頚椎症や頚椎ヘルニアの症状でお悩みの人の話を聞いていると
「自転車に乗ると症状が悪化する事が多いんですが何故でしょうか？」
といった質問をよくいただきます。
頚椎症や頚椎ヘルニアの患者さんの中には自転車に乗ると症状が悪化してしまう人が多いので、その理由について興味のある人は多いと思います。
そこでこのページでは、頚椎症や頚椎ヘルニアの人が自転車に乗ると症状が悪化してしまう理由と自転車に乗る時の注意点について説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です（ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます）
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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頚椎症や頚椎ヘルニアが自転車で悪化する理由
ご存知の人も多いと思いますが、頚椎症や頚椎ヘルニアは首の骨や軟骨が変形して近くの神経を圧迫して発生する疾患です。
そのため首の関節に大きな負担が加わると頚椎症や頚椎ヘルニアの症状は悪化しやすい傾向があります。
実は自転車という乗り物は皆さんが思っている以上に首の関節にとって負担が大きい条件が揃っているんです。
そこでここからは、頚椎症や頚椎ヘルニアの人が自転車に乗ると悪化してしまう理由を三つ説明しますので興味のある人は是非参考にしてください。
① 自転車に乗っていると首が上下に揺れやすい
首の関節は顔を上に向けたり顎を上げるような動作が最も負担が大きい動作の一つと考えられています。
これは顔を上に向けたり顎を上げる姿勢や動作が、首の関節の構造上最も神経を圧迫しやすい姿勢や動作だからです。
頚椎症や頚椎ヘルニアは首周辺の神経圧迫が原因で発生する疾患なので、神経を圧迫しやすい姿勢で症状が悪化しやすいんですね。
単純に顎を上げた姿勢が大きな負担になる事が多いんですが、実は首が上下に揺れる動作でも頚椎症や頚椎ヘルニアは悪化しやすいという特徴があります。
上下に首が揺れるという事は、勢いをつけて顔が上に向いたり顎が上がる動作が加わるという事になります。
そのため、首が上下に揺れる動作は単純に顔を上に向けていたり顎を上げる姿勢よりも負担が大きくなるケースが多く、頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が悪化しやすいんです。
例えば、歩くのは大丈夫だけど小走りやランニングやジョギングなど走ると頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が悪化してしまう人は珍しくありません。
これは走る時に発生する飛び跳ねる動きが首を上下に揺らしてしまっているからなんです。
もしくはダンスや踊りなどでジャンプしたりすると首が上下に揺れてしまい、その影響で頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が悪化してしまうケースも珍しくありません。
このように頚椎症や頚椎ヘルニアの人にとっては、首が上下に揺れる動作は負担が大きく症状を悪化させやすい動作なんです。
そして、自転車という乗り物は他の乗り物と比べて首が上下に揺れやすい特徴があります。
自転車の場合は歩道と車道の境目などを通る時の段差で大きく首が上下に揺れたり、信号を渡る時などでも横断歩道と歩道の境目の段差で大きく揺れてしまうケースが多いんです。
車やバイクのようにずっと車道を走っている場合は、道の影響でガタガタ縦に揺れるケースは少ないので揺れる影響で症状が悪化する事はあまり多くありません。
自転車でもずっと車道を走っていれば首が縦に揺れる影響が少ないかも知れませんが、それはそれで危ないのであまりオススメもできないですよね。
つまり普通に自転車を乗っている場合は、どうしても他の乗り物と比べて首が上下に揺れやすい条件が多いので頚椎症や頚椎ヘルニアの症状は悪化しやすいんです。
② 肘が伸びきった状態でハンドルを握っている
当然ですが自転車に乗る時はハンドルを両手で握って運転すると思います。
サドルの高さや自転車の形状によって変わってくる話ではありますが、このハンドルを握っている時に肘が伸び切っていると頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が悪化しやすい傾向があるんです。
肘が伸びた状態でハンドルを握ると何故症状が悪化してしまうのかについて説明させていただきます。
人間の関節の多くは「てこの原理」の特徴を利用して力を発生させる構造をしています。
「てこの原理」は体重が最も偏っている重心の位置から作業をする場所が遠ければ遠いほど負担が大きくなり、重心の位置と作業をする場所が近ければ近いほど負担は少なくなる特徴を持っています。
もっと簡単に説明すると、何らかの手作業をする時は自分から遠い位置で作業をすればするほど負担は大きくなるという事です。
この関節の「てこの原理」の特徴による影響は結構大きく、例えば物を持ったり運ぶ作業を自分から遠い位置で行っている人は頚椎症や頚椎ヘルニアの症状は悪化しやすかったりします。
もしくはデスクワークなどをする時でも、捜査するキーボードやマウスが自分から遠い位置で作業をすると頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が悪化しやすかったりするんです。
作業をする時に肘が伸びているという事は、自分がいる場所から遠い場所で作業をしているという事なので首の関節への負担が大きく、そのため頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が悪化しやすくなってしまうんですね。
自転車に乗っている全ての人に当てはまる話ではありませんが、自転車やハンドルの形状やサドルの高さや運転中の姿勢などによっては、ハンドルを握っている時に肘が伸びてしまっているケースがあります。
このように肘が伸びた状態でハンドルを握っていると頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が悪化しやすいので注意して下さいね。
③ 顎を上げた姿勢で自転車に乗っている
先ほども説明しましたが、極端に顔を上に向けた姿勢や顎を上げた姿勢は首の関節にとって負担が大きいです。
そのため、極端に顎を上げたような姿勢で自転車を運転すると頚椎症や頚椎ヘルニアの症状は悪化しやすいんですね。
全ての人に当てはまる話ではありませんが、自転車の形状や運転している時の姿勢によっては顎を極端に上げた姿勢になる事もあるので注意が必要なんです。
一番多いのはロードバイクなどかなり速度が出るタイプの自転車に乗っている場合になります。
ロードバイクを運転する時はかなり前傾姿勢になり、その姿勢のまま前方を見るのでどうしても顎が極端に上がった姿勢になってしまうので頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が悪化しやすいんです。
ロードバイクじゃなくても、自転車の形状やサドルの高さや位置によっては強い前傾姿勢になってしまう事もあるので、自転車になる時は極端な前傾姿勢にならないように注意しましょう。
ただし、自転車の形状によっては少し前傾姿勢にならないとハンドルを握る腕や肘が伸びきってしまう事もあります。
先ほども説明しましたが、肘が伸びきった状態でハンドル操作を行うのはあまり良くありませんので、肘が伸びないようにと顎が上がらないように極端な前傾姿勢にならないバランスが重要になります。
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頚椎症や頚椎ヘルニアの人が自転車に乗る時の注意点
ここまでは頚椎症や頚椎ヘルニアの人が自転車に乗ると症状が悪化してしまう理由について説明させていただきました。
ここからは、頚椎症や頚椎ヘルニアの人が自転車に乗る時の注意点について説明させていただきます。
自転車に乗ると症状が悪化してしまう理由を三つ紹介しましたが、その中で最も症状を悪化させてしまう理由として大きいのは、首が上下に揺れてしまう事だと個人的には思っています。
自転車を運転している時に首が上下に揺れないように通る道を選んだり、もしくは体が揺れる事を予想して身構えたりすれば負担を軽減する事は出来るかも知れません。
ただし、自転車に乗っている以上は他の乗り物と比べると首が上下に揺れてしまう動作や姿勢を完全に防ぐ事は出来ません。
そのため、もし自転車に乗らなくても日常生活を送る事が出来るのであれば、頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が落ち着くまでは自転車には乗らない方が良いです。
やっぱり症状が悪化するという事はその人にとって負担が大きいという事なので、避けれるのであれば避けた方が良いんですね。
どうしても自転車に乗らなければ行けないのであれば、出来るだけ首が上下に揺れないような意識を持って運転するようにして下さい。
具体的には、少し危ないですが車道を走った方が自転車が上下に揺れるケースは少なくなると思います。
歩道と車道とのつなぎ目の段差を走行する時は、首が上下に大きく揺れないように立ちこぎをして揺れの影響を股関節や膝で吸収するようにしましょう。
完全に首が上下に揺れる事を防ぐ事は出来ませんが、首を上下に揺らしてはいけないという意識を持っているだけでも負担は軽減できるので忘れないで下さいね。
さて、頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が自転車で悪化する理由は他にも二つあります。
ハンドルを握る腕の肘が伸びきっていないか？そしてもう一つは極端な前傾姿勢の影響で顎が上がっていないか？の二つです。
この二つの注意点に関しては、サドルの位置や高さなどを調節する事によって避けて下さいとしか言いようがありません。
自転車の形状や運転者の体格などによって変わってくる話なので明確な正解が存在しないんです。
肘が伸びきらないようにハンドルを握る姿勢を探してもらい、尚且つ極端な前傾姿勢で顎が上がらないように注意して下さいね。
症状が重症化し過ぎている場合は自転車に乗らない方が良い
頚椎症や頚椎ヘルニアの人が自転車に乗る時の注意点について説明しましたが、最後に一つ重要な事を言わせてもらいますね。
頚椎症や頚椎ヘルニアの症状は重症化すればするほど感覚が過敏になり、本当にちょっとした些細な負担でも症状が悪化しやすくなってしまいます。
そのため、症状の重症度によってはどんなに工夫して自転車に乗っても症状の悪化を防げない事も珍しくないんです。
もっと簡単に説明すると、頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が重症化し過ぎている場合はこのページの注意点もあまり意味がないんですね。
自転車に乗っている以上は首が上下に揺れてしまう負担を完全に排除する事は出来ないので、このページで説明した注意点などを意識しても症状が悪化してしまう場合は、頚椎症や頚椎ヘルニアの症状がある程度重症化している証拠です。
もし心当たりがある場合は、何よりも優先して早めに治療やリハビリを受けるようにして下さいね。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきます。
頚椎症や頚椎ヘルニアは自転車に乗ると症状が悪化しやすい傾向があります。
原因は自転車に乗っている時に首の関節が上下に揺れてしまう事や、ハンドルを握っている腕や肘が伸び切っている事や、 極端な前傾姿勢により顎を上に上げてしまっている事などが大きな負担になっています。
こういった原因を自転車に乗っている時に注意すれば、頚椎症や頚椎ヘルニアの症状の悪化を防げる事もありますが、残念ながら症状が重症化し過ぎている場合はあまり意味がありません。
もしこのページで説明した注意点を意識しても症状の悪化を防げないのであれば、それは頚椎症や頚椎ヘルニアが重症化している可能性が高いので早めに治療やリハビリを受けるようにして下さいね。
ここからは少し営業トークになりますが、私は大阪府豊中市でよしだ柔整治療院という治療院を経営しています。
症状によっては限界もありますが頚椎症や頚椎ヘルニアの治療はそれなりに得意にしていますので、通える範囲にお住まいの方は遠慮なくご相談下さいね。
また、この記事以外にも頚椎症や頚椎ヘルニアに特化した内容の記事をたくさん書いています。
このページの下の方にリンクを貼っていますので、興味のある人は是非ご覧くださいね。
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