股関節の痛みでお悩みの人の話を聞いていると
「ロキソニンなど痛み止めの薬で股関節の痛みが治ることってあるんですか?」
といった質問をいただくことがあります。
そこでこのページではロキソニンなど、痛み止めの薬で股関節の痛みが治る事があるのかどうかについて説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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痛み止めの薬で一時的でも楽に感じるなら治る可能性はある
ロキソニンなどに代表されるような痛み止めの薬で、飲んだ後に痛みが和らぐような効果を感じているのであれば股関節の痛みが治る可能性はあると思います。
まあちょっと細かいことを言いますが、この「治る」という表現はちょっと的確ではないと思います。
しつこい股関節の痛みの場合は股関節の骨が変形していたり、腰周辺での神経が圧迫して発生する坐骨神経痛などが関わっている事が多いです。
この股関節の変形や腰の神経圧迫などが、ロキソニンなどの痛み止めの薬によって治るということはあり得ません。
ただし、痛みが改善してゼロに近い状態になるという可能性は十分にあると思います。
こういった説明をすると、、、
「痛み止めの薬って結局一時的なごまかしじゃないんですか?」
だとか
「根本的な治療にはなっていないですよね?」
といった質問や意見をよく聞きます。
正直に言ってこういった意見も決して間違っていないと思います。
まあ個人的には半分正解かなーといった感じですかね。
「痛み止めの薬は根本的な治療じゃなくてただ痛みをごまかしてるだけ」
確かにこの意見通りな側面もありますので。
炎症や筋肉の緊張、組織の損傷や変形の程度などを無視して、とりあえず薬で痛みだけを和らげているという事ですね。
ただ、この痛みだけをとりあえず和らげるという部分は実は結構重要です。
少し難しい話になりますが人間は痛みを繰り返し感じていると、その痛みの情報が脳に記憶されてしまいます。
何度も何度も股関節に痛みを感じている状態が続くと、脳はその股関節の痛みを記憶してしまうんですね。
股関節の痛みが脳に記憶されてしまうとどうなるのか?
本来であれば大したことない動作や負担であっても、股関節の痛みを感じやすくなってしまうんです。
もしくは股関節の痛みの記憶があると、その記憶から筋肉の緊張が作られたり炎症が強くなったりなどの反応も起こります。
また、股関節の痛みが長引いている場合は特にこの痛みの記憶が強く脳に記憶されてしまいます。
脳の痛みの記憶が強いと痛みが発生しやすくなる他にも、治療してもすぐに症状が戻りやすく改善に時間がかかってしまう傾向があります。
痛み始めてすぐの急性の人より、長時間症状が続いている慢性の人の方が症状が改善しにくいのはこういった脳の痛みの記憶も関わっているんです。
このように脳に刻み込まれた痛みの記憶というのは非常に厄介な存在なんですね。
さて、ここで痛み止めの薬の話に戻しますが、、、
何度も何度も痛いという情報が繰り返された事によって股関節の痛みが記憶されたのであれば、痛みが楽な状態を続けていけば脳の中の痛みの記憶も解消されていきます。
つまり、痛み止めの薬で一時的だろうが痛みが和らいでる時間を維持できるのであれば、それによって痛みの記憶が解消する事に繋がるという事です。
代表的な例で言うとブロック注射などがこの反応にあたります。
ブロック注射は麻酔を直接患部に打つことによって脳に伝わる痛みの情報を遮断して、脳の痛みの記憶を解消して症状を和らげる治療法です。
流石に麻酔程の効果はありませんが、こういったメカニズムと同じような反応が痛み止めの薬を服用し続ければ発生することもあります。
ただし、あくまでも痛み止めの薬を飲んで症状が楽になる人限定です。
痛み止めの薬というのは効果に個人差が大きいですし、人によっては全然効果を感じないという人もいます。
また、そもそも股関節の痛みが重症化しすぎると痛み止めの薬程度では痛みを抑えられないというケースもあります。
このように痛み止めの薬を飲んでいてもほとんど効果を感じないという人の場合は、正直に言ってあまり痛み止めを飲むメリットはありません。
痛み止めの薬もリスクはありますので、むしろ効果がない人の場合はデメリットの方が大きいと思います。
そのため、効果をあまり感じないのであれば痛み止めの薬は飲まなくても良いかと思います。
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痛み止めの薬のリスクについて
ここまではロキソニンなどに代表するような痛み止めの薬を飲んだ時の効果や有効性について説明させていただきました。
ただやっぱり痛み止めの薬というものにもリスクというものは存在しています。
そこでここからは痛み止めの薬のリスクについて説明させていただきますね。
痛み止めの薬の副作用
まずはやっぱり副作用という問題があります。
あまり必要以上に副作用と言い過ぎて怖がるのもどうかとは思いますが、痛み止めの薬というのは比較的強い薬であることが多いので副作用というものは間違いなく存在しています。
一番多いのはやっぱり消化器系に大きな負担を与えるという部分ですね。
痛み止めのお薬を処方される時というのは、同時に胃薬を処方されることがほとんどだと思います。
こういった事からも分かるように、痛み止めの薬というのは胃や腸に大きなダメージを与えてしまいます。
その他にも常用していると頭痛を発生させたり、人によってはアレルギーを発生させたり、稀ではありますが腎臓や肝臓の機能を低下させてしまう事もあります。
みんながみんな重い副作用が発生する訳ではありませんし、強い副作用は稀だとは思いますが、やっぱり飲まなくても良いのであればあまり飲みたい薬では無いですね。
痛み止めの薬によって股関節の痛みが悪化する事も?
また痛み止めの薬を常用することによって、股関節の痛みが逆に悪化するということもあると思っています。
どういう事か説明すると、、、
体の痛みという感覚は脳が作り出している一種の防御信号です。
人間の脳というのは体のどこかに悪い所があると、そこが悪いことを知らせるために痛みという感覚を作り出します。
人は痛みを感じると痛くないようにゆっくり動いたり丁寧に動いたりするようにします。
つまり、人の痛みというのは痛い場所を安静にして改善させる為に発信している一種の防御の信号なんです。
痛み止めの薬というのはこの痛みの信号を無理やり止めてしまいます。
痛み止めの薬を飲んで痛みが楽になってしまうと、人間は痛みがあれば気をつけて動くような所を通常通り動くようになってしまいます。
本来は安静にしなきゃいけない状態で普段どおりに動いてしまうとどうなるのか?
余計にその後症状が重症化してしまいます。
実際に痛みがなくなってしまうと人はどんなに注意していても少し気が抜けてしまうんですよ。
このように痛み止めの薬を飲んで楽になったとしても、安静にせずに動いてしまうと股関節の痛みが重症化してしまうという例は決して珍しいことではありません。
そのため痛み止めの薬が効いているという事が、必ずしも良い方向に運ぶとは限らないのが難しいところです。
こういったケースで悪化していく事は決して珍しくないので、痛み止めの薬を飲んで楽になったとしても出来るだけ慎重に動くように心がけましょう。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきます。
人間は体の痛みが脳に記憶してしまうと考えられています。
脳が痛みを記憶してしまうと、本来であればそんなに痛くないような状態であっても痛みを感じやすくなってしまったり、痛みが改善しにくくなります。
この痛みの記憶というものは痛みが楽な状態を継続することによって解消することにつながります。
つまり痛み止めの薬で痛みを和らげる効果を感じているのであれば、飲み続ける事によってこの痛みの記憶を解消できます。
ただし、痛み止めのお薬を飲んで全く効果を感じないのであればあまり飲む意味はありません。
痛み止めの薬というのは消化器系にダメージを与えるなどの副作用もありますし、痛みが和らいだ事によって普段通り動いた事によって余計に症状を悪化させてしまうというリスクも存在します。
なのでまず大前提として痛み止めの効果がないのであれば飲まない方が良いです。
そして効果があったとしても出来るだけ安静にするという事を心がけてください。
このページでは、痛み止めの薬が股関節の痛みを治す事に繋がる可能性があるという説明をさせていただきましたが、当然ですが痛み止めの薬だけでは不十分な事も多いです。
できれば痛み止めの薬だけではなく信頼できる医療機関に相談して治療を受けるようにしてくださいね。
ここからは少し営業トークになりますが、私は大阪府豊中市でよしだ柔整治療院という治療院を経営しています。
症状によっては限界もありますが、股関節の痛みの治療はそれなりに得意にしていますので、通える範囲にお住まいの方は遠慮なくご相談下さいね。
また、この記事以外にも股関節の痛みに特化した内容の記事をたくさん書いています。
このページの下の方にリンクを貼っていますので、興味のある人は是非ご覧ください。
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