このページでは、私が実際に診た患者さんにどういった考え方で治療を行い、どういった経過を辿ったのかを出来るだけ詳しく説明しています。(治療の詳細に関しては説明しきれない部分もあります)
私にも治せない疾患は当然ありますが、ホームページでは治せた患者さんで他の方の参考になりそうな人を選んで解説しています。
痛む場所が同じであったとしても、患者さんによって細かい症状や痛む条件、改善の経過には差があって当然ですが、似たような症状をお持ちの人は是非参考にして下さいね。
大阪府吹田市から来られた30代男性Uさんの症状
3ヶ月ほど前から左の首、肩、腕にかけての痛みと痺れ。症状はその時によって強さに波はあるが、ずっと同じ姿勢を続けていると症状が強くなる傾向が強い。
日に日に悪くなっているのと、寝るときは特に痛みが強くなり、仰向けでは痛くて寝れない。左側を上にした状態での横向きであれば痛みはあるが何とか寝れる。
一度寝てしまえば朝まで痛みで起きる事はない。
整形外科でレントゲンを撮ってもらい、神経の痛みである可能性が高いと診断。
当院の治療
首、肩、腕と神経の通り道にライン上で症状が発生している事から、頚椎症や頚椎ヘルニアなど、首の骨や軟骨の変形によって発生している神経痛と判断(痺れも発生しているのでほぼ間違いないでしょう)
頚椎の問題が症状に大きく関わっている場合、治療行為も含めてとにかく負担を与えない事が改善の鍵になります。
頚椎ヘルニアは首の骨などの変形が症状に大きく関わっており、その変形部分には常に強い炎症が発生しています。
炎症は近くの神経を興奮させ、感覚を過敏にさせる特徴を持っています。
感覚が過敏になるとちょっとした動作でも負担を感じやすくなってしまうんですね。
そのため、治療を行う体勢はその患者さんが楽な体勢で行わなければいけません。
この患者さんの場合は痛みのせいで「横向きだけ」しか楽な体勢がありませんでしたので、当然横向きで治療を行いました。
抱き枕のようにクッションの上に腕を載せると更に楽になるようでしたので、クッションの上に腕を載せて手首や腕を軽く動かすだけで初回の治療は終了です。
本音を言えばもう少し大きく体を動かす治療をしたかったのですが、少し大きく動かすだけでも軽い痛みや痺れが発生していましたので、とにかく初回は負担をかけない事を重視しました。
2回目は1週間後に来院。あまり症状に変化はしていないという事でしたが、仰向けでも少し寝れるようになったと患者さんが仰ったので、この日の治療は仰向けで行いました。
実は仰向けの方が腕や手を動かせる範囲が大きく治療はしやすいため、個人的には仰向けに楽に寝れる状態であればかなり治療の難易度は下がります。
この日は腕を動かす事によって肩甲骨周辺の炎症を改善し、治療直後の症状はほぼ消失しました。
3回目は更に1週間後に来院。治療直後に比べると少し症状は強くなってきているがだいぶマシ。寝ている時の症状はほぼなし。3回目は腕を動かす治療と首も直接動かして治療しました。
4回目は2週間後、違和感はあるけども大まかな症状は消失しているのでこの日で終了。
まとめ
強い症状の割には「予想外」に良い経過で終わる事の出来た症例でした。経験則で言えば仰向けに寝れるようになるまでに3回程度の治療回数が必要になると予想していたんですが。。。
また、治療と治療の間隔も常に1週間以上空いていましたので(仕事の都合上仕方ない)、ここまで順調に行くとは思っていませんでした。
こういった良い意味での例外も存在しますが、どんな治療であっても通常であれば治療を受ける間隔は短ければ短いほど経過が良い事が多いと思います。