腰痛でお悩みの人の話を聞いていると
「先生、腰痛を予防するために日常生活で気をつける事、してはいけない事や注意点などはありますか?」
といった質問をよくいただきます。
動作というのは無限にありますので、全ての原因を細かく説明する事は出来ませんが、このページでは腰痛を予防するための日常生活における注意点について説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
スポンサーリンク
腰に負担のかかりやすい動作
さて、当たり前の事をまず説明させていただきます。
腰痛の人が一番気を付けなければいけない事は腰に過度の負担を与えない事です。
つまり、逆に言えば腰痛になる人は気がついていないだけで、どこかの動作で腰に負担を与えているという事ですね。
腰にとって負担のかかりやすい動作というのは、腰椎の解剖学的特徴から説明できます。
腰椎の関節は構造上捻じる動きと反る動きには適していません。
つまり、腰は捻じる動きと反る様な動きは負担になりやすいという事になります。
また、人間の関節のほとんどは、関節を支点にした「てこの原理」で動いています。
てこの原理というのは支点より作用点が遠くなれば多くの力が必要になり、近ければ近いほど少ない力で作業が行えます。
少し難しい話ですが、人間の体で言い直しますね。
簡単に言えば自分の立っている位置や座っている位置より遠くで作業をすればするほど、支点になる腰には負担が大きくなり、近くで作業をすれば負担は少なくなるという事です。
へっぴり腰で作業をすると腰が痛くなるのはこういった理由が関係するわけですね。
(お尻を後ろに突き出して腰を曲げるため、手で作業する点と腰との距離が遠くなってしまうため)
つまり何か作業をする時は、できるだけ作業をする場所に近づいて作業をすれば腰への負担は減らせます。
逆に遠ざかれば遠ざかるほど、腰への負担が増えてしまいますのでお気をつけください。
また人間は関節を動かすよりも、ある特定の位置を維持する方が疲労しやすいと考えられています。
例えば腕を上げたり下げたりを繰り返すより、ずっと上げっぱなしの方が疲れますよね?
これと同じ様に座りっぱなし、立ちっぱなしというような、ずっと同じ姿勢や体勢を維持する動作は、腰の負担が大きくなるためできるだけ体勢や姿勢を変えるようにしてください。
スポンサーリンク
日常生活で腰に負担がかかりやすい場面について
上記では、腰に負担のかかる条件の説明をさせていただきました。
ここからは具体的に患者さんの日常生活の中で気をつけていただきたい事を簡単に説明させていただきます。
冒頭でも言いましたが、動作は無限に存在しますので全ての動作をここで説明する事は出来ません。
ここから説明する動作はその中のほんの一例です。
ちなみに私の嫁や両親の動きを参考にさせていただきました。
① 何か物を掴む時に手や肘を伸ばした状態で作業をしてしまう
このページでも説明させていただいたように、人間の関節はてこの原理で動いていますので、自分の位置から遠くで作業をすればするほど支点になっている腰への負担は大きくなります。
リモコンなどの軽い物だと、その場から全く動かずに手や腕だけを伸ばして操作しようと試みる人が非常に多いんですが、こういった些細な動作でも腰への負担は意外と大きいので気をつけましょう。
② 重たい荷物を運ぶ時に腰を捻っている
文章では少し説明しにくいんですが、重たい荷物を運ぼうとした時に腰を捻っている人は非常に多いです。
方向転換をする時は腰を捻るのではなくて、足を動かして方向転換して下さい。
③ 掃除機などを使用中に両足に均等に体重がのっている
①の理由と少し似ているのですが、掃除機をかける時に腕や手だけを伸ばしてかけている人は非常に多いです。
自分の立っている位置から遠くで作業をしてしまうと腰には大きな負担になってしまいます。
実は掃除機に関して手だけを伸ばした動作になってしまう原因は、両足に均等に体重がのっている事が関わっています。
前の方に腕や手を伸ばした時は、同時に片足を前に大きく踏み出して、踏み出した片足にしっかり体重を偏らせるようにして下さい。
そうすれば、腕を伸ばしていても重心の位置は遠ざからず腰への負担は少なくてすみます。
④ 体重のかかっている足と反対側で作業をしている
人間はみんな利き足が存在しており、多くの場合で右か左か体重をかけやすい方向が存在しています。
どちらか片方に偏って体重をかける事に反対意見はないのですが、例えば右足に体重を偏らせてかけているのに、手の作業は左側で行っている人達は結構います。
こうすると、最も体重がかかっている場所と作業をしている場所が遠くになってしまい、支点になっている腰に大きな負担がかかります。
台所などで多い印象を持っています。
自分の右側で作業をする時は右足に体重を少し偏らせて、左側で作業をする時は左足に体重を少し偏らせるようにして下さい。
⑤ 立ちっぱなし、座りっぱなしなどずっと同じ姿勢をとっている事
上記でも少し説明しましたが、人間は関節を動かすよりも、ある特定の位置を維持する方が疲労しやすいと考えられています。
例えば立っている時でも座っている時でも、足の位置やつま先の方向を少し変化させるだけで、腰にかかる圧力の方向は変化して負担を軽減する事につながります。
あまりにもずっと同じ体勢や姿勢でいる事は大きな負担になりますので気をつけて下さいね。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきますね。
腰痛の人が日常生活で気をつける事や、してはいけない注意点は主に3つ
①腰を捻じったり反ったりという動作
②自分の立ち位置から遠くで作業をする動作
③立ちっぱなし、座りっぱなしという様にずっと同じ体勢や姿勢を維持する動作
上記の動作を気をつけていただければ症状の悪化を防げると思います。
ただし、こういった動作はみなさんが気が付いていないだけで至る所に潜んでいます。
一応、日常生活でこういった動作が関わりやすい例をこのページでは説明していますが、こういった注意点は無限に存在します。
少しでもこういった動作を気をつけていただいて腰痛の予防に役立てて下さいね。
また、日常生活で大きな痛みが発生している人はできるだけ早く信頼できる病院や治療院に相談するように心がけて下さいね。
もしどこに相談していいか分からない、どこに相談してもダメだったという人は一度私にお気軽にご相談して下さいね。
どこに行っても治らないしつこい腰痛の治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
以上で「腰痛の人が日常生活で気をつける事、してはいけない事などの注意点」のページの説明を終了させていただきますが、下記に腰痛に関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
おすすめ記事
スポンサーリンク
腰痛に関しての記事
「腰痛の症状別重症、危険度チェック。筋肉痛とヘルニアとの見分け方や違いは?」
「シップやサロンパスなど貼り薬は腰痛に効果的か?冷と温どちらがオススメ?」
「腰痛に自転車やエアロバイクはおすすめ?サドルの位置や高さについて」
「固定するべき?腰痛にサポーターやコルセット、骨盤ベルトについて」
「レントゲン、MRIなどの画像検査で異常なしと診断された腰痛の原因とは?」
「腰痛を強く押したり揉むと揉み返しが発生して悪化する可能性あり」
「低気圧や雨の日など天気や気圧の変化によって腰痛が悪化する原因」
「腰痛に腹筋や体幹トレーニングなど筋肉を鍛える行為は意味がない!?」
「精神的ストレス、思い込みや気のせいによって腰痛が発生する事はある?」
「お風呂や温泉などの入浴は腰痛に有効なのか?悪化する可能性もあり」
「冬、夏、梅雨時期など季節の変わり目で腰痛が悪化しやすい理由」
「びっこを引いて歩けないほど痛い、歩行困難になる腰痛でも歩くべきか!?」
「寝返り時に腰痛が悪化する場合の注意点や痛みが発生しにくい寝返り方」
「腰痛と同時にふくらはぎやスネに痛みや痺れや違和感が発生した時は注意」
「腰痛の原因に心当たりがない人は悪いクセが関わっている事が多い」
「腰痛と同時にお尻や股関節、足の付け根(鼠径部)に痛みや痺れが発生した時は注意」
「猫背が必ずしも悪いとは限らない?腰痛と正しい姿勢について」
「腰痛と同時に踵やアキレス腱、足裏や土踏まずの痛み痺れが発生した時は注意」
「腰痛の症状がひどい時の美容院や歯医者は悪化する可能性があるので注意」
「歩いていて頻繁につまずいたりつま先立ちが出来ない腰痛は注意」
「腰痛に似た症状を発生させる違う病気や疑われる病気について」
「夜中に寝れない眠れないほどの夜間痛を発生させる腰痛の正体」
「整形外科など病院でリハビリとして行われる牽引は腰痛に効果なし?」
「腰痛持ちの人が座る椅子(イス)の理想的なおすすめの高さとは」
「なかなか治らない腰痛を放置するとどうなるのか?その後の経過」
「腰痛にバキバキボキボキ鳴らす整体やカイロ、骨盤矯正は危険」
「腰痛で背骨や脊椎、椎間板や軟骨の間隔が狭いと診断された場合の注意点」
「腰痛と同時に顔の痛みや痺れ、目の疲れや歯痛を感じる事もある?」
「スポーツジムなどで行うウェイトトレーニングは腰痛を悪化させる可能性あり」
「冷やしたりアイシングは腰痛に効果あり?おすすめの時間とは」
「掃除機をかけると腰が痛い。腰痛が悪化しにくい掃除機のかけ方」
「チクチク、ビリビリ、ズキズキ、ジンジンするような腰痛は要注意」
「腰痛と同時にあばらや肋骨、わき腹にも痛みが発生した時は注意」
「産後、子育てや育児中の女性の腰痛は改善しにくい理由と抱っこについて」