肩こりの症状でお悩みの人の話を聞いていると
「先生、私は肩こりがひどくて仰向けや横向きで寝れないんですが」
といった話をよく聞きます。
単刀直入に言えば、仰向け、横向きに関わらず寝ている姿勢が辛くて寝れないという症状が発生している場合、その症状はただの肩こりじゃない可能性が非常に高いと思います。
そこでこのページでは、仰向けや横向きで肩こりが辛くて寝れないという症状の正体についての説明と、仰向けや横向きでの寝方について説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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単なる肩こりで寝れないほどの痛みが出る事は考えにくい
冒頭でも少し触れたように、そもそも単なる肩こりが原因で、寝れないほど強い痛みが発生する事は考えにくい現象です。
通常の肩こりはどんなに強い症状を発生させていたとしても、その正体は単なる血行不良から疲労物質が溜まって発生する筋肉痛です。
筋肉の痛みというのは、基本的には筋肉を動かした時や負担をかけるような行為をしない限りは発生しにくい痛みです。
例えば肩こりであれば、首を支える動作の負担が関わっている可能性が高く、立っている時やデスクワーク時などのように、重力に対して首を一定の位置に固定する事などが大きな負担になっています。
しかし寝ている時というのは、一般的には首にかかる負荷はそう大きくありません。
(仰向けであっても横向きであってもです)
つまり寝ている時のような安静時に、ただの筋肉痛である肩こりの症状が寝れないほどの痛みを発生させるなんて事は、通常ではあり得ない事ですので、こういった症状を発生させる場合は単なる肩こりが原因じゃない可能性が高いんです。
こういった夜も寝れないような症状の正体で一番可能性が高いのは頚椎症や頚椎ヘルニア、ストレートネックなど、首の骨や変形によって近くの神経を圧迫して発生している神経痛だと思います。
頚椎症や頚椎ヘルニアとは、首の骨や軟骨が変形する事によって近くの神経を圧迫し、その神経が支配している領域に痛みや痺れなどの症状を発生させる疾患です。(必ずしも痺れが発生する訳ではありません)
頚椎症や頚椎ヘルニアの場合は、首の骨の変形部分に常に強い炎症が発生しており、炎症は近くの神経を興奮させて感覚を過敏にさせる特徴を持っています。
感覚が過敏になると、普段であれば負担になりにくい動作や姿勢でも痛みが発生しやすくなります。
つまり、頚椎症や頚椎ヘルニアの症状の場合は、通常では負担になりにくい寝ているだけの姿勢でも痛みが発生しやすい疾患なんですね。
むしろ寝ている時に首や肩、背中や腕に痛みが発生する場合は、ただの肩こりが原因ではなく、高い確率で頚椎症や頚椎ヘルニアの可能性が高いと考えた方が合理的です。
楽な寝方や姿勢に正解はない
上記では仰向けや横向きで寝た時に痛みが発生する肩こりの場合は、頚椎症や頚椎ヘルニアが関わっている可能性が高いという説明をさせていただきました。
ここからは夜痛くて寝れない人向けに、仰向けと横向きでの楽な寝方や姿勢についての説明をさせていただきますね。
いきなりですが結論を先に言わせていただきます。
万人に共通して楽な寝方、姿勢などは存在しません。
ふざけるな!と怒る人もいらっしゃるかもしれませんが、これが真実です。
夜眠れないほど強い症状を首や肩や背中に発生する場合の原因は、ただの肩こりではなくて頚椎症や頚椎ヘルニアなど、首の骨の変形による神経圧迫が関わっている可能性が高い事を、上記では説明させていただきました。
こういった頚椎症や頚椎ヘルニアによって発生する症状の場合は、その神経を圧迫している場所や角度によって、症状の発生に非常に個人差が大きいのが特徴的です。
その神経を圧迫している場所によっては仰向けで寝るのが楽な人もいれば、仰向けがしんどいという人もいます。
横向きに寝るのが楽な人もいれば、横向きがしんどいという人もいます。
普通では考えにくい現象ですが、うつ伏せだけが唯一楽だとおっしゃる人もいます。
さらに言えば、仰向けでは楽な枕の高さでも、横向きになると同じ枕でもしんどくなるという人もいます。
当然その逆もあり得ます。
もっと言えば、同じ人でも日によって楽な寝方や姿勢がコロコロ変わる人もいます。
もう本当に人によって楽な寝方や姿勢はバラバラなんです。
私も昔から何か共通点はないかと、患者さんそれぞれの特徴をメモしたりして調べたりもしましたが、その結果私が得た結論は一つです。
楽な寝方や姿勢の正解は存在せず、その人に合うか合わないか、それが全てです。
そのため、患者さんには自分に合った楽な寝方を探してもらわなければいけません。
ここからは絶対的な正解を示す事は出来ませんが、仰向けと横向きで「こうしたら楽になる可能性が高いよ」という寝方をそれぞれ説明しますので是非参考にしてください。
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仰向けで寝るのがマシな人の場合
まずは仰向けで寝る人用の寝方についてです。
枕の高さに関しては、自分に合った枕が存在しないなら、ご自分でバスタオルなどで高さを調節して枕を作ってください。
そして、枕よりも低い高さのバスタオルかクッションを、背中にひいてください。
(薄手のタオルぐらいの厚みで結構です)
個人的には、肩甲骨より下にはひかない事をおすすめします。
首の関節の場合、首の動きと連動して体も同じ方向に動かすと首にかかる負担は少なくてすむ傾向があります。
この場合は枕によって首の高さだけを上げるのではなく、それに連動して背中の高さも上げてあげると症状が楽になる人がいます。
(軽く背中を丸めて下を見るような姿勢です)
しかし、肩甲骨より下にクッションやバスタオルをひいてしまうか、高すぎるクッションを引いてしまうと首に後屈(上を見上げる動作)の負担がかかってしまうため気をつけてくださいね。
上を極端に見上げる動作は首の骨の関節の構造上、最も神経を圧迫する動きですので負担が大きくなる可能性もあります。
こういった方法の仰向けであれば楽に寝れる人もいますが、痛みが強く発生するのであれば無視して自分が一番楽と感じる姿勢を模索して下さいね。
横向きで寝るのがマシな人の場合
次に横向きで寝る姿勢についての説明をさせていただきます。
枕の高さに関しては、自分に合った枕が存在しないなら、仰向けと同様にバスタオルなどでご自分で高さを調節して作ってください。
そして、座布団やクッションを自分の胸の前に置いて、その上に腕を置いてください。
(座布団に置く腕は、横向きになった時に上側にある片腕です)
これで終了です。
頚椎症や頚椎ヘルニアから発生する肩こりの症状の場合は、首にかかる負担によって症状が重症化します。
本来であればあまり気にする事はありませんが、腕にも一定の重みが存在しており、その腕の重さは肩甲骨を介して首にも負担として伝わっています。
こういった腕のちょっとした重さでも負担になってしまうため、座布団やクッションの上に腕を置いて腕の重みを座布団に預けるだけでも症状が軽減する場合があります。
この場合の座布団やクッションの高さも、楽な高さは人それぞれですので色々試してみてください。
個人的には、ホームセンターで売っている長方形の長座布団をぐるぐる丸めて使うと便利です。
(実際に私も治療で利用しています)
ただし、仰向けの寝方と同様に効果には個人差がありますので、イマイチと感じた時はご自分が楽だと感じる姿勢を模索して下さいね。
まとめ
最後に大事な事をもう一度言わせていただきますね。
このページでは色々な事を説明させていただきましたが一番大事なのは、あなたが楽だと感じるかどうかです。
どんなに変な高さや形の枕であろうが、どんなに変な寝方や姿勢だろうが、あなたが楽だと感じるならそれが正解です。
逆に、私やお医者さんも含めて、他人がアドバイスした内容でも、あなたがしんどいと感じた事は出来るだけ避ける様にしてください。
また、このページでも説明していますが、こういった夜も寝れないような痛みがただの肩こりで発生するという事は考えにくい現象です。
高い確率で頚椎に何らかの問題が関わっている可能性が高いと思いますので、出来るだけ早く信頼できる病院や治療院に相談するように心がけて下さい。
もしどこに相談していいか分からない、どこに相談してもダメだったという人は一度私にお気軽にご相談して下さいね。
どこに行っても治らないしつこい肩こりや、頚椎から発生している症状の治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
以上で「仰向け、横向きで肩こりが強く感じる時は要注意」のページの説明を終了させていただきますが、下記に肩こりに関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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