「揉み返し(もみかえし)」
この名称は病院や治療院に通っている人なら1度は聞いた事がある名称だと思います。
私自身も過去にマッサージをメインで行っている整骨院で働いている時に、患者さんにマッサージをしてその後揉み返しが起きて悪化した苦い経験が何度もあります。
あまり良い意味で使われる事はないでしょうけど、症状の悪化や改善に深く関わる現象ですので、このページでは「マッサージなどで揉み返し(もみかえし)が起こりやすい3つの条件」について説明させていただきたいと思います。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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揉み返し(もみかえし)とは
そもそも「揉み返し」とはどんな現象の事を指すのでしょうか?
「揉み返し」という名称は医学的用語ではない造語ですので、私も正確な定義は理解していません。
一般的にはマッサージや施術をした後に、余計に症状が悪化する現象の事を「揉み返し」と呼ばれていると思います。
では何故「揉み返し」は起こるのでしょうか?
治療行為がその治療を受けた患者さんにとって、負担になってしまったという事が原因だと思います。
もっと簡単に言えば、治療行為がその患者さんにとって、刺激が強すぎたと考えれば分かりやすいと思います。
どんなに効く薬であっても、大量に飲めば毒になりますよね。
治療も似たような特徴を持っています。
その人にとって強すぎる刺激は負担になってしまい、より症状を悪化させてしまう訳ですね。
このようなメカニズムが、「揉み返し」の簡単な説明になると思います。
揉み返しが起こりやすい3つの条件
もちろん誰にでも「揉み返し」が起こる訳ではなく、「揉み返し」が起こりやすい条件、もしくは「揉み返し」がおこる危険性が高い条件というものが存在します。
ここからはマッサージや施術を行った後に、「揉み返し」の危険性が高い条件を3つ説明させていただきますので是非参考にしてくださいね。
① 治療を行う術者の技量が未熟な場合
この条件に関してはそのままの意味です。
そもそも術者の技量が未熟な場合、関節を本来の動きとは違うようなあり得ない方向に動かしたり、無茶苦茶な力加減で治療行為を行う場合があります。
もはや治療行為というよりも体を壊す行為かも知れません。
当然、こういった負担の大きい施術を行うとその後に揉み返しを発生して症状を悪化される方がいます。
しかしこの条件に関しては、患者さんが施術を受ける前に見分けるのは不可能だと思います。
運が悪かったとしか言えないかもしれませんね・・・
② 患者さんの体質や個性が関わる場合
先ほど「揉み返し」の原因は、治療を受けた患者さんにとって、その治療の刺激が強すぎるのが原因だと説明しました。
ですが、そこには患者さんの体質や個性も非常に深く関わっています。
患者さんによっては、強い刺激が得意な人もいれば苦手な人もいます。
強い刺激が得意な人なら、少々強引な治療でも負担に感じる事はありません。
ですが、強い刺激が苦手な人の場合は、強い刺激の治療をいれてしまうと負担に感じてしまい「揉み返し」が起きて症状が悪化してしまいます。
強い刺激が極端に苦手な人の場合は、たいして強くない刺激の治療でも「揉み返し」を起こしてしまう場合もあります。
このように、「揉み返し」が起こりやすくなる条件に、患者さんの体質や個性は深く関わっています。
ご自身の体質が、強い刺激が得意なのか苦手なのかも、実はその人の性格によってある程度判断する事もできます。
性格的に神経質な人や怖がりの人、または警戒心が強くて治療中に力が入りやすい人は、マッサージなどの強い刺激での治療後に、揉み返しが起こる可能性が高いと感じています。
「痛みに性格なんて関係あるの?」
という声が聞こえてきそうですが大いに関係あります。
身体に与えられた刺激を負担と感じるかどうかは、人の頭が無意識に判断しているわけですが、当然怖がりの人や警戒心が強い人は、普通の人以上に刺激を負担と感じやすくなっている様です。
そのため、マッサージやバキボキ鳴らす様な「強い刺激で行う治療」は、このタイプの性格の人にはあまり合わない可能性がありますのでお気を付け下さい。
③ 患者さんの症状の特徴が関わる場合
先ほどの②「患者さんの体質や個性が関わる場合」では、患者さんによっては強い刺激が得意な人もいれば、苦手な人もいると説明させていただきました。
この③の「患者さんの症状の特徴が関わる場合」の条件に関しても似た様な説明になります。
患者さんだけではなく症状によっても強い刺激が得意な症状もあれば、逆に強い刺激が苦手な症状も存在します。
肩こりや筋肉疲労や筋肉痛などのように、症状の原因が単純に筋肉にある症状の場合は少々強い刺激を入れても「揉み返し」を起こす可能性は低いと思います。
(もし起こした場合は①か②の条件が関わっていると思われます)
それに比べて症状の原因が単純な筋肉ではなく、骨や軟部組織の変形や損傷、神経の圧迫などが関わっている症状の場合は強い刺激の治療が苦手な場合が多く、マッサージやバキボキ鳴らす様な強い刺激の治療で「揉み返し」が起こる可能性が高い症状になります。
骨や軟部組織の変形や損傷、神経の圧迫などが関わっている症状は、その周辺の炎症状態が強く、神経が常に興奮状態にあり感覚が過敏になる特徴を持っています。
感覚が過敏になるという事は、簡単に言えば普通の人よりも負担を感じやすい状態になっているんです。
この理由が、強い刺激が苦手な症状の特徴になります。
具体的に言えば軟部組織の損傷や変形が関わる変形性膝関節症や膝の半月板損傷、神経の圧迫が関わる腰や首のヘルニアなどが当てはまります。
これらの症状は、マッサージやバキボキ鳴らすような強い刺激の治療が苦手で、「揉み返し」が起こす可能性が高い症状になりますので気をつけてくださいね。
この3つの条件の中で1つでも当てはまった場合、「揉み返し」の可能性が高くなります。
あくまでも可能性が高いというだけで、必ず「揉み返し」になるという訳ではありません。
ですがもし「揉み返し」が頻繁に起こる様なのであれば、このページを参考にしていただき「弱い刺激での治療」を行う治療院を探してくださいね。
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まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきますね。
マッサージなどの強い刺激で行う治療法の場合、術者の技量、患者さんの特徴、症状の特徴によっては揉み返しを発生させて逆に症状を悪化させるリスクが存在します。
もちろん、可能性があるというだけでマッサージ=危険と言うつもりはありません。
しかし人間の体は正直ですので、もし施術を受けて症状が悪化した時は気をつけて下さい。
治療が本人に合うか合わないかは個人差が大きいので何とも言えませんが、悪化したのであればその人にとっては相性は良くないと思いますので。
以上で「マッサージで悪化、揉み返し(もみかえし)が起こりやすい3つの条件」のページの説明を終了させていただきます。
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