腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の症状でお悩みの人の話を聞いていると
「低めの椅子に座ると症状が悪化することが多いんですが何故でしょうか？」
といった質問をよくいただきます。
この患者さんのように椅子に座っていると腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の症状が悪化する人は非常に多く、椅子の高さが低い椅子であればあるほど症状が悪化しやすいという傾向があります。
そこでこのページでは、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が座る椅子の理想の高さについて簡単に説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です（ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます）
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が座る椅子の理想の高さ
冒頭でも説明したように、座る椅子の高さが低ければ低いほど腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の症状は悪化しやすい傾向があります。
そこでまずは、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が低い椅子に座ると症状が悪化する理由について説明させていただきます。
ご存知の人も多いと思いますが、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛は腰の骨や軟骨が変形して近くの神経を圧迫して発生する疾患です。
大元の原因は腰周辺での神経圧迫になりますので、腰の関節に大きな負担を加えると症状が悪化してしまいます。
人間の腰の関節は「てこの原理」で力を発生させる特徴を持っています。
「てこの原理」を簡単に説明すると、体重が最も偏っている重心の位置と作業をする場所が遠ければ遠いほど負担が大きくなり、近ければ近いほど負担は少なくなるという特徴です。
つまり椅子に座った時に重心の位置が後ろに偏れば偏るほど、作業をする手との距離が遠くなってしまうので腰の関節への負担は大きくなってしまうという訳です。
そして低い椅子に座るとこの重心の位置が後ろに偏りやすくなってしまう傾向があるんですね。
極端に低い椅子に座った状態を想像して欲しいんですが、低い椅子に座ると座っている時の膝の位置がお尻の位置よりも高い場所にありますよね？
膝の位置がお尻よりも高い場所の位置にあると、体重は低い位置にあるお尻に集中してしまいます。
体重がお尻に集中してしまうという事は、体重が最も偏っている重心の位置も後ろに下がってしまうという事です。
こういった事が理由で低い椅子は通常の椅子と比べて重心の位置が後ろに下がってしまい、その影響で腰の関節への負担が大きくなり腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の症状が悪化しやすくなってしまうんですね。
つまり腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人にとって理想的な椅子の高さは、座った時に膝の位置がお尻の位置よりも上に来ない高さが理想なんです。
腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が座る椅子の理想の高さは、ズバリ３７センチ以上の高さの椅子がオススメです。
椅子の高さは何故３７センチ以上がオススメなのか？
これは実際に患者さんに協力してもらって、椅子に座った時に膝の位置がお尻の位置よりも上に来ない椅子の高さを計測させてもらいました。
もちろん患者さんの身長や体格によって変わるんですが、測った人の中で最も身長が高かった人（１８０センチ前後）で椅子の高さが３７センチ、身長が最も低かった人（１５０センチ）でイスの高さが２７センチ前後なら膝の高さとお尻の位置がほぼ平行となっていました。
膝の位置がお尻より極端に高くなければ良いので、身長が高めの人に合わせるのであれば椅子の高さが３７センチ以上あれば極端に重心の位置が後ろに偏る事はありません。
日本人の平均身長を考えれば、椅子の高さが３７センチ以上あるのが理想の椅子の高さと呼べるでしょう。
逆に言えば身長や体格にもよりますが、椅子の高さが３０センチ以下の場合は多くの人にとって負担が大きい椅子の高さだと思うので注意して下さい。
座った時にお尻が下方向に沈み込む柔らかい素材のソファなどはあまりオススメできない
ここまでは、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が座る時の椅子の理想的な高さについて簡単に説明させていただきました。
椅子の高さを注意する最大の理由は、座った時に重心の位置が極端に後ろに偏らないようにする事です。
椅子に座った時に重心の位置が後ろに偏る条件は椅子の高さだけではありません。
椅子の座面の材質も実は大きく関わっているんです。
座面が極端に柔らかいソファの場合は座った時にお尻が下方向に沈み込み過ぎてしまい、その影響で重心が後ろに偏ってしまうというケースがあります。
仮に椅子の高さが３７センチ以上あったとしても、座った時にお尻が下方向に沈み込んでしまうのであれば重心は後ろに偏ってしまうので、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人にとっては大きな負担になってしまいます。
実際にソファに座ると症状が悪化してしまう人は非常に多いので、座った時に極端にお尻が下に沈み込むような材質の椅子には座らないように注意しましょう。
決して固い椅子に座れと言っている訳ではないので勘違いしないで下さいね。
クッション性がある柔らかい椅子に座ってもらっても構わないんですが、クッション性があっても座った時にお尻が下に沈み込む物と沈まない物があるんです。
固い椅子の場合は単純に負担も大きいのでクッションは大切なんですが、お尻が下に沈み込むような材質の椅子は気をつけて下さい。
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低い椅子の方が楽に感じる人もいる
ここまでは腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が椅子に座る時、その椅子の高さは３７センチ以上が理想だという説明をさせていただきました。
ここで勘違いして欲しくないんですが、椅子の高さが３７センチ以上ある椅子なのであれば、座っている時に症状が絶対に悪化しないという訳ではありません。
症状の重症度によっては椅子の高さに大きな問題がなくても、座っている時の症状の発生や悪化を防げない事は残念ながら珍しくないんです。
ただ低い椅子に座った時の方が、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の症状がより悪化しやすいという事は間違いありません。
そのため、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人は出来るだけ低めの椅子に座らないように生活することが非常に大切です。
可能なのであれば３７センチ以上の高さのある椅子を選択するようにしてください。
ただし腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が座る時の椅子の高さに関しては、一つ非常に重要な注意点があります。
あまり多くは無いんですが、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人の中には低い椅子の方が症状が楽に感じる人も稀におられるんです。
先ほども説明しましたが、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛は腰の骨や軟骨が変形して近くの神経を圧迫して発生する疾患です。
神経を圧迫している場所や角度は人によって異なり、神経圧迫の場所によっては症状が発生する条件や楽な姿勢などが大きく違ってきます。
つまり神経圧迫が発生している場所や角度によっては、低い椅子が楽に感じる人もいるんですよ。
腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の最も厄介な部分なんですが、ある程度痛みが発生する条件や傾向に共通点はあっても、人によっては症状の発生条件が大きく異なるので絶対にオススメできる姿勢というものが存在しないんです。
そのため、最終的には本人が楽に感じるかどうかが最も大切な事になってくるんですね。
基本的には低い椅子で座る方が辛いという人が多いのでオススメ出来ないんですが、実際に座ってみて低い椅子の方が楽に感じるのであれば低い椅子に座った方が良いと思います。
座ったり寝るなど姿勢に関しては本人が楽に感じるかどうかが最も重要です。
このページでは低い椅子に座る事の危険性について説明していますが、何度も言うように低い椅子が楽に感じるのであればそちらを選択して下さい。
何よりもまずはご自分の感覚を信用する事が大切です。
また、そもそも椅子に座っている状態が辛いという事自体が大きな問題なので、こういった事に心当たりがある人は出来るだけ早めに信頼できる医療機関で治療やリハビリを受ける事も忘れないで下さいね。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきます。
腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛は低い椅子に座ると症状が悪化しやすくなるという傾向があります。
そのため腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の人が低い椅子に座る事はオススメ出来ません。
患者さんに協力してもらって楽な椅子の高さの条件を調べた事がありますが、その経験則から言わせてもらうと３７センチ以上の高さがある椅子が理想です。
もしよければ参考にして下さい。
ただし中には低い椅子の方が症状が楽に感じる人もいますので、もし低い椅子の方が楽ならそちらを選択して下さい。
また、そもそも椅子に座っている状態が辛いという事が大きな問題ですので、心当たりがある人は早めに信頼できる医療機関で治療やリハビリを受けるようにして下さいね。
ここからは少し営業トークになりますが、私は大阪府豊中市でよしだ柔整治療院という治療院を経営しています。
症状によっては限界もありますが腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の治療はそれなりに得意にしていますので、通える範囲にお住まいの方は遠慮なくご相談下さいね。
また、この記事以外にも腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛に特化した内容の記事をたくさん書いています。
このページの下の方にリンクを貼っていますので、興味のある人は是非ご覧くださいね。
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