ジャンパー膝や膝蓋腱炎でお悩みの人の話を聞いていると
「先生、ジャンパー膝や膝蓋腱炎にアイシングなどの膝を冷やす行為に効果はあるんでしょうか?」
といった質問をよくいただきます。
膝に痛みを発生させた場合、膝をアイシングして冷やす事は多いので、ジャンパー膝や膝蓋腱炎にも効果があるのかどうか疑問に感じている人も多いと思います。
そこでこのページでは、アイシングや冷やす行為はジャンパー膝や膝蓋腱炎に効果はあるのか?についての説明と、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の原因動作について説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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ジャンパー膝や膝蓋腱炎の原因動作やアイシングの効果について
さて、膝アイシングや冷やす行為の効果の説明の前に、まずはみなさんを悩ましているジャンパー膝や膝蓋腱炎の原因動作について説明させていただきます。
膝蓋腱炎やジャンパー膝は太ももの前面の大腿四頭筋という筋肉に過度の負担が加わり、大腿四頭筋や腱の部分に痛みが発生すると考えられています。
ちなみに腱とは筋肉が骨に付着している部分の事で、大腿四頭筋の腱は膝のお皿の真正面を覆うようにして付着しています。
(そのため、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の痛みは太ももから膝のお皿周辺の真正面に発生しやすいんですね)
そしてジャンパー膝や膝蓋腱炎になる人の多くは、スポーツや運動などによって大腿四頭筋に過度に緊張させてしまう原因動作が存在しています。
原因動作というと分かりにくいと思いますが、極端な言い方をすれば膝に過度に負担をかける「悪いクセ」のようなものがスポーツや運動の中に隠れているんです。
どんなに安静にして痛みを軽減させても、治療によって痛みを改善させたとしても、スポーツや運動の中に隠れている「悪いクセ」を治さない限りはスポーツや運動をするとすぐに再発してしまいます。
こういった事が、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の完治が長引いてしまう理由です。
つまりその動作上の「悪いクセ」を改善しないと、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の症状が完治する事は考えにくいんです。
逆に言えば、動作上の「悪いクセ」を改善すれば呆気ないほど簡単に完治する事も珍しくありません。
病院も含めて多くの治療院において、こういった「原因動作」に着目している所は非常に少なく、そういった部分もジャンパー膝や膝蓋腱炎の完治が遅れてしまう理由だと思います。
(かなり生意気な発言になっているかもしれませんが)
ジャンパー膝や膝蓋腱炎に対してのアイシングの効果
上記ではジャンパー膝や膝蓋腱炎にはスポーツや運動内の動作上に原因となっているクセが存在しており、その原因動作を改善しないと完治は難しいという説明をさせていただきました。
ここからはそういった特徴を持っているジャンパー膝や膝蓋腱炎に、膝のアイシングや冷やす行為の効果について説明させていただきますね。
どういった原因であっても大きな負担が膝の関節に加わっている場合は、その周辺に常に強い炎症が発生しています。
炎症は近くの神経を興奮させ、感覚を過敏にさせる特徴を持っています。
炎症によって感覚が過敏になった膝は、少し動かしたりしただけで痛みが発生したり負担を感じやすくなってしまうんです。
つまりこの炎症が多ければ多いほど痛みが強く、少なければ少ないほど痛みは弱くなるという事ですね。
そして炎症が発生する化学反応には熱が必要になるといわれています。
つまり熱が高ければ高いほど炎症が活発に出現してしまい、熱が下がれば下がるほど、炎症が新たに生まれる反応を止めてくれるという事になります。
アイシング(冷やす行為)を行うとこの炎症反応を抑える事に繋がりますので、膝を冷やしたりアイシングを行う事はジャンパー膝や膝蓋腱炎の症状の軽減にかなり役立ちます。
さて、こういった話をすると
「冷やすと膝の血行が悪くなるんじゃないですか?」
といった質問をよくいただきます。
一般的に多くの人に誤解をされている事なのですが、「温めると血行や血流が良くなり、冷やすと血行や血流が悪くなる」という考え方は間違っています。
実は血行を良くするという事を目的にするのであれば、温めても冷やしてもどちらを選択してもらっても構いません。
人や哺乳類は恒温動物(こうおんどうぶつ)と呼ばれ、全身の体温をある一定の温度に調節できる能力を持っています。
(余談ですが爬虫類などは変温動物と呼ばれ、体温調節ができないため日光浴をして体温を調節しています)
例えば膝を温めた場合、膝の体温は体の他の体温と比べて上がってしまいます。
すると恒温動物である人間は自動的に体温を調節しようと試みます。
具体的には血をいっぱい膝に送る事によって、膝の熱を体全体に分散して体温を一定に保とうとするんですね。
その結果、温めた膝の血行は良くなります。
(足湯などで体全体がポカポカするのもこういった反応ですね)
では逆に膝を冷やした場合はどんな反応が起こるのでしょうか?
膝を冷やす行為を行った場合、膝の体温がその他の部分の体温に比べると下がってしまいますよね。
その結果温めた時と同じ様に、恒温動物である人は全身の体温をある一定の温度に自動で調節しようと試みます。
具体的には膝に全身から温かい血をいっぱい送って、下がっている膝の体温を上げる事によって全身の体温を一定に保ちます。
こういった反応により膝の血行や血流が良くなります。
この説明でも分かるように、血行の促進は「体温の変化」によって発生していますので、温めようが冷やそうがどちらでも血行や血流は良くなるんです!!
つまり血行や血流を良くするという目的だけならば、温めようが冷やそうがどちらでも構いません。
ただし、膝の痛みの発生には強い炎症が大きく関わっていますので、その炎症反応を抑える事を考えればやはり冷やす方が効果は高くリスクも少ないと思います。
(温めると炎症が強くなり症状が悪化する事もありますので)
このように、アイシングや冷やす行為はジャンパー膝や膝蓋腱炎の症状の改善に非常に役立つ方法でもありますので、このページを参考に是非積極的に行ってください!
ただし、アイシングは症状の軽減に非常に効果の高い方法だと思いますが、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の完治に関しては原因となっている動作を改善しない限りは難しいと思いますので、そちらの改善も同時に試みるようにして下さいね。
ジャンパー膝や膝蓋腱炎を発生させる具体的な原因動作
ここまでは、ジャンパー膝や膝蓋腱炎になる原因はスポーツや運動の中の動作上にある事が多く、そういった原因動作(悪いクセ)を改善しない限り完治は難しいという説明をさせていただきました。
(症状の軽減に関してはアイシングは非常に効果の高い方法だと思いますが)
当然、このページを読んでいる人の多くが具体的な動作の問題点を知りたいと願っていると思います。
しかし動作というのは非常に個人差が大きいため実際にその動作を見させて頂くか、映像を見させて頂かないと確定的な事は言えません。
ただし、今までの経験則である程度の傾向は説明する事は可能です。
そこでここからは、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の原因動作として可能性の高い動作の説明をさせていただきます。
ジャンパー膝や膝蓋腱炎の原因として多い動作はざっくりと言えば主に次の2つです。
1 走り方が原因で発生している場合
もし走り方が原因でジャンパー膝や膝蓋腱炎になっているのであれば、走る時につま先や足で地面を蹴る意識が強すぎる事が原因になっている事が多い印象を持っています。
地面を蹴る意識が強すぎて太ももや膝がほとんど上がっていないんですね。
太ももを上げるという動きは、股関節を曲げるという動きでもあり、膝を曲げながら大きく太ももを上に上げるという動きは短距離を走る動きとしては非常に大事な要素になります。
しかし、つま先で足を蹴る意識が強すぎると、股関節と膝の関節が十分に曲がりにくくなってしまうため、地面からの圧力を吸収しきれずに膝への負担が大きくなってしまいます。
(関節は曲がる事によって地面からの衝撃をクッションのように吸収する役目がありますので)
おそらく走り方が原因で発生しているジャンパー膝や膝蓋腱炎の人の中にも思い当たる人が多いのではないでしょうか?
もちろんその時の重心の位置、手の振り方、足の出し方などを修正しないと症状が軽減しない人も多いので簡単ではありませんが、心当たりがある人は是非参考にして下さいね。
2 踏み込んだ時などに重心が後ろに偏りすぎている場合
ジャンパー膝や膝蓋腱炎を発生させている場合、まずは走り方などを確認する事が多いのですが、走り方に大きな問題が無い場合は片足に大きく踏み込んだ時に重心が後ろに偏りすぎている事が原因で発生している事が多い印象を持っています。
重心とは体重が最もかかっている場所の事です。
例えば、ジャンプする前の踏み込んだ時、ジャンプして着地した時、サッカーでボールを蹴る時の軸足、バトミントンや剣道や卓球のように大きく一歩を踏み出す動作などですね。
人間の関節はてこの原理で力を発生させますので、最も力が加わる場所に重心が近ければ近いほど負担は少なく、遠ざかれば遠ざかるほど負担が大きくなります。
そのため、大きく踏み込む動作を行った時に体重が後ろに残ってしまうと膝への負担が大きくなってしまうんですね。
この原因に関しては走る動作と比べて複雑な動作のため、また原因が個人によって大きく異なるため実際に動作や映像を見させていただかないと細かい部分に関しては何とも言えません。
このように結局はその人の痛い動作やスポーツの内容を詳しく聞かせていただかないと、確実な原因を特定するのは難しい疾患だと言えます。
しかし、多くの場合で走り方か足に体重がのった時の重心の位置が関わっていますので、自分の原因動作の追求に役立てて下さいね。
注意点
実際によくある話なのですが、患者さんが「走り方が原因」と思っていても、実際には違う原因だったという事はよくあります。
例えば、走るのが痛いと来院されたサッカー少年の場合、走り方に大きな問題が無かったのでボールの蹴り方を指導すると走った時の痛みも無くなったなど、こういった事は頻繁にあります。
走り方が原因でジャンパー膝や膝蓋腱炎になる場合は、両膝に痛みが発生する事が多く、もし片方だけにしか発生していないのであれば、走り方が原因じゃない可能性もありますので気をつけて下さいね。
(あくまでも私の経験則ですが)
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ジャンパー膝や膝蓋腱炎の治療方法や完治までの治療期間について
ここからはジャンパー膝や膝蓋腱炎の治療方法や完治までの治療期間について説明させていただきます。
とは言っても、ここまで説明させていただいた様にジャンパー膝や膝蓋腱炎の原因の多くはスポーツや運動中の動作の中に存在しています。
そのため、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の治療で最も大事な部分は動作指導になります。
はっきり言って治療でその場の症状を改善する事はさほど難しくありません。
おそらくこのページを読んでいる人の中にも、治療院での治療直後は楽になった経験がある人も多いと思います。
(あるいはアイシングやなど膝を冷やすと一時的に症状がかなり軽減する事も珍しくありません)
この疾患を治療するに当たって最も厄介な部分は動作解析と動作指導の2点です。
動作解析とはそのままの意味ですが、患者さんのどの動作が原因になっているのかをまずは特定しなければいけません。
走り方などならほとんど経験と予測だけで答えを出せますが、原因動作に関しては人によって本当にバラバラなので場合によっては苦労します。
その場で見れる動作なら直接見れますが、多くの場合は動画を撮ってもらう事が多いです。
そして原因が特定できれば今度はその指導をしなければいけません。
この部分に関しては単純に患者さん側の努力が必要になります。
慣れ親しんだ動作を変えるという事は口で言うのは簡単ですが、実際は非常に大変な事ですので。。。
ただし、本当にこういった事を追求していけばこの症状は治す事が可能です。
完治までの治療期間に関してですが、この部分は動作分析と動作指導が順調にいくかどうかで大きく異なります。
何ヶ月もお悩みの人であっても、初回から順調に原因動作を発見でき、順調に動作を改善する事ができれば早い人なら1、2回で終わる事も多いです。
(大げさな表現ではありません)
ただし、本当に原因動作は人によって大きく異なりますので、動作分析に時間がかかる場合はその分治療期間や回数が伸びてしまいます。
また、原因動作を特定したとしてもその原因動作を改善する努力は患者さん次第ですので、患者さん側のやる気の問題によっては長引く事も正直に言ってあります。
(あまり患者さんのせいにしたくはありませんが、この疾患は本当に原因動作を変えないと治りませんので)
私の経験則では、だいたい平均して3、4回ぐらいの治療回数という印象です。
いずれにしても、ジャンパー膝や膝蓋腱炎の症状が完治するまでの治療期間は、原因となっている動作を改善できるかどうかで決まります。
もしこのページを読んで参考になったという人は、近くに動作指導をしてくれそうな人を探してみて下さい。
もしどこに相談していいか分からない、どこに行ってもダメだったという人は1度私にお気軽にご相談してくださいね。
ジャンパー膝や膝蓋腱炎の治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
以上で「アイシングや冷やす行為はジャンパー膝や膝蓋腱炎に効果はあるのか?」のページの説明を終了させていただきますが、下記にジャンパー膝や膝蓋腱炎に関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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