頚椎症や頚椎ヘルニアの症状でお悩みの人の話を聞いていると
「治療後に症状が悪化する好転反応って何ですか？」
といった質問をいただくことがあります。
好転反応というのは治療後に症状が一度悪化してからその後に改善するという反応の事です。
治療を受けた後に症状が悪化した場合、その治療院の先生から好転反応について説明を受けた事がある人も多いと思います。
ただし、患者さんからすれば好転反応が本当に存在しているのか疑問に思っている人も多いでしょう。
そこでこのページでは、治療後に症状が悪化してしまう好転反応と頚椎症や頚椎ヘルニアとの関係について説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です（ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます）
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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症状が改善する時の過程で一時的に悪化する事はある
私は実際に頚椎症や頚椎ヘルニアの治療をそれなりに得意にしている人間ですので、今まで 数多くの頚椎症や頚椎ヘルニアの患者さんの治療をしてきました。
その経験から言わせてもらいますと、頚椎症や頚椎ヘルニアの治療をして一時的に症状が悪化してその後に症状が改善するという経過をたどる人は 一定数おられます。
全ての人に発生するような現象ではありませんが、好転反応という現象が発生する事はそれほど珍しい事ではないんです。
ではなぜ一度症状が悪化してその後に症状が改善するという経過をたどる事があるのか？
私が知る限りこの好転反応という現象を科学的に解明していたり、もしくは医学的に説明しているお話を聞いた事がありませんので、一般的に好転反応の原因や理由ははっきりしていません。
ただ私の中では好転反応の発生理由にそれなりに根拠のある仮設は持っています。
そこでここからは私の経験則を踏まえた仮説ではありますが、好転反応が発生する理由について説明させていただきますね。
早速ですが、、、
治療によって大きな変化が体に発生した時に、脳がその変化を警戒して一時的に痛みを強くしている状態が好転反応の正体だと私は考えています。
皆さんを悩ましている体の痛みという感覚は、脳が体を守るために作っている防御信号の一つです。
体に大きな負担が加わっていると脳が判断した場合、脳は体を守るために痛みの感覚を作り出します。
人は痛みを感じると痛む場所をかばうためにゆっくり体を動かしたり、もしくは痛みがあるので安静にしようと心がけますよね？
体の痛みは体を休ませる事と自分の状態が悪い事を知らせるために脳が作り出しているんです。
ただし何らかの刺激が体に加わった時に、脳がその刺激を体への負担と判断するまでには時間がかかってしまうケースも珍しくありません。
一番有名な話で説明すると、運動を久しぶりに行った時に筋肉痛が２、３日後に遅れて発生するというケースです。
負担を体に加えたのは数日前なのに筋肉痛が発生するのは数日後になっているという事は、脳が体の状態を把握するのに数日の時間がかかったという事になります。
ちなみに高齢者であればあるほど運動後に筋肉痛が発生するのが遅くなるケースが多いと思いますが、これはおそらく若い人と比べて脳の処理速度が遅くなっているからです。
こういった反応は体に負担を加えた時だけではなく、治療やリハビリなど良い刺激が体に加わった時にも発生します。
頚椎症や頚椎ヘルニアの患者さんの治療をした場合、治療直後から楽になるという人もいれば治療して数日後に症状が改善するというケースも珍しくないんです。
治療によって良い刺激が体に加わったとしても、その刺激が体にとって良いものなのか？悪いものなのか？を脳が答えを出すのに数日かかってしまう事もあるんですね。
そして治療後に脳が答えを出すまでの間、警戒して一時的に防御信号である痛みを強くしているのが好転反応です。
治療してから好転反応が発生するまでの過程を脳視点で簡単にまとめると、、、
①治療やリハビリで体の状態が大きく変化した
↓
脳「体が大きく変化した事が良いのか悪いのか分からない。答えが出るまで怖いからとりあえず警戒して痛みを強くしておこう」
↓
②治療後に痛みが強くなる
↓
脳「時間をかけて体をチェックしたけど体の状態はむしろ良好だ！これなら痛みを楽にしても良さそう」
↓
③痛みが治療前よりも楽になる
大雑把ではありますが、こういった反応が脳の中で数日かけて行われているのがおそらく好転反応です。
面白いと言ったら怒られてしまうかも知れませんが、好転反応が発生する患者さんは神経質であったり怖がりであったり、性格的に警戒心が強い人が非常に多い傾向があります。
警戒心が強い人の場合は体に大きな変化が加わった時に、本能的に怖がって防御信号である痛みを強くしてしまうんでしょう。
ただし治療やリハビリがうまくいっているのであれば、痛みが強くなるのは一時的で数日以内に症状は改善します。
一度症状が悪化すると不安に感じる人も多いと思いますが、結果的に良くなっているのであれば悪い反応ではないのであまり心配し過ぎないようにして下さいね。
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好転反応は治療の失敗の言い訳に使われる事も多い
ここまでは好転反応が発生する理由について説明させていただきました。
治療後に一時的に症状が悪化したとしても、その後に楽になっているのであれば好転反応の可能性が高いのであまり心配する必要はありません。
ただし、頚椎症や頚椎ヘルニアの好転反応に関しては一つ注意してほしい事があります。
実は頚椎症や頚椎ヘルニアの治療は他の疾患と比べて難易度が高く、患者さんに合った適切な治療を行わないと治療後に症状が悪化してしまうケースが珍しくないんです。
そして、この好転反応という言葉は治療家さんが治療を失敗した時の言い訳として使われる事も多いんですね。
本当は治療によって頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が悪化しているにも関わらず、好転反応とウソをついて治療を続けようとする詐欺師みたいな人もこの業界には残念ながら存在します。
そのため、もし治療後に頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が悪化したのであれば、その状態が本当に好転反応なのかどうかを見極めなければいけません。
そこでここからは、治療後に症状が悪化した場合に好転反応なのかどうかを見極められる特徴を説明させていただきます。
興味のある人は是非参考にして下さい。
好転反応によって症状が悪化した時の特徴
まずは治療後に好転反応として症状が悪化した時の特徴について説明させていただきます。
症状が一時的に悪化したとしても 、最終的に治療をする前よりも症状が改善したのであれば好転反応と考えて良いと思います。
好転反応なのであれば１日２日程度の間に症状は改善しますし、長くても４日以内には症状は改善するはずです。
ちなみに一時的に症状が悪化して数日後に症状が元に戻ったというケースもあると思いますが、これは好転反応ではありません。
好転反応は一時的に症状が悪化したとしても、その後に治療前よりも症状が楽になった状態のことを好転反応と呼びます
一時的に悪化して元に戻ったという事であれば、負担を入れたことで症状が悪化したけども致命的なな負担じゃなかったので元に戻ってくれたというだけの話です。
治療する前よりも症状が良くなっていないのであれば好転反応ではありませんので注意してください。
また、頚椎症や頚椎ヘルニアは首や肩、腕や背中、手や指など上半身の広範囲に症状が発生する事が珍しくない 疾患です。
そのため、頚椎症や頚椎ヘルニアの治療後は今まで痛かった場所が改善すると、今まで感じていなかった場所に痛みが移動する事があります。
このように今まで痛かった場所の痛みが消えたり改善して、今まで痛くなかった場所に痛みが移動する現象は頚椎症や頚椎ヘルニアが改善する時に発生する事の多い現象ですので、これも好転反応と呼んで良いと思います。
痛む場所が移動すると不安に感じる人も多いと思いますが、今まで痛かった場所が改善しているなら悪い反応ではないので心配しないで下さい。
好転反応ではない症状の特徴
頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が悪化した時に、好転反応ではない症状の特徴についても説明させていただきます。
簡単に説明すると、先ほどの好転反応の症状の特徴に当てはまらない経過をたどった場合は好転反応ではありません。
一番分かりやすい特徴は症状が悪化してからの日数です。
好転反応で一時的に症状が悪化している場合、その状態がそれほど長続きするという事はありません。
好転反応であればほとんどの場合は１日か２日以内に症状は改善しますし、長くても３日か４日ぐらいで症状は改善します。
治療の良し悪しを脳が判断するのに１週間以上もかかるという事はありえません。
運動して１週間後に筋肉痛が発生する事なんてないでしょ？
せいぜい２、３日か長引いても４日ぐらいです。
そのため、治療後に症状が悪化して５日以上経過しても改善しないのであれば、その現象は好転反応ではなくただ悪化しているだけです。
治療後に頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が悪化した状態が継続しているなら、その治療はあなたに合っていない可能性が高いのですぐに他の所に変えた方が良いと思います。
好転反応という言葉を使って意味のない治療の継続を迫ってくる治療家さんも多いので、もし心当たりがある場合はこのページを参考に注意して下さいね。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきます。
頚椎症や頚椎ヘルニアは治療後に一度症状が悪化して、その後に症状が改善する好転反応という現象が発生する事があります。
ただし、好転反応は治療が失敗した時に治療家さんの言い訳として使われる事の多い言葉なので注意が必要です。
好転反応なら数日以内に症状は改善するはずなので、もし悪化した状態が長時間続いているようならそれは好転反応ではありません。
好転反応という言葉を言い訳にして意味のない治療の継続を迫ってくる治療院も多いので、そういった場所に心当たりがある場合は違う治療院に変えた方が良いと思います。
頚椎症や頚椎ヘルニアは下手な治療を受けるとさらに重症化する可能性が高いので注意して下さいね。
ここからは少し営業トークになりますが、私は大阪府豊中市でよしだ柔整治療院という治療院を経営しています。
症状によっては限界もありますが頚椎症や頚椎ヘルニアの治療はそれなりに得意にしていますので、通える範囲にお住まいの方は遠慮なくご相談下さいね。
また、この記事以外にも頚椎症や頚椎ヘルニアに特化した内容の記事をたくさん書いています。
このページの下の方にリンクを貼っていますので、興味のある人は是非ご覧くださいね。
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