肩こりでお悩みの人の話を聞いていると、「先生、腕立て伏せや筋トレをすれば肩こりってマシになるんでしょうか?」という質問をたまにいただきます。
こういった質問をされる場合、筋肉を鍛えれば肩こりはなりにくくなるのか?という疑問と、筋トレという運動行為そのものに肩こりを改善する効果があるのか?という2つの疑問が合わさった質問になっていると思います。
肩こりの症状に関わらず、筋肉を鍛える事によって痛みや症状を抑えるといった考え方は世の中に広まっていると思いますが、私はこういった考え方には少し疑問を持っています。
そこでこのページでは、筋トレや腕立て伏せは肩こりの症状に有効なのかどうかについての説明と、筋肉を鍛える事によって肩こりの症状が発生しにくくなるのかについて説明させていただきますね。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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筋肉を鍛えれば肩こりを感じにくいという事はない
冒頭でも簡単に触れましたが、私は筋肉を鍛えれば肩こりを感じにくくなるという考え方には疑問を持っています。
もしこういった事が正しいのであれば、何故子供で肩こりで悩む人は少ないんでしょうか?
もし負担に対して筋肉が弱い事が原因で肩こりを発生させているのであれば、小さい子供や小学生ぐらいの年代にもっと肩こりを訴える人がいてもおかしくないはずです。彼らは一般的な老人よりも筋肉量は少ないはずですから。
また、こういった話をすると子供は肩こりの原因になるような負担が少ないとおっしゃる人もいます。しかし本当にそうでしょうか?最近では長時間テレビゲームや漫画を読む子供もたくさんいますし、そもそも学校で一日何時間も椅子に座って勉強をする行為というのは、大人からすればデスクワークみたいなものです。
しかし実際には、子供で肩こりの症状を訴える人はそう多くありません(0ではないと思いますが)
こういった事からも分かるように、筋肉を鍛えれば肩こりを感じにくい、肩こりになりにくいという考え方は間違っていると思います。
そのため、肩こりを筋肉を鍛える事で改善しようと考えるのであれば、筋トレや腕立て伏せといった行為もあまり意味はないのかも知れません。
単純な肩こりであれば運動をすれば改善する
肩こりの原因は血行不良から発生している筋肉の過緊張が主な原因だと考えられています。
つまり血行を促進するような事をすれば、肩こりは改善してくれる可能性が高いという事になる訳ですね。人間の血行を促進する方法の中で、最も効果の高い方法と言えば運動をする事で間違いないでしょう。
運動をすれば当たり前ですが筋肉が動きます。筋肉が動けば、その動いた筋肉に栄養や新鮮な酸素を届けるために血がいっぱい集まります。動いた筋肉に血が体中から集まる事によって、当然血行は大きく促進されるわけですね。
肩こりの原因は血行不良ですので、運動を行って血行が促進されれば多くの肩こりは改善するはずです。
しかし、運動にもいくつか種類があります。
ウォーキングやランニングなどの運動は常に「動き」が発生していますので、非常に血行促進効果も高く肩こりにも有効な可能性は高いと思います。
しかし、何か重たい荷物を持ち続けるなどの動作のように、肩や腕の位置があまり動かずに一定の位置を保ち続けようとする動作に関しては、逆に肩こりになりやすい運動でもあります。
人間の筋肉というのは、動く事によってポンプのように血を体中に動かす用途も存在しており、重たい荷物を持ち続けるように筋肉の動きの少ない運動では、疲労だけが溜まり血行があまり促進されません。
そのため、筋トレや腕立て伏せもやり方によっては肩こりの症状にとって逆効果になってしまいます。
もし筋トレや腕立て伏せという運動で肩こりの改善を試みるのであれば、出来るだけ腕や背中や肩が実際に動くように意識して下さい。
具体的に言えば、腕立て伏せの負荷を上げるためにゆっくり行う人も多いと思いますが、肩こりを改善する目的で行うのであれば、出来るだけ早く行った方が良いと思います。
他の器具などを使う筋トレも同様です。
ただし、もし肩こりの改善を目的に運動をするのであれば、筋トレや腕立て伏せよりもウォーキングなどの有酸素運動の方がオススメだと思います。
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運動を行って肩こりが改善しないのであれば、頚椎症(けいついしょう)や頚椎ヘルニアを疑うべき
上記でも説明させていただいたように、肩こりは血行不良が大きな原因の一つでもありますので、運動を行って血行を促進すれば多くの肩こりは改善するはずです。
しかし、もし運動を行っても改善しないのであれば、その肩こりのような症状の正体は肩こりじゃない可能性が高いと思います。
そんな時、最も可能性が高い疾患は頚椎症や頚椎ヘルニアから発生している神経痛でしょう。
頚椎症や頚椎ヘルニアとは、首の骨や軟骨が変形する事によって近くの神経を圧迫し、その神経が支配している領域に痛みや痺れなどの症状を発生させる疾患です。
また、軽症から重症例までの症状がかなり幅広く、重症であれば夜も疼いて寝れない、握力がなくなって手や腕や首を動かせないなどの症状を発生させる事もありますが、軽症であれば肩こりに似た痛みや筋肉の張り感だけを感じる場合もあります。
このように重症であれば、ただの肩こりでは考えられない症状を発生させますので分かりやすいんですが、頚椎症や頚椎ヘルニアなどで症状が発生していたとしても、軽症であれば肩こりに近い症状を発生させますので分かりにくいんですね。
少し極論かも知れませんが、本来の肩こりという症状はそこまで長引いたり、強い痛みを発生させる疾患ではないと思いますので、どこに相談しても治らない肩こりや、運動をしても改善しない肩こりの症状の多くは、この頚椎の問題が関わっている可能性が高いと思います。
頚椎症や頚椎ヘルニアから発生している症状なのであれば、筋トレや腕立て伏せは逆効果になる事もあり
このページでは筋トレや腕立て伏せと肩こりについて説明させていただいていますが、そもそも、あなたの症状が肩こりではなくて頚椎症や頚椎ヘルニアから発生している神経痛なのであれば、筋トレや腕立て伏せは症状を逆に悪化させてしまう可能性もあります。
首の骨や軟骨に変形がある人にとっては、腕立て伏せなどの筋トレの負担は大きすぎるんですね。
そのため、もし筋トレや腕立て伏せなどを行って症状が悪化する場合は、すぐに運動を中止する事と頚椎の問題を疑うようにして下さい。
頚椎症や頚椎ヘルニアであっても、初期であれば異常なしと診断される事が多い
もし頚椎症や頚椎ヘルニアを疑った場合、病院へ行ってレントゲンやMRIなどの画像検査をされると思いますが、初期の頚椎症や頚椎ヘルニアの場合は「異常なし」と診断される事も決して珍しくありません。
お医者さんの診断基準はどうしても手術をするべきかどうかで判断される事が多く、首の骨や軟骨の変形、神経の圧迫などの問題点があったとしても、手術するほどの大きい問題じゃなければ「異常なし」と言われる事が多いんですね(こういった事は実際にお医者さんに聞いた事のある話です)
そのため、異常なしと言われたとしても本当に異常がないとは限らないんですね(決してお医者さんを否定するつもりはありませんが)
頚椎症や頚椎ヘルニアから発生している肩こりの症状なのであれば、弱い刺激で行う治療が効果的
もしあなたが現在感じている肩こりの症状が頚椎症や頚椎ヘルニアが原因で発生しているのであれば、残念ながら一般的な整骨院などで行われているマッサージや治療では改善しにくい症状のはずです。
実は頚椎症や頚椎ヘルニアの症状は非常に治療が難しく、お悩みの人が非常に多い疾患でもあります。
頚椎症や頚椎ヘルニアのように、首の骨や軟骨の変形などが症状に大きく関わっている場合、その周辺には常に強い炎症が発生しています。
炎症は近くの神経を興奮させて、感覚を過敏にさせる特徴を持っています。感覚が過敏になると、簡単に言えば少しの負担やちょっとした動作でも痛みを感じやすくなってしまうんです。
つまり、こういった症状の方にマッサージやバキボキするような、比較的強い刺激で行う治療を行うと、あまり効果がない所か逆効果になってしまう可能性があるんですね。
(この炎症による神経の過敏性が腕立て伏せなどの筋トレを行って、症状が悪化しやすい理由でもあります)
どこの治療院やマッサージに通っても改善しなかったという人は多いと思いますが、そのほとんどの治療が割と刺激量の多い治療である事が多いと思います。(そちらの方が患者ウケは良いと思いますので)
逆に、優しく弱い刺激で行う治療であれば、治療行為が負担になりませんので改善する可能性があります。
頚椎症や頚椎ヘルニアのように、骨や軟骨の変形や神経の圧迫が痛みに大きく関わっていたとしても、その症状には筋肉の緊張状態や炎症の有無も痛みにはかなりの部分で関わっています。
強い刺激で行う治療では、強い炎症による過敏性が邪魔をして改善する可能性は低いと思いますが、弱い刺激で行う治療であれば、しっかり首周辺の筋肉を動かし、血行を促進する事が出来れば炎症や筋緊張は軽減して症状が改善する事も珍しくありません。
弱い刺激の治療を行っている治療院は、あまり多くはないと思いますが、もしよろしければこのページで書かれている事を治療院選びの参考にして下さいね。
もしどこに相談していいか分からない、どこに相談してもダメだったという人は一度私にお気軽にご相談して下さいね。
どこに行っても治らないしつこい肩こりや、頚椎から発生している症状の治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
以上で「筋トレや腕立て伏せは肩こりに有効か?悪化する可能性も」のページの説明を終了させていただきますが、下記に肩こりに関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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