腰痛でお悩みの人の話を聞いていると
「先生、適度な運動は体に良いと聞いたんですが、私の腰痛は運動不足が原因なんでしょうか?」
といった質問をよくいただきます。
最近は健康ブームですので、テレビやインターネットでも運動について語られる事が多く、そのため運動と腰痛との関係について興味のある人も多いと思います。
そこでこのページでは、適度な運動は腰痛の予防になるのかについて説明しています。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
スポンサーリンク
運動不足が腰に与える影響
さて、結論を先に言わせてもらいますね。
運動不足は腰痛を発生させる一つの原因になりますので、適度な運動は腰痛の予防に繋がります。
腰痛の発生には筋肉の緊張状態や血行の状態が大きく関わっています。
筋肉に負担が入り、炎症や疲労物質が一定以上蓄積されると痛みが発生すると考えられていますので、筋肉に溜まった疲労物質は溜まる前に流してしまわなければいけません。
筋肉に栄養を送るのも、筋肉周辺に溜まった疲労物質を流してくれるのも血流が行ってくれていますので、この血行を良くしてあげれば腰痛は発生しにくいという事になります。
血行はみなさんご存知の通り、心臓がポンプの役割を果たす事によって体中に血を流しているんですが、実は心臓の力だけでは全身の血行を良くする事は出来ず不十分なんですね。
全身の血行を良くするには、体の筋肉が動く事によって筋肉もポンプの役割を果たして血行の改善に貢献しています。
つまり、筋肉を動かす事が出来れば血行は良くなり、腰痛も発生しにくいという事になります。
運動不足という事は当たり前ですが筋肉の動きが少ない生活環境だと思いますので、長期間の運動不足は腰痛の原因にもなってしまうんですね。
こういった事が運動不足がもたらす腰痛への影響であり、適度な運動は腰痛の予防にも繋がる根拠でもあります。
運動のしすぎで腰を痛める人も多い
上記では運動不足が腰痛の原因の一つだという説明をさせていただきました。
しかし注意点があります。
こういった話をすると必ず
「じゃあ運動をすればいいんですね!!」
と考える人がいると思います。
運動そのものを全否定はしませんが、あくまでも適度な運動を心がけて下さい。
どんな事でも極端な事をすればマイナスに働きます。
薬でも飲み過ぎれば毒になるのと同じ様に、運動もやりすぎると逆に筋肉の過緊張をもたらします。
(やりすぎてもダメですし、やらなすぎてもダメです)
また、もし既に強い痛みが発生しているのであれば運動はあまりオススメできません。
強い痛みが発生している時は、炎症の影響で感覚が過敏になり負担が通常よりも入りやすくなっています。
そのため、運動による負担で逆に症状が悪化する事が多いんです。
何気ない日常動作で痛みを発生させているのであれば、まずは安静にして強い痛みを改善させるように心がけて下さいね。
スポンサーリンク
その人にとっての適度な運動量は個人差が大きい
こういった話をすると
「先生、適度な運動量って具体的にどれぐらいですか?」
という様な質問をよくいただきます。
申し訳ありませんが、この質問の答えは誰にも答えられません。
適度な運動量といっても、この「適度」というのは人によって個人差が大きすぎるんです。
また症状の重症度によっても当然変化します。
腰痛というのは人によってかなり症状に個人差があります。
特に症状を発生させたり、痛みを出す動作の条件は本当に人それぞれです。
具体的に言えば、座っているのが楽な人もいれば、座っている動作で痛みが出る人もいます。
立っているのが楽な人もいれば、立っているのが辛い人もいます。
歩く行為で痛みが強くなる人もいれば、歩いていると痛みがマシになる人もいます。
腰を屈めるのが楽な人もいれば、腰を屈める動作で痛みが強くなる人もいます。
腰を反ると楽な人もいれば、腰を反ると痛みが発生する人もいます。
この様に例を出せばキリがないほど痛みの出る条件は異なるんです。
つまり運動の内容によって、負担になったり大丈夫かは、人それぞれになってしまうわけですね。
当然、人によって適度な運動量にも違いがあるんです。
極論を言ってしまえば運動を行ってみて痛みが発生しないならOK。
運動を行ってみて痛みが発生したらダメ。
結局このように、実際に運動をしてみてもらわないと私にも判断できないのが正直な意見です。
運動はその人の抱えている症状との相性が深く関わっていますので、万人の人に共通しておすすめ出来る運動など存在しません。
適度な運動の強度や内容、行う時間に関して知りたい人からすればこういった答えは卑怯かも知れませんが、こればっかりは正解が存在しませんので実際に運動を行ってみてご自分で判断して下さい。
私がこのページで最も言いたい事は、適度な運動やオススメの運動に正解は存在しないという部分です。
テレビや本、ネットなどで〇〇分以上の運動がオススメ!や、腰痛には〇〇の運動がオススメ!などの情報が飛びかっていると思いますが、その全ての情報が正解かも知れませんし間違っている可能性だってあるんです。
こういった情報を鵜呑みにして逆に症状を悪化させる人も大勢おられますので気をつけて下さいね。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきます。
適度な運動は血行の促進に大きく関わり腰痛の予防に繋がります。
しかしあくまでも適度な運動が効果的であって、運動のやりすぎも逆効果になってしまいます。
難しい話ではありますが運動不足過ぎるのも良くありませんし、運動のしすぎも腰には良くないんです。
人によって適度な運動量というのは異なりますし、オススメの運動というのも人によって正解は異なります。
もし運動を考えているのであれば、実際に行ってみた後の腰痛の経過を参考に慎重に行ってくださいね。
また症状が出ている時は出来るだけ安静にして、それでも痛みが引かない時は早めに病院や治療院に相談するようにして下さい。
もしどこに相談していいか分からない、どこに行ってもダメだったという人は1度私にお気軽にご相談してくださいね。
私はなかなか治らない腰痛の治療には、それなりの自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
以上で「運動不足が原因?適度な運動は腰痛の予防になるのか?」のページの説明を終了させていただきますが、下記に腰痛に関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
おすすめ記事
スポンサーリンク
腰痛に関しての記事
「腰痛の症状別重症、危険度チェック。筋肉痛とヘルニアとの見分け方や違いは?」
「シップやサロンパスなど貼り薬は腰痛に効果的か?冷と温どちらがオススメ?」
「腰痛に自転車やエアロバイクはおすすめ?サドルの位置や高さについて」
「固定するべき?腰痛にサポーターやコルセット、骨盤ベルトについて」
「レントゲン、MRIなどの画像検査で異常なしと診断された腰痛の原因とは?」
「腰痛の人が日常生活で気をつける事、してはいけない事などの注意点」
「腰痛を強く押したり揉むと揉み返しが発生して悪化する可能性あり」
「低気圧や雨の日など天気や気圧の変化によって腰痛が悪化する原因」
「腰痛に腹筋や体幹トレーニングなど筋肉を鍛える行為は意味がない!?」
「精神的ストレス、思い込みや気のせいによって腰痛が発生する事はある?」
「お風呂や温泉などの入浴は腰痛に有効なのか?悪化する可能性もあり」
「冬、夏、梅雨時期など季節の変わり目で腰痛が悪化しやすい理由」
「びっこを引いて歩けないほど痛い、歩行困難になる腰痛でも歩くべきか!?」
「寝返り時に腰痛が悪化する場合の注意点や痛みが発生しにくい寝返り方」
「腰痛と同時にふくらはぎやスネに痛みや痺れや違和感が発生した時は注意」
「腰痛の原因に心当たりがない人は悪いクセが関わっている事が多い」
「腰痛と同時にお尻や股関節、足の付け根(鼠径部)に痛みや痺れが発生した時は注意」
「猫背が必ずしも悪いとは限らない?腰痛と正しい姿勢について」
「腰痛と同時に踵やアキレス腱、足裏や土踏まずの痛み痺れが発生した時は注意」
「腰痛の症状がひどい時の美容院や歯医者は悪化する可能性があるので注意」
「歩いていて頻繁につまずいたりつま先立ちが出来ない腰痛は注意」
「腰痛に似た症状を発生させる違う病気や疑われる病気について」
「夜中に寝れない眠れないほどの夜間痛を発生させる腰痛の正体」
「整形外科など病院でリハビリとして行われる牽引は腰痛に効果なし?」
「腰痛持ちの人が座る椅子(イス)の理想的なおすすめの高さとは」
「なかなか治らない腰痛を放置するとどうなるのか?その後の経過」
「腰痛にバキバキボキボキ鳴らす整体やカイロ、骨盤矯正は危険」
「腰痛で背骨や脊椎、椎間板や軟骨の間隔が狭いと診断された場合の注意点」
「腰痛と同時に顔の痛みや痺れ、目の疲れや歯痛を感じる事もある?」
「スポーツジムなどで行うウェイトトレーニングは腰痛を悪化させる可能性あり」
「冷やしたりアイシングは腰痛に効果あり?おすすめの時間とは」
「掃除機をかけると腰が痛い。腰痛が悪化しにくい掃除機のかけ方」
「チクチク、ビリビリ、ズキズキ、ジンジンするような腰痛は要注意」
「腰痛と同時にあばらや肋骨、わき腹にも痛みが発生した時は注意」
「産後、子育てや育児中の女性の腰痛は改善しにくい理由と抱っこについて」