なかなか肩こりの症状が治らずに苦しんでいる人の中には、整形外科に行かれる人も当然多いと思います。
整形外科によって治療の方針は違いますが、病院によっては首の牽引を勧められて行っている人もおられるでしょう。
しかし、一般的に首の牽引の治療効果は決して高いものではありませんので、効果に疑問に思っている人も非常に多いのではないでしょうか?
効果がないだけならまだ良い方で、中には逆に症状が悪化される人もいるはずです。
そこでこのページでは、肩こりの治療として整形外科で行われる首の牽引治療の効果についてと、その危険性について説明させていただきたいと思います。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
文章の構成上、首の牽引の効果や危険性についての説明は最後の方になっていますので、その部分のみに興味がある人は見出しのタイトルを参考に読み飛ばして下さいね。
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首の牽引治療は頚椎症や頚椎ヘルニアの疾患に行われる事が多い
まず、そもそもの話ですが、お医者さんは何故ただの肩こりの症状で首の牽引を行おうとしたのでしょうか?
病院が行う首の牽引という方法は、一般的にはただの肩こりではなく頚椎症(けいついしょう)や頚椎ヘルニアの症状に行われる事が多い治療法です。
頚椎症や頚椎ヘルニアとは、首の骨や軟骨が変形する事によって近くの神経を圧迫し、その神経が支配している領域に痛みや痺れなどの症状を発生させる疾患です。
軽症から重症例までの症状がかなり幅広く、重症であれば夜も疼いて寝れない、握力がなくなって手や腕や首を動かせないなどの症状を発生させる事もありますが、軽症であれば肩こりに似た痛みや筋肉の張り感だけを感じる場合もあります。
このように重症であれば、ただの肩こりでは考えられない症状を発生させますので分かりやすいんですが、頚椎症や頚椎ヘルニアなどで症状が発生していたとしても、軽症であれば肩こりに近い症状を発生させますので分かりにくいんですね。
少し極論かも知れませんが、本来の肩こりという症状はそこまで長引いたり、強い痛みを発生させる疾患ではないと思いますので、どこに相談しても治らない肩こりや、運動をしても改善しない肩こりの症状の多くは、この頚椎の問題が関わっている可能性が高いと思います。
つまり、お医者さんが「首の牽引」という治療法を選択したという事は、ただの肩こりではなくて頚椎症や頚椎ヘルニアの症状を疑っている可能性が高いという事になります。
頚椎症や頚椎ヘルニアであっても、初期であれば異常なしと診断される事が多い
さて、上記ではお医者さんが「首の牽引」の治療法を選択した場合、その症状は単なる肩こりではなく頚椎症や頚椎ヘルニアの症状を疑っている可能性が高いという話をさせていただきました。
しかし、診断内容自体は「異常なし」と言われる事も珍しくありません。
お医者さんの診断基準はどうしても手術をするべきかどうかで判断される事が多く、首の骨や軟骨の変形、神経の圧迫などの問題点があったとしても、手術するほどの大きい問題じゃなければ「異常なし」と言われる事が多いんですね(こういった事は実際にお医者さんに聞いた事のある話です)
しかし、口では「異常なし」と言っていても、本音では頚椎症や頚椎ヘルニアの症状を疑っているお医者さんは非常に多いと思います。そういった事が「異常なし」と診断しながらも、頚椎症や頚椎ヘルニアの治療に良く使われる「首の牽引」を患者さんに勧める理由でしょうね。(何度も言うように、こういった事は実際にお医者さんに聞いた事がある内容ですし)
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首の牽引の効果やリスク
さて、このページを読んでいる人が最も気になっている首の牽引の効果についてですが、正直に言ってあまり効果の高い治療法ではありません。
そもそもただの肩こりなのであれば、原因は単なる血行不良で発生している可能性が高く、マッサージなどで直接筋肉を動かして血行促進した方が効果は高いです。
仮に、肩こりのような症状を発生しているが、その症状の正体が頚椎症や頚椎ヘルニアから発生している場合であっても、首の牽引の効果はあまり期待できず、場合によっては逆に症状が悪化する事も多い方法でもあります。
「病院では頚椎症や頚椎ヘルニアの治療法として使われる事が多い首の牽引で、頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が逆に悪化するの?」と疑問の声が聞こえてきそうですね。
もしあなたの肩こりのような症状が、頚椎症や頚椎ヘルニアから発生している症状だった場合、その症状は首の関節に負担が入れば入るほど悪化する傾向があります。(首の骨の変形によって神経が圧迫されているため)
「首の牽引」とは顎の近くに機械を設置して、上に引っ張るという方法が一般的だと思います。
首の関節の構造上、下をうつむいたり横を向いたりなどの動作は過度じゃなければ負担はそう大きくありません。しかし首を上に向ける動作は神経を圧迫する方向の動きであり、首にとっては比較的負担の多い動作でもあります。
また、首の牽引で引っ張る方向は真上に引っ張る事が多いですよね?はっきり言ってこんなろくろ首のような動きは、首の関節の構造上まともな動きではありません。首に関わらず関節にはそれぞれ関節の構造に沿った動きであれば負担は少なくてすみ、構造にそぐわない方向の動きは負担が大きいという特徴があります。
つまり理屈で考えても、首の牽引は頚椎症や頚椎ヘルニアにとってあまりオススメできる方法ではないんですね。
実際に首の牽引をうけて症状が悪化したという人は非常に多いですし、こういった事から病院でも首の牽引を行わない所もだいぶ増えている印象があります。
頚椎症や頚椎ヘルニアから発生している肩こりの症状なのであれば、弱い刺激で行う治療が効果的
もしあなたが現在感じている肩こりの症状が頚椎症や頚椎ヘルニアが原因で発生しているのであれば、残念ながら一般的な整骨院などで行われているマッサージや病院で行われている牽引治療では改善しにくい症状のはずです。
実は頚椎症や頚椎ヘルニアの症状は非常に治療が難しく、お悩みの人が非常に多い疾患でもあります。
頚椎症や頚椎ヘルニアのように、首の骨や軟骨の変形などが症状に大きく関わっている場合、その周辺には常に強い炎症が発生しています。
炎症は近くの神経を興奮させて、感覚を過敏にさせる特徴を持っています。感覚が過敏になると、簡単に言えば少しの負担やちょっとした動作でも痛みを感じやすくなってしまうんです。
つまり、こういった症状の方にマッサージやバキボキするような、比較的強い刺激で行う治療を行うと、あまり効果がない所か逆効果になってしまう可能性があるんですね。
(首の牽引によって症状が悪化する事が多いのも、こういった感覚の過敏性が大きく関わっているはずです)
どこの治療院やマッサージに通っても改善しなかったという人は多いと思いますが、そのほとんどの治療が割と刺激量の多い治療である事が多いと思います。
逆に、優しく弱い刺激で行う治療であれば、治療行為が負担になりませんので改善する可能性があります。
頚椎症や頚椎ヘルニアのように、骨や軟骨の変形や神経の圧迫が痛みに大きく関わっていたとしても、その症状には筋肉の緊張状態や炎症の有無も痛みにはかなりの部分で関わっています。
強い刺激で行う治療では、強い炎症による過敏性が邪魔をして改善する可能性は低いと思いますが、弱い刺激で行う治療であれば、しっかり首周辺の筋肉を動かし、血行を促進する事が出来れば炎症や筋緊張は軽減して症状が改善する事も珍しくありません。
弱い刺激の治療を行っている治療院は、あまり多くはないと思いますが、もしよろしければこのページで書かれている事を治療院選びの参考にして下さいね。
もしどこに相談していいか分からない、どこに相談してもダメだったという人は一度私にお気軽にご相談して下さいね。
どこに行っても治らないしつこい肩こりや、頚椎から発生している症状の治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
以上で「整形外科での牽引治療は肩こりの症状に効果はあるのか?」のページの説明を終了させていただきますが、下記に肩こりに関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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