肩こりという症状は日本人の中で最もお悩みの人が多い疾患の一つです。
決して珍しい疾患ではないため、親子や家族揃って肩こりに悩まされているという人も多いでしょう。
そういった患者さんを治療していると
「先生、私は親もひどい肩こりで悩んでいるんですが、肩こりって遺伝とかするんでしょうか?」
という質問をたまにいただきます。
そこでこのページでは、あくまでも私の個人的な考え方ではありますが、肩こりと遺伝との関係について説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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生まれつきの遺伝による肩こりの影響はあまり大きくない
あくまでも私の個人的な意見ではありますが、私は肩こりの症状が遺伝によって大きく左右される可能性は低いと考えています。
勿論、全く遺伝が関係しないというつもりはありません。
過去に診させていただいた患者さんの中には、生まれつき首の骨が変形しているという人がおり、その娘さんも全く同じ箇所に同じ骨の変形がみつかったという例もありました。
こういった事からも分かるように、骨の構造や体のつくりが遺伝によって子供に大きく受け継がれる事は間違いありません。
しかし、そもそも肩こりという疾患はそれほど珍しい疾患ではありません。
おそらく日本人の体の悩みで最も多い症状は肩こりと言っても大げさではないでしょう。
また、運動不足など様々な生活環境が肩こりには大きく関係しますし、そういった原因になっているであろう生活環境を改善すれば、肩こりの症状が軽減する事も珍しくありません。
もし遺伝の要素が大きく関わっているのであれば、生活環境を改めても症状が軽減する事は難しい事だと思います。
ですが、実際には生活環境を改善すれば症状が軽減する人が大勢いる事から、遺伝が全く関係ないと極論を言うつもりはありませんが、肩こりの大きな原因は遺伝的な要素よりも生活環境による要素の方が大きいと思います。
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親子揃って肩こりで悩む人が多いのは生活環境が似ているから
肩こりの症状が珍しくないとは言っても、やはり親子揃って悩んでいる人達が多いのも事実です。
そのため「遺伝が関係するのかな?」と疑問に思っている人が多いんだと思います。
上記でも説明させていただきましたが、肩こりは生活環境によって発生しやすいかどうかが大きく異なります。
そして生活環境というものは一緒に暮らしている。もしくは一緒に暮らしていた期間が長い親子であれば似ていて当然です。
もし普段の生活環境に肩こりになりやすいような原因が潜んでいた場合、親子揃って肩こりになっても何も不思議ではないんですね。
ちなみに肩こりになりやすい生活環境というのは色々ありすぎて書ききれるものではありませんが、いくつか説明しておきますので心当たりがある人は是非参考にして下さい。
① 運動不足
肩こりというのは首や肩周辺の血行不良によって筋肉の緊張が発生する筋肉痛のようなものです。つまり運動をする事によって血行状態が改善すれば症状が軽減する事も珍しくないんですが、普段から慢性的に運動不足の生活をされている人は肩こりが発生しやすくなります。
② 睡眠不足
肩こりというのは筋肉の緊張状態が症状の発生に大きく関わります。筋肉の緊張は疲労状態とも密接に関わっていますので、普段から睡眠時間が少ない人は改善しにくい傾向があります。
③ 肩に力が入りやすい動作
生活環境というより「クセ」に近いかもしれませんが、肩こりというのは肩こりになりやすい動作がいくつか存在しています。
例えば、台所で料理をしている時、読書をしている時、携帯電話を使う時に下を見る動作などで、「首だけが限定して下を向く」などの動作です。
通常は下を見る動作というのは、首だけを動かすのではなくて、少し前屈したり背中を丸めたりした方が首や肩への負担は少なくてすみます。
肩こりになりやすい人はこういった細かい動作の中に、負担になりやすい動かし方をしている人が多く、小さい子供は親の動作を真似する事によって動きを覚えていくため、親子で動作のクセが似る事が多いんですね。
そのため、同じ親子同士で肩こりになりやすい動作上の問題を抱えている人が非常に多い印象を持っています。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきますね。
親子が揃って肩こりの症状に悩まされるという現象は、私も仕事をしていてよく見かける話ではありますが、だからと言って決して生まれつきの遺伝が大きく関係しているとは思えません。
肩こりの症状は普段の生活環境に原因がある事が多く、親子はどうしても生活環境が似ている事が多いため、親子揃って肩こりになる事が多いんだと思います。
つまり、生活環境を改善する事が出来れば症状が軽減する可能性があるという事でもあります。
「遺伝が原因」と考えてしまうと、どうしようもない気がしてしまいますが、私は遺伝よりも生活環境がやはり大きく関わっていると考えています。
このページが参考になったと感じた人は、少しでもご自分の生活環境の見直しのきっかけにして下さいね。
もしどこに相談していいか分からない、どこに相談してもダメだったという人は一度私にお気軽にご相談して下さいね。
どこに行っても治らないしつこい肩こりの治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
以上で「肩こりの症状に遺伝は関係するのか?」のページの説明を終了させていただきますが、下記に肩こりに関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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