脊柱管狭窄症の症状でお悩みの人の話を聞いていると
「先生、私は車を運転していたり乗車していると脊柱管狭窄症の症状が悪化してしまうんですが、何か良い方法はないでしょうか?」
といった質問をよくいただきます。
このように車に乗っていて脊柱管狭窄症の症状が悪化する事は珍しくなく、その為お困りの人も非常に多いと思います。
そこでこのページでは、車の運転中に脊柱管狭窄症の人が気をつけたい注意点について説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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車の運転で脊柱管狭窄症の症状が悪化する理由
ご存知の人も多いと思いますが、脊柱管狭窄症とは神経が通っている脊柱管の変形によって中の神経を圧迫してしまい発生する疾患です。
人によって脊柱管狭窄症が発生している部位は異なりますが、腰周辺に発生している人が多い事から腰の関節への負担が大きければ大きいほど重症になりやすいという傾向があります。
つまり、腰に負担をかければかけるほど症状は悪化してしまう訳です。
車の運転というのは当たり前ですが、長時間にわたって座る姿勢をとらなければなりません。
座っている時は一説によれば、立っている時の何倍もの圧力が腰に加わるとも言われています。
こういった強い圧力が腰に加わる事によって脊柱管狭窄症の症状は悪化してしまう訳ですね。
脊柱管狭窄症の人が車の運転中に注意したい点や対処法について
ではどうすればいいのか?
座った時に腰部に圧力が集中しにくい座り方をすればいいんです。
実はそんなに難しい事ではありません。
大事な事はただ一つだけです。
座席に座った時に、足のつま先の方向を必ず「揃えない」様にする事
簡単に言えばたったこれだけです。
逆に言えば両足のつま先の方向が揃っている状態の座り方は、腰にとって負担の大きい座り方とも言えます。
座っている時に両足のつま先の方向を揃えないでバラバラにすると、腰にとって負担が少ない理由をここから説明させていただきますね。
先ほども説明させて頂きましたが、座っている時というのは立っている時に比べると腰椎にかかる圧力は何倍にもなります。
座席に座っている以上、この腰椎にかかる圧そのものを消す事はできません。
しかし、一か所に集中している圧を分散する事は可能です。
どんな楽な体勢であっても、ずっとその状態を維持し続けるのは大きい負担になります。
座っている場合で言えば腰椎への圧力がこの負担になります。
例えば立っている時にしんどくなれば、無意識に重心や体重のかかっている位置を変えて、同じ個所に負担がかかりすぎないように動きます。
寝ている時も同様で、無意識に寝返りなどで重心や体重が特にかかっている位置を変化させる事によって症状の悪化を防ぎます。
座っている時もしんどくなってくると、足の位置を無意識に変える事によって一か所に圧が集中する事を防ごうとしているはずです。
しかし、座っている時につま先の方向が同じ方向(前)に揃っていると、どんなに足を動かしても重心の位置の変化は小さくなってしまいます。
これは人間の体の構造上、つま先の方向に重心が移動しやすい様につくられているからなんですね。
足関節、膝関節、股関節は連動して動きますので、つま先が外に向けばそれに連動して膝や股関節の方向も外に向きます。
足関節、膝関節、股関節を含めた下肢の向きが外に向けば、当然重心の位置もそちらに変化します。
こういった動作によって、1か所に圧が集中する事を防ぎ重心の位置を分散する事が可能になる訳ですね。
車の運転の場合の方法を具体的に説明させて頂きます。
右足は必ずアクセルかブレーキを踏まなければいけませんので、つま先は真っ直ぐ前に向いていると思います。
「両足のつま先の方向を揃えない」事が正解ですので、車の運転の場合は左足のつま先を助手席方向に向けて置いて下さい。
膝を軽く曲げて、足はご自分の近くに置いた方が楽だと思います。
たったこれだけです。
是非試してみてくださいね。
(残念ながら、この方法はミッション車には適応しにくいかもしれません)
車のシートを工夫する事によって脊柱管狭窄症の症状が楽になる事もある
また、車によって差はあるのですが、中には座席の椅子が腰に負担が入りやすい悪い形をしている車もあります。
簡単に言うと、背もたれ側が少し下に落ちている形のしている座席は腰に負担が大きいので気をつけて下さい。
そういった座席に座ると必ずお尻が後ろ下方向に引っ張られます。
その影響によって重心は後方に下がってしまいます。
リクライニングシートの様な形で完全に後ろにもたれた状態なのであれば、その姿勢は腰にとって悪くないのですが、車を運転する場合は必ず手でハンドルを握らなければいけません。
人間の関節はてこの原理で動いていますので、作業をする場所と重心の位置が遠くなってしまうとその支点になる部分に大きい負担がかかってしまいます。
簡単に言えば、重心が後ろに下がった状態で運転すると腰への負担が大きく、脊柱管狭窄症にとっては良くないんですね。
もしご自分が乗っている車の座席がそういった形なのであれば、ホームセンターなどでも売っている薄いクッションを、座席の後ろの方にひいてできるだけ座る角度が平らになる様にして下さいね。
こういった事を気をつけていただければ、車の運転中の負担を減らす事が出来るはずです。
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まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきますね。
脊柱管狭窄症の人が車の運転時に気をつける事は主に次の2点です。
1 座っている時に両足のつま先の方向を揃えない。
2 シートの角度を出来るだけ平らにするようにクッションなどで調節する。
こういった事を気をつけていただければ脊柱管狭窄症の症状の悪化を防ぐ事に役立つと思います。
ただし、あくまでも体への負担を減らせるというだけで、完全に消し去る事は出来ません。
脊柱管狭窄症の症状が重症化していれば、こういった工夫や努力も無駄になるほど症状が強くなっている可能性もあります。
そのため、できるだけ長時間の運転はやはり控える様にして下さい。
また、脊柱管狭窄症の痛みがなかなか改善しない場合は出来るだけ早く病院や治療院にご相談して下さい。
どこに相談して良いか分からない、どこに行ってもダメだったという人は、一度遠慮なく私にご相談してくださいね。
症状によっては限界もありますが、私は脊柱管狭窄症の治療をそれなりに得意にしていますので。
以上で「車の運転中に脊柱管狭窄症の人が気をつけたい注意点」のページの説明を終了させていただきますが、下記に脊柱管狭窄症に関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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