肩こりでお悩みの患者さんの話を聞いていると
「先生、私の友達は肩こりを感じた事がないと言っているんですが、そんな人って本当にいるんですか?」
といった質問をたまにいただきます。
いるかいないかで言えば、そういった肩こりを感じない人は実在します。
実際に肩周辺の筋肉の緊張がガチガチになっていたとしても、肩こりを感じない、無自覚、無症状という人は存在します。
そこでこのページでは、肩こりを感じる人と、肩こりの症状を感じない、無自覚、無症状の人との違いについて説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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筋肉の緊張「だけ」で痛みが発生する訳ではない
肩こりに関わらず、人間の痛みの全ては脳が作り出している一種の感覚です。
脳が「痛み」という感覚を生み出すのは、人間の体を防御するためと考えられています。
簡単に言えば、悪い所を「痛み」によって知らせる危険信号の様なものだと考えてください。
もし首や肩になんらかの問題が発生した時は、脳が体を安静にしてほしいので首や肩に「痛み」を発生させるんです。
「痛み」があるとみなさんは動作を気をつけますよね?
もしくは慎重にそろーっと動きますよね?
人は「痛み」があるとその「痛み」を回避しようとして、悪い場所に出来るだけ負担がかからないように動きます。
(無意識でもです)
当然ですが、日常生活の負担が少なければ少ないほど症状の改善は早くなります。
つまり、「痛み」という脳が発する危険信号の役割は、本人に悪い箇所を知らせると同時に、できるだけ安静にさせるために存在するんですね。
そしてこの「痛み」という感覚を作るために、脳は体のあちこちから様々な情報を集めています。
例えば筋肉の緊張状態、血行の状態、炎症の有無、疲労状態、組織の損傷や変形の程度、などなど、痛みを作るための情報は無数に存在します。
しかし、こういった様々な情報を統合して痛みは作られるのであって、どれか一つだけの情報だけで痛みという感覚が作られる事は少ないと考えられています。
つまり筋肉の緊張「だけ」で痛みが発生する事はないという事ですね。
肩こりでお悩みの人の多くは、実際に首や肩の筋肉が緊張して硬くなっている人は非常に多いと思いますが、その筋肉の緊張「だけ」では痛みは発生しにくいんです。
他にも体の血行の状態や炎症の有無、体の疲労状態や組織損傷や変形の程度などが良好な状態であれば、筋肉が緊張していても強い症状は発生しません。
そのため、実際に触ってみたら肩周辺の筋肉は緊張しているのに、肩こりを感じない、無自覚、無症状という人が存在するんですね。
また、痛みは脳が作り出している感覚ですので、精神的なストレスなども大きく関わっています。
もっと詳しく言えば、その人の性格によっても痛みが発生しやすかったり、痛みが発生しにくかったりなどもあります。
一般的には神経質で警戒心が強い人ほど痛みが発生しやすく、楽観的で大雑把な性格な人ほど痛みを感じにくい傾向があります。
あくまでも傾向であって、楽観的な人が絶対痛みを感じないという訳ではありませんが、看護婦さんの患者さんの話を聞いていると、ガンの痛みでもその人の性格によって痛み方が異なる傾向もあるようです。
このように、痛みというのは筋肉の緊張「だけ」で発生する訳ではなく、筋肉の問題以外でも様々な要因が重なって発生しています。
そのため症状の発生に個人差は非常に大きく、実際に首や肩の筋肉の緊張が強くても肩こりの症状を感じないという事はあり得るんですね。
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肩こりを感じやすい人は首の骨の変形などが大きく関わっている可能性が高い
肩こりに関わらず、人の痛みは筋肉の緊張状態も含め、その他にも様々な要因が重なって発生しているという事を上記では説明させていただきました。
その中でも肩こりを感じやすい人の多くは、首の骨(頚椎)の変形や損傷などが関わっている可能性が高いと私は考えています。
通常の肩こりの原因の多くは、単なる血行不良から疲労物質が溜まって発生する筋肉痛です。
筋肉痛は誰もが経験した事があると思いますが、通常であれば数日、長引いても1週間から2週間もすればほぼ改善するはずです。
肩や首は毎日のように酷使する人も多く、常に筋肉痛のような症状を発生させている人も中にはいるかも知れませんが、それでも症状がほとんど改善せずに何ヶ月も継続するなんて事は、ただの血行不良から発生している筋肉痛ではあり得ません。
にも関わらず長時間に渡って肩こりが発生し続けている、もしくは頻繁に肩こりを感じやすい人の場合は、首の骨などに何かしらの組織損傷や変形がなければ考えにくい現象でしょう。
首の骨の組織損傷や変形と言うのは回りくどい言い方ですので、病名をはっきりと言わせてもらいます。
こういったなかなか治らない肩こりや、頻繁に肩こりの症状を感じやすい場合は、頚椎症や頚椎ヘルニア、ストレートネックなど、首の骨や変形によって近くの神経を圧迫して発生している神経痛だと思います。
頚椎症や頚椎ヘルニアとは、首の骨や軟骨が変形する事によって近くの神経を圧迫し、その神経が支配している領域に痛みや痺れなどの症状を発生させる疾患です。(必ずしも痺れが発生する訳ではありません)
軽症から重症例までの症状がかなり幅広く、重症であれば夜も疼いて寝れないなどの強い症状を発生させる事もありますが、軽症であれば肩こりに似た痛みや筋肉の張り感だけを感じる場合もあります。
このように重症であれば、ただの肩こりでは考えられない症状を発生させますので分かりやすいんですが、頚椎症や頚椎ヘルニアなどで症状が発生していたとしても、軽症であれば肩こりに近い症状を発生させますので勘違いされやすいんですね。
実際に頚椎症や頚椎ヘルニアと診断された人の話を聞いていると、過去に長年に渡って肩こりの症状に悩まされていたという話をよく聞きます。
つまり、なかなか治らないしつこい肩こりの症状の正体は、頚椎症や頚椎ヘルニアなどの初期症状の可能性が非常に高いんです。
頚椎症や頚椎ヘルニアのような首の骨の変形がある人は、通常の人に比べて肩こりを感じやすいと説明しても大げさではないかも知れませんね。
頚椎症や頚椎ヘルニアであっても、初期であれば異常なしと診断される事が多い
もし頚椎症や頚椎ヘルニアを疑った場合、病院へ行ってレントゲンやMRIなどの画像検査をされると思いますが、初期の頚椎症や頚椎ヘルニアの場合は「異常なし」と診断される事も決して珍しくありません。
お医者さんの診断基準はどうしても手術をするべきかどうかで判断される事が多く、首の骨や軟骨の変形、神経の圧迫などの問題点があったとしても、手術するほどの大きい問題じゃなければ「異常なし」と言われる事が多いんですね(こういった事は実際にお医者さんに聞いた事のある話です)
また、実際に異常があったとしても神経を圧迫している場所や角度によっては、MRIの検査でも写りにくい、写らない事も決して珍しい事ではないようです(これも実際にお医者さんに聞いた事があります)
頚椎症や頚椎ヘルニアから発生している肩こりの症状なのであれば、弱い刺激で行う治療が効果的
もしあなたが現在感じている肩こりの症状が頚椎症や頚椎ヘルニアが原因で発生しているのであれば、残念ながら一般的な整骨院や病院などで行われているマッサージや電気治療では改善しにくい症状のはずです。
実は頚椎症や頚椎ヘルニアの症状は非常に治療が難しく、お悩みの人が非常に多い疾患でもあります。
頚椎症や頚椎ヘルニアのように、首の骨や軟骨の変形などが症状に大きく関わっている場合、その周辺には常に強い炎症が発生しています。
炎症は近くの神経を興奮させて、感覚を過敏にさせる特徴を持っています。感覚が過敏になると、簡単に言えば少しの負担やちょっとした動作でも痛みを感じやすくなってしまうんです。
つまり、こういった症状の方にマッサージなどの強い刺激で行う治療を行うと、あまり効果がない所か逆効果になってしまう可能性があるんですね。
どこの治療院やマッサージに通っても改善しなかったという人は多いと思いますが、そのほとんどの治療が割と刺激量の多い治療である事が多いと思います。
逆に、優しく弱い刺激で行う治療であれば、治療行為が負担になりませんので改善する可能性があります。
弱い刺激の治療を行っている治療院は、あまり多くはないと思いますが、もしよろしければこのページで書かれている事を治療院選びの参考にして下さいね。
もしどこに相談していいか分からない、どこに相談してもダメだったという人は一度私にお気軽にご相談して下さいね。
どこに行っても治らないしつこい肩こりや、頚椎から発生している症状の治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
以上で「肩こりを感じる人と感じない人の違いは?無自覚、無症状の人もいる」のページの説明を終了させていただきますが、下記に肩こりに関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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