このページでは、私が実際に診た患者さんにどういった考え方で治療を行い、どういった経過を辿ったのかを出来るだけ詳しく説明しています。（治療の詳細に関しては説明しきれない部分もあります）
私にも治せない疾患は当然ありますが、ホームページでは治せた患者さんで他の方の参考になりそうな人を選んで解説しています。
痛む場所が同じであったとしても、患者さんによって細かい症状や痛む条件、改善の経過には差があって当然ですが、似たような症状をお持ちの人は是非参考にして下さいね。
大阪府茨木市からお越しいただいた５０代男性Iさんの症状について
３０年ほど前から膝の痛みに悩まされており、１５年前には左膝の半月板の手術をされている方です。
職業が学校の教師をされているので、運動会で走る機会があって左膝を悪化させ、その後数ヶ月たっても強い痛みが続き来院されました。
夜寝ているだけでも膝に痛みが発生しており、歩いている時の方が少しマシ。しゃがむ動作や階段の上り下りなど膝を深く曲げて体重をかける動作はほとんどスムーズに行えない状態。
治療の内容
こういった強い痛みが数ヶ月も継続している場合は、単なる筋肉痛などではなく、組織の変形や損傷が深く関わっている可能性が高く、この患者さんの場合は過去に半月板の手術をされている事からもほぼ間違いなかったでしょう。
半月板などに何らかの問題があったとしても、痛みを発生させている要因は周りの炎症や筋肉の緊張が大きく関わっており、そういった要因を改善させれば症状が改善する事は珍しくありません。
この患者さんの場合は、「寝ているだけでも痛い」という症状を発生させていたので、通常の人以上に炎症が強い状態だと判断。
炎症は近くの神経を興奮させ、感覚を過敏にさせる特徴を持っていますので、炎症が強ければ強いほど治療で与える刺激も少なくしなければ逆効果になる可能性もあります。
そのため、１回目の治療は仰向けに寝てもらい、ひたすら足首を軽く動かす事だけを徹底しました。
膝の患者さんではありますが、膝は一切触っていません。直接膝を動かすだけでも悪化させる可能性があるためですね。
足首は一見膝とは無関係に思われるかもしれませんが、股関節と膝と足首の動きは連動していますので、実は足首の動きは膝の治療に大きく関わります。
１回目の治療後は少し膝が軽くなった程度で終了。
２回目の来院時に話を聞くと、１回目の治療後から夜寝ている時の痛みは消失、歩く時の痛みもマシ、しゃがむのとかはまだ辛いという事でした。
２回目も１回目と同じく地味な治療を徹底。
３回目来院時には歩く時の痛みもほぼ消失。しゃがんだり階段もマシになっているという事でした。
だいぶ改善してきていたので、３回目は膝を曲げたりなど大きく動かす治療に変更。
しかし、４回目の来院時には少し症状悪化。
おそらく膝の半月板の組織損傷や変形が予想以上に強く、大きく膝を動かす治療は逆効果になると判断し、それ以降の治療は足首周辺を触るのみの弱い刺激での治療を徹底。
その後２,３回の治療で深くしゃがんだ時の弱い痛み以外の症状は消失。元々昔からこの程度の症状はあったという事だったのでその時点で治療を終了しました。
まとめ
一般的には重症の患者さんであればあるほど弱い治療が有効であり、軽症や回復期になれば大きく関節を動かす治療の方が効果的な事が多いんですが、この患者さんの場合は弱い刺激での治療を終始行った方が有効な方でした。
おそらくですが、痛みがあまりなくても膝の中の組織損傷の重症度が高く、強い刺激の治療は「負担」になってしまっていたんでしょうね。
その後も数回、何かがきっかけで再発をさせていますが、その都度このページで説明している治療で改善しています。
この患者さんの場合はこうだったという事で、全ての人に当てはまる症例ではありませんが、この説明が何かの参考にしていただけるとありがたいです。
よしだ柔整治療院には、大阪府豊中市、吹田市、茨木市、箕面市、高槻市など、大阪の北摂地域からの患者さんが多数来院しています。
もしこういった地域にお住まいの人で、体の痛みでお悩みの人は遠慮なくご相談して下さいね。
