ジャンパー膝や膝蓋腱炎でお悩みの人の話を聞いていると
「先生、私はジャンパー膝や膝蓋腱炎がなかなか治らないんですがMRIなどの精密検査を受けるべきでしょうか?」
といった質問を稀にいただきます。
ジャンパー膝や膝蓋腱炎の症状がなかなか改善せずに長期間に渡ってお悩みの人は非常に多く、そのため膝の精密検査を受けるべきか迷っている人は非常に多いと思います。
そこでこのページでは、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の完治が長引く理由の説明や原因についてと、MRIでの精密検査を受けるべきかどうかについて説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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ジャンパー膝や膝蓋腱炎は真正面に痛みが発生する事が多い
見出しでも触れているように、ジャンパー膝や膝蓋腱炎は真正面に痛みが発生する可能性の高い疾患です。
当然その理由も存在しています。
膝蓋腱炎やジャンパー膝は太ももの前面の大腿四頭筋という筋肉に過度の負担が加わり、大腿四頭筋や腱の部分に痛みが発生すると考えられています。
ちなみに腱とは筋肉が骨に付着している部分の事で、大腿四頭筋の腱は膝のお皿の真正面を覆うようにして付着しています。
こういった事から、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の痛みは太ももから膝のお皿周辺の真正面に発生しやすいんですね。
そのため、膝の外側や内側、裏側に痛みが発生する場合はジャンパー膝や膝蓋腱炎ではない可能性が高いと思います。
こういった膝の外側や内側、裏側になかなか改善しない痛みが発生している場合、その症状の発生には膝の軟骨や靭帯、半月板などの損傷が関わっている可能性が高いでしょう。
MRI検査のように膝の精密検査を受ける場合は、膝の軟骨や靭帯、半月板などの損傷の有無を調べる事が目的だと思います。
つまり、痛みが発生する場所が真正面ではなくて、膝の外側や内側、裏側に発生している場合は膝の軟骨などの損傷を想定してMRI検査は受けた方が良いと思います。
逆に言えば、痛みの発生している場所が膝の真正面に集中している場合は、やはりジャンパー膝や膝蓋腱炎の可能性が高いと思いますので、MRI検査の意味はあまりないかも知れません。
(検査が無意味とは思いませんが)
膝の軟骨や靭帯、半月板などの損傷はMRIでも分からない事もある
上記では、MRIなどの検査は膝の軟骨や靭帯、半月板などの損傷を調べる事が目的で行われる事が多く、そういった膝の組織損傷は膝の外側や内側、裏側に痛みが発生する事が多いという説明をさせていただきました。
そのため、ジャンパー膝や膝蓋腱炎と診断された事があっても、痛みの場所が真正面じゃないのであればMRIは受けるべきだと思います。
しかし、こういったMRI検査をすれば軟骨や靭帯、半月板の異常が必ず見つけられるかと言えばそういう事でもありません。
私自身、レントゲンやMRIなどの画像診断の有効性は認めていますが、これらの画像診断で異常があるのに見つけられない事はあります。
損傷している部位や場所によっては写りにくい、写らない組織損傷も存在するんです。
実際に私が過去に診させていただいた患者さんの中にも、MRI上は一切異常は見当たらなかったのに、その後手術をしたら半月板が割れていたのが見つかったという例もありました。
そのため、病院で異常なしと診断されたとしても、それは「異常がない」という事ではなくて「異常を見つける事ができなかった」と考えて下さい。
画像診断は有効な検査ではありますが、お医者さんにも「写らない事はある」という話は聞いた事がありますので。
先ほども説明したように、ジャンパー膝や膝蓋腱炎は太ももから膝周辺の真正面に痛みが発生する事が特徴的な疾患です。
画像診断で原因が特定できないのであれば、痛みの発生している場所で疾患の特定を行うようにして下さいね。
下記で説明するつもりですが、軟骨や靭帯、半月板損傷などの原因とジャンパー膝や膝蓋腱炎が発生する原因は異なりますので。
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ジャンパー膝や膝蓋腱炎の発生原因
上記では、膝の外側や内側、裏側に痛みが発生する場合はジャンパー膝や膝蓋腱炎ではない可能性が高く、その場合はMRI診断を受けるべきという説明をさせていただきました。
ここからはジャンパー膝や膝蓋腱炎の発生原因と、膝の外側や内側、裏側に痛みが発生する場合の違いについて説明させていただきますね。
先ほども説明させていただいたように、膝蓋腱炎やジャンパー膝は太ももの前面の大腿四頭筋という筋肉に過度の負担が加わり、大腿四頭筋や腱の部分に痛みが発生すると考えられています。
そしてジャンパー膝や膝蓋腱炎になる人の多くは、スポーツや運動などによって大腿四頭筋に過度に緊張させてしまう原因動作が存在しています。
(日常動作のみでジャンパー膝や膝蓋腱炎が発生する事は非常に稀だと思います)
原因動作というと分かりにくいと思いますが、極端な言い方をすれば膝に過度に負担をかける「悪いクセ」のようなものがスポーツや運動の中に隠れているんです。
ジャンパー膝や膝蓋腱炎の原因として多い動作はざっくりと言えば主に次の2つです。
1 走り方が原因で発生している場合
もし走り方が原因でジャンパー膝や膝蓋腱炎になっているのであれば、走る時につま先や足で地面を蹴る意識が強すぎる事が原因になっている事が多い印象を持っています。
地面を蹴る意識が強すぎて太ももや膝がほとんど上がっていないんですね。
太ももを上げるという動きは、股関節を曲げるという動きでもあり、膝を曲げながら大きく太ももを上に上げるという動きは短距離を走る動きとしては非常に大事な要素になります。
しかし、つま先で足を蹴る意識が強すぎると、股関節と膝の関節が十分に曲がりにくくなってしまうため、地面からの圧力を吸収しきれずに膝への負担が大きくなってしまいます。
(関節は曲がる事によって地面からの衝撃をクッションのように吸収する役目がありますので)
おそらく走り方が原因で発生しているジャンパー膝や膝蓋腱炎の人の中にも思い当たる人が多いのではないでしょうか?
もちろんその時の重心の位置、手の振り方、足の出し方などを修正しないと症状が軽減しない人も多いので簡単ではありませんが、心当たりがある人は是非参考にして下さいね。
2 踏み込んだ時などに重心が後ろに偏りすぎている場合
ジャンパー膝や膝蓋腱炎を発生させている場合、まずは走り方などを確認する事が多いのですが、走り方に大きな問題が無い場合は片足に大きく踏み込んだ時に重心が後ろに偏りすぎている事が原因で発生している事が多い印象を持っています。
重心とは体重が最もかかっている場所の事です。
例えば、ジャンプする前の踏み込んだ時、ジャンプして着地した時、サッカーでボールを蹴る時の軸足、バトミントンや剣道や卓球のように大きく一歩を踏み出す動作などですね。
人間の関節はてこの原理で力を発生させますので、最も力が加わる場所に重心が近ければ近いほど負担は少なく、遠ざかれば遠ざかるほど負担が大きくなります。
そのため、大きく踏み込む動作を行った時に体重が後ろに残ってしまうと膝への負担が大きくなってしまうんですね。
この原因に関しては走る動作と比べて複雑な動作のため、また原因が個人によって大きく異なるため実際に動作や映像を見させていただかないと細かい部分に関しては何とも言えません。
このように結局はその人の痛い動作やスポーツの内容を詳しく聞かせていただかないと、確実な原因を特定するのは難しい疾患だと言えます。
しかし、多くの場合で走り方か足に体重がのった時の重心の位置が関わっていますので、自分の原因動作の追求に役立てて下さいね。
膝の外側や内側、裏側に痛みが発生している場合は膝の捻じれが関わっている事が多い
さて、非常に簡単ではありますが、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の原因動作として多い動作を説明させていただきました。
ジャンパー膝や膝蓋腱炎の発生原因には多くの個人差はありますが、ある共通点が存在しています。
説明したように、走り方が原因にしても、踏み込んだ時に重心が後ろに偏っている原因にしても、その動作は身体の前後の動きが大きく関わっているんですね。
そういった動作と比べて、膝の外側や内側、裏側に痛みが発生する場合の原因の場合は膝の捻じれが大きく関わっている事が多いんです。
膝は関節の構造上、捻じれるようには作られていませんので、膝に過度の捻じれが発生すると膝の軟骨や靭帯、半月板などの損傷が発生しやすくなってしまうんですね。
また、捻じるという動きが大きく関わっているため、痛む場所が真正面ではなくて外側や内側に偏ってしまうんです。
どんな時に膝を捻じってしまっているのか?に関しては人によって大きく異なるため確定的な事は言えませんが、このようにジャンパー膝や膝蓋腱炎とは明確に発生原因が異なるため気をつけて下さいね。
原因動作を改めるだけで症状が改善する事は十分にあり得ますので、もし痛みが真正面に集中していないのであれば、MRI検査を受けるのと同時に、膝を捻じらないように気をつけて下さい。
ジャンパー膝や膝蓋腱炎の治療方法
ここからはジャンパー膝や膝蓋腱炎の治療方法や完治までの治療期間について説明させていただきます。
とは言っても、ここまで説明させていただいた様にジャンパー膝や膝蓋腱炎の原因の多くはスポーツや運動中の動作の中に存在しています。
そのため、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の治療で最も大事な部分は動作指導になります。
はっきり言って治療でその場の症状を改善する事はさほど難しくありません。
おそらくこのページを読んでいる人の中にも、治療院での治療直後は楽になった経験がある人も多いと思います。
この疾患を治療するに当たって最も厄介な部分は動作解析と動作指導の2点です。
動作解析とはそのままの意味ですが、患者さんのどの動作が原因になっているのかをまずは特定しなければいけません。
走り方などならほとんど経験と予測だけで答えを出せますが、原因動作に関しては人によって本当にバラバラなので場合によっては苦労します。
その場で見れる動作なら直接見れますが、多くの場合は動画を撮ってもらう事が多いです。
そして原因が特定できれば今度はその指導をしなければいけません。
この部分に関しては単純に患者さん側の努力が必要になります。
慣れ親しんだ動作を変えるという事は口で言うのは簡単ですが、実際は非常に大変な事ですので。。。
ただし、本当にこういった事を追求していけばこの症状は治す事が可能です。
完治までの治療期間に関してですが、この部分は動作分析と動作指導が順調にいくかどうかで大きく異なります。
何ヶ月もお悩みの人であっても、初回から順調に原因動作を発見でき、順調に動作を改善する事ができれば早い人なら1、2回で終わる事も多いです。
(大げさな表現ではありません)
ただし、本当に原因動作は人によって大きく異なりますので、動作分析に時間がかかる場合はその分治療期間や回数が伸びてしまいます。
また、原因動作を特定したとしてもその原因動作を改善する努力は患者さん次第ですので、患者さん側のやる気の問題によっては長引く事も正直に言ってあります。
(あまり患者さんのせいにしたくはありませんが、この疾患は本当に原因動作を変えないと治りませんので)
私の経験則では、だいたい平均して3、4回ぐらいの治療回数という印象です。
いずれにしても、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の症状が完治するまでの治療期間は、原因となっている動作を改善できるかどうかで決まります。
もしこのページを読んで参考になったという人は、近くに動作指導をしてくれそうな人を探してみて下さい。
もしどこに相談していいか分からない、どこに行ってもダメだったという人は1度私にお気軽にご相談してくださいね。
ジャンパー膝や膝蓋腱炎の治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
以上で「MRIは撮るべき?なかなか改善しないジャンパー膝や膝蓋腱炎」のページの説明を終了させていただきますが、下記にジャンパー膝や膝蓋腱炎に関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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