある人は是非ご相談して下さいね。
症状別解説ページの目次
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