肩こりでお悩みの患者さんの話を聞いていると
「先生、ラジオ体操は肩こりに効果はあるんでしょうか?」
といった質問をたまにいただきます。
ラジオ体操は歴史も古く、健康の為に行われている最も有名な体操だと思いますが、肩こりに対しての効果について興味のある人も非常に多いと思います。
そこでこのページでは、ラジオ体操の肩こりに対しての効果について説明しています。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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ラジオ体操はみんなが思っている以上に素晴らしい運動
肩こりというのは血行不良で疲労物質が溜まり、その影響で筋肉が緊張する事によって発生します。つまり血行を促進して、血の中に溜まっている疲労物質を流してしまえば改善するという事です。
血行を良くする事で最も簡単な事は、筋肉を動かす事、つまり運動を行う事です。
ただし、どんな運動でも良いという訳ではありません。
運動を行った時に関節に不自然な動きが加わった場合は、体を痛める原因になってしまう可能性もあります。
そういった意味ではラジオ体操の動きは非常に理にかなった動きとなっています。
関節の不自然な動きというのは、各関節によって答えが変わるのですが、大まかに説明すれば一つの関節を単独で動かしてしまう動作が不自然な動きになります。
どの関節でもそうなんですが、何か作業をしようとした時に、一つの関節が単独で動くという事はまずありません。
歩行なら、股関節、膝関節、足関節が連動して動きます。
手作業なら、肩、肘、手首、指が連動して動きます。
逆に言えば、本来はいくつもの関節を連動して動かなければいけない作業で、一つの関節を単独で動かしてしまうと怪我の原因になるわけですね。
首で説明すれば、例えば右に顔を向けた時に、首の動きと連動して、体も少し右に向けていれば首への負担は少なくすみます。
逆に、体は全く動かずに、首だけが単独で右に向いてしまうと過度な負担が首に入ってしまいます。
例えば顔を下に向けた時に、首の動きと連動して、背中を丸めるように下を向いていれば首への負担は少ないです。
逆に、体は全く動かずに、首だけが単独で下を向いてしまうと、過度な負担が首に入ってしまいます。
このように、関節というのは単独で動く事はほとんどなく、単独で動かしてしまうと痛みの原因になってしまうんです。
そしてラジオ体操の動作というのは、関節に強い負荷が入らない様に非常に日常生活の動作に近い運動で構成されていると思います。
首だけを単独で動かす事もなく、必ず体や腕も一緒に連動して動いていますよね?
ラジオ体操は長年大勢の人に親しまれるだけの事はある素晴らしい運動方法だと言えるでしょう。
真面目にやれば軽く汗をかく程度の運動量もありますし、通常の肩こりであれば十分ラジオ体操で改善する可能性は高いと思います。
ラジオ体操を行っても改善しない肩こりの症状は肩こりではない
上記でも説明させていただいたように、ラジオ体操は肩こりの改善方法としては非常に優秀な方法だと思います。
しかし、中にはラジオ体操を行って症状が悪化する人もいれば、症状が全く改善しないという人もおられると思います。
先ほども説明させていただいたように、肩こりが血行不良によって発生している事は間違いありません。そのため、ラジオ体操によって血行を促進すれば、肩こりの症状が改善する事も間違いはないと思います。
では運動を行っても改善しない肩こりの症状とはどういった症状なんでしょうか?
はっきり言いますが、ラジオ体操のような運動を行っても改善しない肩こりの症状は、肩こりのような症状を発生していますが肩こりではないのだと思います。
それほど、通常の肩こりに関して血行を促進する運動は非常に効果が高い方法ですので。
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頚椎症(けいついしょう)や頚椎ヘルニア、ストレートネックなどから発生している神経痛の可能性が高い
ラジオ体操を行っても改善しない肩こりの場合、その症状の正体で一番可能性が高いのは頚椎症や頚椎ヘルニア、ストレートネックなど、首の骨や変形によって近くの神経を圧迫して発生している神経痛だと思います。
頚椎症や頚椎ヘルニアとは、首の骨や軟骨が変形する事によって近くの神経を圧迫し、その神経が支配している領域に痛みや痺れなどの症状を発生させる疾患です。
軽症から重症例までの症状がかなり幅広く、重症であれば夜も疼いて寝れない、握力がなくなって手や腕や首を動かせないなどの症状を発生させる事もありますが、軽症であれば肩こりに似た痛みや筋肉の張り感だけを感じる場合もあります。
このように重症であれば、ただの肩こりでは考えられない症状を発生させますので分かりやすいんですが、頚椎症や頚椎ヘルニアなどで症状が発生していたとしても、軽症であれば肩こりに近い症状を発生させますので勘違いされやすいんですね。
ただし、単なる血行不良などによって発生している肩こりが、血行を大きく改善させる運動を行って改善しないという事は考えにくい現象ですので、もし運動などを行っても改善しない肩こりに心当たりがある場合は、頚椎症や頚椎ヘルニアなどを疑った方が良いかと思います。
頚椎症や頚椎ヘルニアであっても、初期であれば異常なしと診断される事が多い
もし頚椎症や頚椎ヘルニアを疑った場合、病院へ行ってレントゲンやMRIなどの画像検査をされると思いますが、初期の頚椎症や頚椎ヘルニアの場合は「異常なし」と診断される事も決して珍しくありません。
お医者さんの診断基準はどうしても手術をするべきかどうかで判断される事が多く、首の骨や軟骨の変形、神経の圧迫などの問題点があったとしても、手術するほどの大きい問題じゃなければ「異常なし」と言われる事が多いんですね(こういった事は実際にお医者さんに聞いた事のある話です)
また、実際に異常があったとしてもMRIの検査で発見できない事も決して珍しい事ではないようです(これも実際にお医者さんに聞いた事があります)
しかし、運動を行っても改善しない肩こりのような症状の場合は、やはり頚椎症や頚椎ヘルニアなどから発生している神経痛の可能性が高いと思いますので、放置せずに治療をするように心がけて下さい。
頚椎症や頚椎ヘルニアから発生している肩こりの症状なのであれば、弱い刺激で行う治療が効果的
頚椎症や頚椎ヘルニアのように、首の骨や軟骨の変形などが症状に大きく関わっている場合、その周辺には常に強い炎症が発生しています。
炎症は近くの神経を興奮させて、感覚を過敏にさせる特徴を持っています。感覚が過敏になると、簡単に言えば少しの負担やちょっとした動作でも痛みを感じやすくなってしまうんです。
つまり、こういった症状の方にマッサージなどの強い刺激で行う治療を行うと、あまり効果がない所か逆効果になってしまう可能性があるんですね。
(ラジオ体操などの体への負担が少ない運動であっても、この炎症の過敏性によって症状が悪化する人もいます)
どこの治療院やマッサージに通っても改善しなかったという人は多いと思いますが、そのほとんどの治療が割と刺激量の多い治療である事が多いと思います。
逆に、優しく弱い刺激で行う治療であれば、治療行為が負担になりませんので改善する可能性があります。
弱い刺激の治療を行っている治療院は、あまり多くはないと思いますが、もしよろしければこのページで書かれている事を治療院選びの参考にして下さいね。
もしどこに相談していいか分からない、どこに相談してもダメだったという人は一度私にお気軽にご相談して下さいね。
どこに行っても治らないしつこい肩こりや、頚椎から発生している症状の治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
以上で「ラジオ体操は肩こりに効果的か?」のページの説明を終了させていただきますが、下記に肩こりに関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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