股関節の痛みで悩んでいる人の話を聞いていると、、、
「筋トレをして股関節周りの筋肉を鍛えると股関節の痛みは良くなりますか?」
というような質問をよくいただきます。
私は個人的に股関節の痛みを抱えてる人が筋トレをすると逆効果になるリスクが高いと考えています。
そこでこのページでは、股関節の痛みでお悩みの人が筋肉を鍛える筋トレを行うリスクについて説明させていただきますね。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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股関節の痛みを抱えている人が筋トレをすると悪化する理由
股関節の痛みを抱えている人が筋トレをすると、症状が改善するよりも逆に悪化する可能性が高いと私は考えています。
理由は本当にすごくシンプルで、単純に筋トレ自体の負荷が股関節の痛みを抱えている人にとって大きすぎるからです。
股関節に痛みが発生している場合は、股関節周辺に強い炎症反応が存在しています。
この炎症反応というものはすごく厄介で、炎症は強くなると近くの神経を興奮させて感覚を過敏にさせるという特徴を持っています。
感覚が過敏になると、通常であれば何でもないような負担の少ない動作でも痛みを感じやすくなってしまうんです。
この炎症の特徴によって股関節の痛みを抱えている人はただ歩いてるだけで痛みを感じたり、もしくは重症化すると寝ているだけなのに痛みを感じるなど、些細な事で痛みを感じやすくなってしまうんですね。
ではこういった状態の人に筋トレをするとどうなるのか?
そりゃ悪化しますよね。
だって筋トレというのは日常生活の歩いたり普通に動いてるだけの負荷よりも、大きな負荷を体にかけることなんで。
日常のちょっとした負担の少ない動作だけでも痛みを感じてしまうような人が、大きな負担を体に加えたらどうなるかなんて誰が考えても分かることだと思います。
こういった理由から私は股関節の痛みを抱えている人が筋トレをすることには反対です。
まあ実際に筋トレをして悪化する人って非常に多いので。
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筋肉を鍛えると痛みが出にくいは本当か?
そもそも、私は筋肉を鍛えると痛みの予防につながるという考え方自体にもかなり疑問を持っています。
筋肉を鍛える事で予防する!という考え方はお医者さんの世界でも良く聞く話ですし、整骨院や整体院でも良く聞く話ではありますが、当然私なりに根拠を持って発言しています。
少し難しい話になりますが、筋肉というのは筋繊維という繊維状の物質の集合体です。
繊維状の物質というのは、その繊維の方向に沿った力にはかなりの抵抗力を発生させますが、繊維の方向にそぐわない横からの力では簡単に壊れてしまうという特徴を持っています。
これは私の持論でもなんでもなくて簡単な物理学のお話です。
そして筋繊維というのはその近くの関節の構造に沿った方向に付着しています。
何が言いたいかと言うと、、、
関節の構造上問題のある動きであれば筋肉はどんなに鍛えていても簡単に壊れてしまいますし、関節の構造上問題のない動きなのであれば筋肉は簡単に壊れることはないということです。
そのため、どんなに筋肉を鍛えた所で関節を痛めるような負担が加わった時はあまり意味が無いんですよね。
人間が体を痛める時というのは筋肉の強弱によって決まるのではなく、関節にとって正しい動作を行えているかどうかで決まるんです。
この考え方が正しいと思う経験も実際にしています。
私は以前、ベンチプレスという競技の大会に出場しているアマチュアチームの治療やケアをさせていただいた経験があります。
普段からベンチプレスで100キロ以上の重りをつけたバーベルを持ち上げるような筋肉のエキスパートたちです。
中には60歳以上の競技部門で全国大会を優勝された方もおられました。
まあ簡単に言えば日本の中で最も筋肉を鍛えている人達と言っても大げさではないと思います。
そんな人たちがある時みんな同じ箇所を痛めた経験があります。
痛めた理由ですが、通常であれば仰向けで胸の位置ぐらいでバーベルを持って垂直に持ち上げる動作を、普段よりもちょっと斜めの方向に持ち上げたということでした。
普段と違う方法を行い少しトレーニングの内容を変えたかったみたいですね。
そして、そのトレーニングをした全員が肩を痛めました。
実はそのトレーニングの動作は肩にとってはあまり良い方向の動きではなかったんですね。
しかも、その時のバーベルの重さは20キロ~30キロ程度だったそうです。
日本の中でも最も筋肉を鍛えてる人達で普段から100キロ以上の重りを楽々持ち上げてる人たちであっても、持ち上げる方向が少し違っただけでいつもの半分以下の重りでも簡単に壊れてしまうんです。
筋肉をどれだけ鍛えても関節の構造上問題のある動きをするとやっぱり意味がないよということですね。
そのため、股関節の痛みを抱えている人が股関節周りの筋肉を鍛えても、そこまで予防に効果があるとは思えません。
病的な筋力低下の場合は多少の筋力トレーニングはした方が良い
筋肉を鍛える筋トレはあまり股関節の痛みに効果はないという事と、むしろ悪化するリスクの方が高いという説明をここまではさせていただきました。
もう一度言いますが、筋力を強く鍛えたところであまり股関節の痛みの予防には繋がらないと思います。
ただし例外ももちろん存在します。
例えば半分寝たきりの状態になっているだとか、もしくはほとんど車椅子生活の状態になってる人の場合は多少は筋力トレーニングを行った方が良いです。
痛みに関係なくまともに歩くことができないという人の場合は、当然かなり筋力が落ちてしまっています。
このように通常の日常生活をまともに送れない程の極端な筋力低下が発生してる人の場合は、やはり少し筋力トレーニングをした方が痛みなどの改善に繋がります。
例えば90代の高齢者でほとんど車椅子生活だけども、1日に何回か歩行器を使ってでも歩く練習をしている人は、全く何もしていない人に比べて痛みは発生しにくいという状況は実際に経験しています。
このようにまともに動けないというレベルまで筋力が低下してしまうと、さすがに痛みが発生しやすくなるということはあると思いますので、そういう人の場合は少しトレーニングをした方がいいと思います。
ただ、歩いたりなどの日常生活を普通に送れる程度の筋力があるなら、それ以上は筋トレをしてもあまり股関節の痛みの予防には繋がりませんので無理をしないで下さいね。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきます。
股関節の痛みを抱えている人は強い炎症反応が発生していますので、その影響で筋トレなど筋肉を鍛える目的の運動は負担になってしまい悪化する可能性が高いです。
また筋肉を鍛えた所で、正直そこまで大きな予防効果があるとも思えません。
寝たきりや車椅子生活になりかけている人の場合は、多少は筋肉を鍛える目的で運動をした方が良いですが、そうじゃないのであれば筋トレはリスクの方が高くおすすめできません。
特に股関節の痛みが強ければ強いほど、筋トレのリスクは高まりますので注意して下さいね。
ここからは少し営業トークになりますが、私は大阪府豊中市でよしだ柔整治療院という治療院を経営しています。
症状によっては限界もありますが、股関節の痛みの治療はそれなりに得意にしていますので、通える範囲にお住まいの方は遠慮なくご相談下さいね。
また、この記事以外にも股関節の痛みに特化した内容の記事をたくさん書いています。
このページの下の方にリンクを貼っていますので、興味のある人は是非ご覧ください。
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