腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の症状でお悩みの人の話を聞いていると
「腹筋や背筋を鍛えると症状が改善すると聞いたので筋トレをしようと思っています」
といったお話をよく聞きます。
筋肉を鍛えるために腹筋運動や背筋運動を試みる人は結構多いと思うんですが、実は腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が筋トレをするのは悪化する可能性が高く私はオススメしていません。
そこでこのページでは、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が腹筋運動や背筋運動を行う危険性について簡単に説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です（ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます）
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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腹筋運動や背筋運動は腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人にとって負担が大きい
冒頭でも軽く説明しましたが、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が腹筋運動や背筋運動をすると症状が悪化する可能性が高くあまりオススメする事はできません。
腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が腹筋運動や背筋運動をして悪化してしまう理由は、単純に負担が大きすぎるからです。
腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛が発生する人は、他の疾患と比べて強い炎症反応が発生しやすい特徴を持っています。
炎症は近くの神経を興奮させて感覚を過敏にさせてしまいます。
感覚が過敏になると、通常であれば何でもないような少ない負担や弱い刺激でも痛みを感じやすくなってしまうんです。
腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が歩いたり座っているだけなどの些細な動作や姿勢で、強い痛みを感じてしまうのもこの炎症反応の影響が大きいんですね。
この感覚が過敏になっている状態の腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人にとって、筋トレという運動は負担が大きすぎるんです。
筋力トレーニングは日常生活で行われる動作よりも大きな負担を筋肉や関節に加えることによって、筋力を強くする目的で行われる運動方法です。
日常生活の何気ない動作や姿勢で痛みを感じている状態の人が、それ以上の強い負担が体に加わるとどうなってしまうのか？
悪化してしまう可能性が高いですよね。
実際に腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が何らかの筋力トレーニングを行うと、症状がより重症化してしまうケースは本当に珍しくないんです。
また、筋力トレーニングの中でも腹筋運動や背筋運動は特に腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の症状を悪化させやすい運動方法だと思います。
腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛は腰周辺での神経圧迫が原因で発生する疾患です。
大元の原因が腰周辺の神経圧迫ですので、腰の関節に大きな負担を与えると症状が悪化してしまう傾向があります。
腰の関節の構造上、腰を反る動作は非常に腰の関節にとって負担の大きい動作の一つでもあるんです。
そのため背筋運動のようにうつ伏せの状態で腰を大きく反り返る動作を行うと、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人にとってかなり負担の大きい動作になってしまうんですね。
また腰の関節にとって大きく前屈をする動作も負担の大きい動作の一つと考えられています。
腹筋動作も大きく前屈するような動作になりますので、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人にとっては負担が大きく悪化しやすいんです。
実際に腹筋運動や背筋運動をして症状が重症化してしまったという人は非常に多いので、もし腹筋運動や背筋運動を考えている人は止めておいた方が良いですよ。
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そもそも腹筋や背筋を鍛えれば症状が改善する可能性も低い
そもそもですが、腹筋や背筋を鍛えれば腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の症状が改善する考え方自体に私はかなり疑問を持っています。
理由は主に二つ。
一つは本当に単純な理由ですが、実際に腹筋運動や背筋運動などの筋力トレーニングを行うと症状が改善するどころか余計に悪化している人の方が圧倒的に多いからです。
私は腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の治療をそれなりに得意にしていますし、 その治療を仕事にしているわけですから今までたくさんの患者さんを見てきました。
その中で腹筋運動や背筋運動などの筋力トレーニングをして逆に悪化してしまった人を山ほど見てきているんです。
また、一般的に筋力の強い現場系の仕事をしている人や、スポーツをしている人や、趣味や競技として専門的に筋肉を鍛えている人達でも、同じように腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の症状でお悩みの人はたくさんいるんですね。
筋肉を鍛えれば症状が改善するなら、元々筋肉を鍛えている人達は腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛になりにくいはずですけど、患者さんを診ていて筋肉の強さが症状の発生に関わっているようには思えないです。
私の個人的な経験則が理由になっていますので信じてもらえないかも知れませんが、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が筋肉を鍛えて症状が改善するとはどうしても考えにくいんですよ。
もう一つの理由はちょっと理屈っぽい 説明になります。
筋肉というのは筋繊維という繊維状の物質の集合体 です。
こういった繊維状の物質というのは、その繊維の方向に沿った力であればかなりの負担にも耐えられる特徴を持っています。
ただし、繊維状の物質は繊維の方向に沿わない横からのせん断力などには簡単に壊れてしまうという特徴も持っているんです。
これは私の持論でも何でもなく単純な物理学のお話です。
そして筋肉の筋繊維の方向は近くの関節の構造に沿って付着しています。
つまり、筋肉は関節の構造上問題のない動きなのであれば簡単には壊れないんですが、関節の構造上問題のある動きであれば簡単に壊れてしまうんです。
先ほども説明したように、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛は腰周辺での神経圧迫によって発生する疾患です。
筋肉をどんなに鍛えた所で腰の関節にとって負担の大きい動作をしてしまうと、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人にとっては防ぐ事は出来ないんですよ。
つまり腹筋や背筋をどれだけ鍛えたとしても、腰の関節にとって負担の大きい動作を行ってしまうと症状は発生してしまう訳です。
こういった理由から、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が筋肉を鍛える事にあまり意味はないと思います。
意味が無いだけならまだ良いんですが、余計に悪化する可能性が高いので避けた方が良いです。
負担の少ない適度な運動は症状が改善する事もある
こういった説明をすると、筋トレで痛みが改善した経験があるというお話をする人もいるかも知れません。
「筋トレをして肩こりが治った」
だとか
「筋トレをするようになってから腰痛が減った」
というお話は稀に聞きます。
ただし、これは筋力を鍛えたから症状が改善したというよりも、その人にとって適度な運動を行ったから症状が改善しただけだと思います。
腰椎椎間板ヘルニアの症状の発生には筋肉の緊張状態や炎症反応の有無なども大きく関わっています。
運動はその人にとって負担の少ない適度な範囲で行えば、筋肉を緩める効果もありますし血行を促進して血管の中に発生してる炎症反応を洗い流してくれる効果があります。
そのため、適度な運動で腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の症状が改善する事もあるんですよ。
筋力トレーニングという運動がその人にとって許容範囲の負担であったなら、症状が改善する事もあるかと思います。
でもそれは、筋力が強くなったから痛みが楽になったのではなく、その人にとって許容範囲内の運動を行ったから血行が良くなって筋肉の緊張が緩まって症状が改善したというだけです。
例えば 膝の痛い人が水中でウォーキングをしたら痛みが取れただとか、ウォーキングをしたら肩こりが取れただとか、運動して痛みが改善するケースは山ほどあるんです。
ただし、だからと言って何でもかんでも運動すれば良いという訳ではありません。
その人にとって負担の少ない運動であれば改善するケースがありますが、許容範囲を超える運動は逆に症状を悪化させてしまいます。
つまり運動によって症状が改善するかどうかは、運動をする人にとって楽な範囲で行える運動なのかが非常に重要になるんです。
ただ筋トレの場合は残念ながら負担の少ない適度な運動にはなりにくいと思います。
筋トレは日常生活では発生しないような強い負担を筋肉に加える事によって鍛える事を目的にしています。
先ほども説明しましたが、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛は他の疾患と比べても炎症がかなり強く感覚が過敏になっている人がほとんどです。
通常の日常生活ですら痛みが出ている状態なわけですから、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人にとって筋トレは負担が大きすぎるので症状が改善するよりは悪化する可能性の方がどうしても高いんですよ。
もし筋トレをして腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の症状が改善するとすれば、炎症反応が弱い軽症例だけだと思いますので、悪化する危険性を考えれば止めておいた方が良いと思います。
また、どんなに負担の少ない適度な運動でも症状が重症化している場合は逆効果になりますので、症状が強い人は信頼できる医療機関で治療やリハビリを受けるようにして下さい。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきます。
腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が腹筋運動や背筋運動を行うと、余計に症状が悪化する可能性が高いためオススメ出来ません。
そもそも、腹筋や背筋を鍛えれば症状が改善するという説はかなり怪しいと思っています。
症状が重症化していればいるほど筋トレをした時の危険性は高まりますので、症状が強い場合は出来るだけ早く 信頼できる医療機関に相談して治療やリハビリを受けるようにしましょう。
ここからは少し営業トークになりますが、私は大阪府豊中市でよしだ柔整治療院という治療院を経営しています。
症状によっては限界もありますが腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の治療はそれなりに得意にしていますので、通える範囲にお住まいの方は遠慮なくご相談下さいね。
また、この記事以外にも腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛に特化した内容の記事をたくさん書いています。
このページの下の方にリンクを貼っていますので、興味のある人は是非ご覧くださいね。
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