このページでは、私が実際に診た患者さんにどういった考え方で治療を行い、どういった経過を辿ったのかを出来るだけ詳しく説明しています。(治療の詳細に関しては説明しきれない部分もあります)
私にも治せない疾患は当然ありますが、ホームページでは治せた患者さんで他の方の参考になりそうな人を選んで解説しています。
痛む場所が同じであったとしても、患者さんによって細かい症状や痛む条件、改善の経過には差があって当然ですが、似たような症状をお持ちの人は是非参考にして下さいね。
大阪府茨木市40代男性Oさんの症状
首、右腕の痛み痺れ。朝が一番痛いのと、デスクワークをしていると20~30分に1回は立って体勢を変えないと痛くて仕事できない。立って歩いたりすると楽になる。
首や腕とは別に右手の人差し指の先っぽは常に痺れている。
病院では首と首の間が狭くなっている事によって発生している神経痛と診断されたが、ヘルニアではないと言われたらしいです。
こういった事は良く聞く話ではありますが、神経を圧迫していて神経痛を出しているのにヘルニアじゃないというのはどういった意味なんでしょうね?軽度のヘルニアという診断で何の問題もないと思うんですが。
当院が行った治療
症状は首の骨での神経圧迫が原因ですので首の治療を行わなければいけないんですが、私はこういった症状の治療をする場合は首を触る事はほとんどありません。
首の骨などの変形が症状に大きく関わっている場合、その変形部分には常に強い炎症が発生しています。
炎症は近くの神経を興奮させ、感覚を過敏にさせる特徴を持っています。
感覚が過敏になるとちょっとした動作でも負担を感じやすくなってしまうんですね。
そのため、首を直接動かすと悪化する事も非常に多いため、首の動きに大きく関わっている肩甲骨を動かす事によって治療をしていきます。
肩甲骨は腕や手などを動かす事によって動かす事が出来ますので(高い技術が必要になりますが)
頚椎ヘルニアなどの症状であっても、その症状の発生には炎症や筋肉の緊張も大きく関わっているため、ゆっくり負担なく動かす事が出来れば血行は促進され、炎症反応も改善します。
この患者さんの場合であれば、初回の治療は仰向けで腕や肩をゆっくり動かす事だけを徹底しました。
治療後には首や腕の痛みやだるさはほぼ消失。人差し指の痺れに関しては変化しませんでした。
2回目の来院時は初回の2日後に来てもらいました。デスクワーク時の痛みや朝の痛みはだいぶ軽減しており、かなり楽になったとの事です。しかしこの日の治療後も人差し指の痺れは変化なし
3回目の時点で、痛みはほとんど消えて僅かな違和感程度。指の痺れは変化がなかったので、あと数回診て指の症状が変化なければ難しいという話をしました(初回の時点で指の症状に関しては難しいと説明していましたが)
その後4回目、5回目と治療をさせてもらいましたが、指の痺れには変化がなかったため、その日で治療終了。首や腕に関しては完全に症状は消えていました。
まとめ
首や腕の症状などは実質2回の治療でほぼ消失して順調にいった症例でした。
人差し指の先っぽの痺れに関しては最初の問診の時点で難しいという話はさせていただいていました。
痺れといっても色々種類はあると思うのですが、痛みに近い痺れなどは改善しやすいんですが、感覚が少し鈍い、チクチク、ザラザラ感じるなどの弱い違和感のような痺れは改善が難しい事が多く、指先などの抹消であればあるほど改善しにくい印象があります。
こういった症状は日常生活に支障はほとんどないため、この患者さんの場合も痛みが取れたので指先の痺れに関してはあまりこだわりはなかったんだと思います。