肩こりでお悩みの人の話を聞いていると、台所で食器の洗い物をしている時や、読書やスマホを扱っている時など、顔を下に俯いている動作を行うと症状が強くなるといった話をよくお聞きします。
このように肩こりの症状は首の関節の動きに密接に関わっており、特に下を向くような動作で症状が悪化するという事は頻繁に発生します。
出来るだけ下を向いた状態をずっと維持するような動作は避けた方が良いとは思いますが、用事や作業で仕方なくこういった作業をされる人もおられるでしょう。
そこでこのページでは、下を向く動作によって肩こりになりやすい理由の説明と、肩こりになりにくい下を向く時の注意点について説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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下を向く時の注意点
多くの肩こりは首や肩、背中周辺に疲労が溜まり、血行不良になって筋肉が緊張する事によって発生しています。
その中でも首の動きというのは負担が大きく、動かし方によっては肩こりの原因になっている人も少なくありません。
冒頭でも説明しているように、読書や台所での洗い物、スマホなどを触っている時のように、下をずっと向いている動作で肩こりを発生させる人はとても多く、出来れば長時間は避けた方が良い動作でもあります。
ただし、家事や仕事などでどうしても下を向いて作業をしなければいけない人も大勢おられるでしょう。
そういった人は下を向く時に一つだけ工夫してほしい事があります。
下を向く時は、顔や首だけを下に向けるのではなくて、背中を少し丸めて下を向くようにして下さい。
これだけで下を向いて作業する時の体への負担はかなり軽減できます。
どの関節でもそうなんですが、何か作業をしようとした時に、一つの関節が単独で動くという事はまずありません。
歩行なら、股関節、膝関節、足関節が連動して動きます。
手作業なら、肩、肘、手首、指が連動して動きます。
逆に言えば、本来はいくつもの関節を連動して動かなければいけない作業で、一つの関節を単独で動かしてしまうと怪我の原因になるわけですね。
首で説明すれば、例えば右に顔を向けた時に、首の動きと連動して、体も少し右に向けていれば首への負担は少なくすみます。
逆に、体は全く動かずに、首だけが単独で右に向いてしまうと過度な負担が首に入ってしまいます。
顔を下に向けた時の話に戻しますが、首の動きと連動して、背中を丸めるように下を向いていれば首への負担は少なくてすむんですね。
逆に、体は全く動かずに、首だけが単独で下を向いてしまうと、過度な負担が首に入ってしまいます。
患者さんの中で「下を向くのがしんどいんです」と訴える人のほとんどは、こういった部分に問題が多い印象を持っています。
このように、関節というのは単独で動く事はほとんどなく、単独で動かしてしまうと痛みの原因になってしまうんです。
首の動きも同様に、首を動かす時は、動かす方向に体も連動して動かさないと負担になってしまうため、気をつけてくださいね。
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首の動きで必ず痛みが発生したり肩こりが悪化する時は頚椎症や頚椎ヘルニアを疑うべき
さて、上記では下を向いた時に負担を軽減させる方法を説明させていただきました。
この方法は実際に私が患者さんにアドバイスして、症状が改善している事の多い信頼できる方法です。
しかし、あくまで負担を軽減できる方法であって、負担をゼロに出来る訳ではありません。
こういった方法でも、長時間に渡ってずっと同じ姿勢を維持すると首にとって大きな負担になります。
また、首の動きで必ず痛みが発生する。肩こりの症状が悪化する人の場合は、その症状の正体が単なる肩こりじゃない可能性もあります。
こういった首の動きで痛みが発生する場合、頚椎症(けいついしょう)や頚椎ヘルニア、ストレートネックなど、首の骨や変形によって近くの神経を圧迫して発生している神経痛の可能性も高いんです。
頚椎症や頚椎ヘルニアとは、首の骨や軟骨が変形する事によって近くの神経を圧迫し、その神経が支配している領域に痛みや痺れなどの症状を発生させる疾患です。(必ずしも痺れが発生する訳ではありません)
軽症から重症例までの症状がかなり幅広く、重症であれば夜も疼いて寝れないなどの強い症状を発生させる事もありますが、軽症であれば肩こりに似た痛みや筋肉の張り感だけを感じる場合もあります。
このように重症であれば、ただの肩こりでは考えられない症状を発生させますので分かりやすいんですが、頚椎症や頚椎ヘルニアなどで症状が発生していたとしても、軽症であれば肩こりに近い症状を発生させますので勘違いされやすいんですね。
実際に頚椎症や頚椎ヘルニアと診断された人の話を聞いていると、過去に長年に渡って肩こりの症状に悩まされていたという話をよく聞きます。
つまり、なかなか治らないしつこい肩こりの症状の正体は、頚椎症や頚椎ヘルニアなどの初期症状の可能性が非常に高く、また首の動きに限定して痛みが発生しているのであれば、単なる肩こりではなく首に何らかの原因が発生している可能性が非常に高いんです。
頚椎症や頚椎ヘルニアであっても、初期であれば異常なしと診断される事が多い
もし頚椎症や頚椎ヘルニアを疑った場合、病院へ行ってレントゲンやMRIなどの画像検査をされると思いますが、初期の頚椎症や頚椎ヘルニアの場合は「異常なし」と診断される事も決して珍しくありません。
お医者さんの診断基準はどうしても手術をするべきかどうかで判断される事が多く、首の骨や軟骨の変形、神経の圧迫などの問題点があったとしても、手術するほどの大きい問題じゃなければ「異常なし」と言われる事が多いんですね(こういった事は実際にお医者さんに聞いた事のある話です)
また、実際に異常があったとしても神経を圧迫している場所や角度によっては、MRIの検査でも写りにくい、写らない事も決して珍しい事ではないようです(これも実際にお医者さんに聞いた事があります)
しかし、このページで何度も説明させていただいたように、首を下に向ける動作で症状が悪化する場合は、やはり頚椎の問題を疑うようにしてくださいね。
頚椎症や頚椎ヘルニアから発生している肩こりの症状なのであれば、弱い刺激で行う治療が効果的
もしあなたが現在感じている肩こりの症状が頚椎症や頚椎ヘルニアが原因で発生しているのであれば、残念ながら一般的な整骨院や病院などで行われているマッサージや電気治療では改善しにくい症状のはずです。
実は頚椎症や頚椎ヘルニアの症状は非常に治療が難しく、お悩みの人が非常に多い疾患でもあります。
頚椎症や頚椎ヘルニアのように、首の骨や軟骨の変形などが症状に大きく関わっている場合、その周辺には常に強い炎症が発生しています。
炎症は近くの神経を興奮させて、感覚を過敏にさせる特徴を持っています。感覚が過敏になると、簡単に言えば少しの負担やちょっとした動作でも痛みを感じやすくなってしまうんです。
つまり、こういった症状の方にマッサージなどの強い刺激で行う治療を行うと、あまり効果がない所か逆効果になってしまう可能性があるんですね。
どこの治療院やマッサージに通っても改善しなかったという人は多いと思いますが、そのほとんどの治療が割と刺激量の多い治療である事が多いと思います。
逆に、優しく弱い刺激で行う治療であれば、治療行為が負担になりませんので改善する可能性があります。
弱い刺激の治療を行っている治療院は、あまり多くはないと思いますが、もしよろしければこのページで書かれている事を治療院選びの参考にして下さいね。
もしどこに相談していいか分からない、どこに相談してもダメだったという人は一度私にお気軽にご相談して下さいね。
どこに行っても治らないしつこい肩こりや、頚椎から発生している症状の治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
なかなか治らないしつこい肩こりの症状の正体は、頚椎症や頚椎ヘルニアの初期症状の可能性が高いと私が考える一番の根拠は、そういった肩こりのような症状に頚椎症や頚椎ヘルニアに使うような優しい治療を行うと改善する事が非常に多いという実体験からきています。
この部分は文章だけでは何の証明も出来ませんので申し訳ないんですが、このページで書かれている内容が少しでもみなさんのお役に立てれば嬉しく思います。
以上で「洗い物や読書時など下を向く時に肩こりの人が気をつける事」のページの説明を終了させていただきますが、下記に肩こりに関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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