ジャンパー膝や膝蓋腱炎でお悩みの人の話を聞いていると
「先生、私はサッカーをしているんですが、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の発生に何か関係あるんでしょうか?」
といった質問をよくいただきます。
実際にサッカーをしている人にジャンパー膝や膝蓋腱炎になる人は珍しくなく、サッカーが原因でジャンパー膝や膝蓋腱炎になっている人もおられます。
そこでこのページでは、ジャンパー膝や膝蓋腱炎がサッカーで発生する場合の原因動作について説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
スポンサーリンク
ジャンパー膝や膝蓋腱炎は原因動作を改善すれば完治する
さて、ジャンパー膝や膝蓋腱炎がサッカーで発生する場合の原因動作の説明の前に、まずは簡単にジャンパー膝や膝蓋腱炎について説明させていただきますね。
膝蓋腱炎やジャンパー膝は太ももの前面の大腿四頭筋という筋肉に過度の負担が加わり、大腿四頭筋や腱の部分に痛みが発生すると考えられています。
ちなみに腱とは筋肉が骨に付着している部分の事で、大腿四頭筋の腱は膝のお皿の真正面を覆うようにして付着しています。
(そのため、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の痛みは太ももから膝のお皿周辺の真正面に発生しやすいんですね)
そしてジャンパー膝や膝蓋腱炎になる人の多くは、スポーツや運動などによって大腿四頭筋に過度に緊張させてしまう原因動作が存在しています。
原因動作というと分かりにくいと思いますが、極端な言い方をすれば膝に過度に負担をかける「悪いクセ」のようなものがスポーツや運動の中に隠れているんです。
どんなに安静にして痛みを軽減させても、治療によって痛みを改善させたとしても、スポーツや運動の中に隠れている「悪いクセ」を治さない限りはスポーツや運動をするとすぐに再発してしまいます。
こういった事が、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の完治が長引いてしまう理由です。
つまりその動作上の「悪いクセ」を改善しないと、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の症状が完治する事は考えにくいんです。
逆に言えば、動作上の「悪いクセ」を改善すれば呆気ないほど簡単に完治する事も珍しくありません。
病院も含めて多くの治療院において、こういった「原因動作」に着目している所は非常に少なく、そういった部分もジャンパー膝や膝蓋腱炎の完治が遅れてしまう理由だと思います。
(かなり生意気な発言になっているかもしれませんが)
ジャンパー膝や膝蓋腱炎がサッカーで発生する場合の原因動作について
ここまでは、ジャンパー膝や膝蓋腱炎になる原因はスポーツや運動の中の動作上にある事が多く、そういった原因動作(悪いクセ)を改善しない限り完治は難しいという説明をさせていただきました。
そこでここからは、サッカーでジャンパー膝や膝蓋腱炎になる可能性の高い原因動作について説明させていただきますね。
サッカーでジャンパー膝や膝蓋腱炎を発生させる原因で多い動作は、走り方かボールを蹴る時の踏み込み動作で発生している事が多い印象を持っています。
それぞれ詳しく解説させていただきますね。
走り方が原因で発生している場合
まずは、走り方が原因でジャンパー膝や膝蓋腱炎が発生している場合の走り方について説明させていただきますね。
もし走り方が原因でジャンパー膝や膝蓋腱炎になっているのであれば、走る時につま先や足で地面を蹴る意識が強すぎて太ももが上がっていない事が原因になっている事が多いです。
地面を蹴る意識が強すぎて太ももや膝がほとんど上がっていないんですね。
太ももを上げるという動きは、股関節を曲げるという動きでもあり、膝を曲げながら大きく太ももを上に上げるという動きは短距離を走る動きとしては非常に大事な要素になります。
しかし、つま先で足を蹴る意識が強すぎると、股関節と膝の関節が十分に曲がりにくくなってしまうため、地面からの圧力を吸収しきれずに膝への負担が大きくなってしまいます。
(関節は曲がる事によって地面からの衝撃をクッションのように吸収する役目がありますので)
特に他人から
「つま先で地面を蹴って走れ!」
とアドバイスされた人がなりやすい傾向もありますので、こういったアドバイスをされたり、もしくはご自分で意識した事に心当たりがある場合は気をつけて下さいね。
おそらく走り方が原因で発生しているジャンパー膝や膝蓋腱炎の人の中にも思い当たる人が多いのではないでしょうか?
簡単に言えば走る時は地面を強く蹴る事を意識するのではなく、地面に足が着地したら出来るだけ早く太ももを上に上げるという意識をすればうまく走れるようになると思います。
実はサッカーやバスケのように、ボールコントロールを細かく行う場合は膝を曲げて少し前屈みになり、重心を下げた方が有利ではあるんですが、実はこの姿勢のままトップスピードになろうとすると太ももが上がりにくくなってしまいます。
(サッカーやバスケをしている人に多いんですが、いわゆる下を俯いたまま走るような体勢ですね)
そのため、ボールを細かく動かす時は膝を曲げて少し前屈みになって重心を下げ、早く走る時は少し胸を張るような意識を持って重心を上げて走ればうまく走れるようになると思います。
もちろんその時の重心の位置、手の振り方、足の出し方などを修正しないと症状が軽減しない人も多いので簡単ではありませんが、心当たりがある人は是非参考にして下さいね。
ボールを蹴る時の踏み込み時が原因の場合
次に、ボールを蹴る時の踏み込み方が原因でジャンパー膝や膝蓋腱炎になっている場合の説明をさせていただきます。
この動作が原因でジャンパー膝や膝蓋腱炎を発生させている場合、利き足が右の人の場合は軸足である左足を痛める可能性が高いです。
(利き足が左足の場合は軸足である右足を痛める可能性が高いでしょう)
この動作の原因は、軸足の位置がボールの真横に近い位置に置きすぎている事が原因で発生しています。
(理想的な位置よりも前方に軸足の位置を置き過ぎている)
軸足の位置が前方に置き過ぎてしまうと、ボールを蹴ろうとした時にボールが足下に近い所に来すぎてしまう為、その影響を消す為に無意識にブレーキを軸足にかけてしまい重心を後ろに下げようとしてしまいます。
重心とは体重が最もかかっている場所の事です。
人間の関節はてこの原理で力を発生させますので、最も力が加わる場所に重心が近ければ近いほど負担は少なく、遠ざかれば遠ざかるほど負担が大きくなります。
そのため、大きく踏み込む動作を行った時に体重が後ろに残ってしまうと軸足になっている膝への負担が大きくなってしまうんですね。
ボールを蹴る時の軸足の位置はボールの真横に置くのではなく、軸足のつま先の位置がボールを半等分した位置よりもやや後ろに置く事を意識して下さい。
そうすればこういった原因で発生しているジャンパー膝や膝蓋腱炎は改善します。
軸足の位置の変更は皆さんが思っている以上に大変で反復練習が必要になりますが、こういった事で本当に治る可能性の高い疾患ですので心当たりがある人は是非参考にして下さいね。
また、こういった軸足の説明をすると
「先生、私はサッカーのコーチに軸足をボールの真横に置けと指導されたんですが」
と言った話をよく聞きます。
そうなんですよね。こういった指導をするサッカーのコーチは実はかなり多いんです。
こういったサッカーのコーチの名誉の為に説明しますが、実はボールの真横に軸足を置く蹴り方も絶対に間違っているという事ではありません。
こういった事を言うと混乱させてしまうかも知れませんが、ボールの真横に軸足を置く蹴り方も存在します。
ただし、ボールの蹴り方にはいくつか種類があり、それぞれの蹴り方にはメリットとデメリットが存在しています。
ボールの真横に軸足を置く場合の蹴り方は、身体を大きく横に倒す勢いを利用して身体を回転させて蹴る方法になります。
この蹴り方のメリットは身体を大きく横に倒す勢いを利用して蹴りますので、助走がほとんどないような状態やワンステップで蹴る時には非常に有効性が高い蹴り方です。
ただし、助走のようにある程度スピードに乗っていて前方方向の勢いがついている状態でこの蹴り方を選択してしまうと、このページで説明させていただいたようなジャンパー膝や膝蓋腱炎の原因にもなり得ます。
要はどの場面でどの蹴り方を選ぶのかが大事な訳ですね。
注意点
このページでは、サッカーでジャンパー膝や膝蓋腱炎になる可能性の高い原因動作について説明させていただきました。
ただし、このページで説明させていただいた原因動作はあくまでも一例です。
他の動作が原因でジャンパー膝や膝蓋腱炎になっている事も決して珍しくありません。
サッカーであれば、このページではボールを蹴る時の軸足の説明をしましたが、蹴り方によって蹴り足側にジャンパー膝や膝蓋腱炎になっていた人も過去にいましたし、方向転換時の踏み込み方が原因の人もおられました。センターバックの子でジャンプの踏み込み方で痛めていた人もいました。
サッカーが原因と思っていたら自主トレで行っているスクワットのやり方でジャンパー膝や膝蓋腱炎になっていた人もいました。
このように人によって原因動作は千差万別です。
しかし、いずれにしてもジャンパー膝や膝蓋腱炎の原因にスポーツや運動がまず関わっていますので是非参考にして下さいね。
スポンサーリンク
ジャンパー膝や膝蓋腱炎の治療方法や完治までの治療期間について
ここからはジャンパー膝や膝蓋腱炎の治療方法や完治までの治療期間について説明させていただきます。
とは言っても、ここまで説明させていただいた様にジャンパー膝や膝蓋腱炎の原因の多くはスポーツや運動中の動作の中に存在しています。
そのため、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の治療で最も大事な部分は動作指導になります。
はっきり言って治療でその場の症状を改善する事はさほど難しくありません。
おそらくこのページを読んでいる人の中にも、治療院での治療直後は楽になった経験がある人も多いと思います。
この疾患を治療するに当たって最も厄介な部分は動作解析と動作指導の2点です。
動作解析とはそのままの意味ですが、患者さんのどの動作が原因になっているのかをまずは特定しなければいけません。
走り方などならほとんど経験と予測だけで答えを出せますが、原因動作に関しては人によって本当にバラバラなので場合によっては苦労します。
その場で見れる動作なら直接見れますが、多くの場合は動画を撮ってもらう事が多いです。
そして原因が特定できれば今度はその指導をしなければいけません。
この部分に関しては単純に患者さん側の努力が必要になります。
慣れ親しんだ動作を変えるという事は口で言うのは簡単ですが、実際は非常に大変な事ですので。。。
ただし、本当にこういった事を追求していけばこの症状は治す事が可能です。
完治までの治療期間に関してですが、この部分は動作分析と動作指導が順調にいくかどうかで大きく異なります。
何ヶ月もお悩みの人であっても、初回から順調に原因動作を発見でき、順調に動作を改善する事ができれば早い人なら1、2回で終わる事も多いです。
(大げさな表現ではありません)
ただし、本当に原因動作は人によって大きく異なりますので、動作分析に時間がかかる場合はその分治療期間や回数が伸びてしまいます。
また、原因動作を特定したとしてもその原因動作を改善する努力は患者さん次第ですので、患者さん側のやる気の問題によっては長引く事も正直に言ってあります。
(あまり患者さんのせいにしたくはありませんが、この疾患は本当に原因動作を変えないと治りませんので)
私の経験則では、だいたい平均して3、4回ぐらいの治療回数という印象です。
いずれにしても、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の症状が完治するまでの治療期間は、原因となっている動作を改善できるかどうかで決まります。
もしこのページを読んで参考になったという人は、近くに動作指導をしてくれそうな人を探してみて下さい。
もしどこに相談していいか分からない、どこに行ってもダメだったという人は1度私にお気軽にご相談してくださいね。
ジャンパー膝や膝蓋腱炎の治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
以上で「サッカーでジャンパー膝や膝蓋腱炎になる原因動作」のページの説明を終了させていただきますが、下記にジャンパー膝や膝蓋腱炎に関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
おすすめ記事
スポンサーリンク
ジャンパー膝や膝蓋腱炎に関しての記事
「筋肉や筋力トレーニングはジャンパー膝や膝蓋腱炎に意味はない?」
「膝の外側や内側、裏側が痛む場合はジャンパー膝や膝蓋腱炎ではない?」
「サポーターによる固定はジャンパー膝や膝蓋腱炎に効果はあるのか?」
「MRIは撮るべき?なかなか改善しないジャンパー膝や膝蓋腱炎」
「湿布(シップ)はジャンパー膝や膝蓋腱炎に効果はあるのか?」
「休むと治る?治らない?ジャンパー膝(膝蓋腱炎)は自然治癒する事はあるのか?」
「テーピングによる固定はジャンパー膝や膝蓋腱炎に効果はあるのか?」
「アイシングや冷やす行為はジャンパー膝や膝蓋腱炎に効果はあるのか?」
「ジャンパー膝や膝蓋腱炎が整形外科や整骨院、整体で治らない理由」
「歩行やウォーキングが原因でジャンパー膝や膝蓋腱炎になる事はあるのか?」
「骨盤矯正や骨の歪みやズレはジャンパー膝や膝蓋腱炎にはあまり意味ない?」
「運動不足や運動をしていないのにジャンパー膝や膝蓋腱炎が発生するのは考えにくい」
「痛み止めの薬はジャンパー膝や膝蓋腱炎にとって逆効果になるかも?」
「インソールや足底板はジャンパー膝や膝蓋腱炎に効果はあるのか?」
「自転車やエアロバイクでジャンパー膝や膝蓋腱炎が発生する原因」
「お風呂や入浴で温める事はジャンパー膝や膝蓋腱炎に効果はあるのか?」
「放置して悪化するとジャンパー膝や膝蓋腱炎はどうなるのか?」
「痛くて歩けないほど悪化する事もある?ジャンパー膝や膝蓋腱炎」
「ジャンパー膝や膝蓋腱炎は中学生や高校生に多い?年齢層とは」
「半月板損傷をジャンパー膝や膝蓋腱炎と診断される事もある?」