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猫背は悪いとは限らない?頚椎症や頸椎ヘルニアと猫背との関係

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頚椎症や頸椎ヘルニアの症状でお悩みの人の話を聞いていると

「先生、私は昔から猫背なんですが、この猫背が頚椎症や頸椎ヘルニアになってしまった原因なんでしょうか?」

といった質問をよくいただきます。

このように猫背は体にとって負担の大きい姿勢と一般的には考えられていますが、私は少し違う考えを持っています。

そこでこのページでは、頚椎症や頸椎ヘルニアと猫背との関係について説明させていただきます。

ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)

医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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猫背=必ず悪いという訳ではない?

世の中では背中を丸める姿勢、いわゆる猫背は悪いという認識が当たり前になっていると思います。

しかし、冒頭でも見出しでも触れているように、私は猫背という姿勢が必ずしも悪いとは考えていません。

人間が体を痛める時というのは、関節の構造上にそぐわない動作が関わった時に発生しやすくなります。

ご存知の人も多いと思いますが、頚椎症や頸椎ヘルニアは首の骨や軟骨が変形して近くの神経を圧迫し、その神経が支配している領域に痛みや痺れを発生させる疾患です。

つまり大元の原因は首の関節にあり、首の関節への負担が大きければ大きいほど症状は悪化してしまう傾向があります。

首の関節に負担のかかる動きと言っても、説明すればキリがないほど大量にありますが、大事な事は「首だけを単独で動かしている姿勢」は避けるべきという事です。

どの関節でもそうなんですが、何か作業をしようとした時に、一つの関節が単独で動くという事はまずありません。

歩行なら、股関節、膝関節、足関節が連動して動きます。

手作業なら、肩、肘、手首、指が連動して動きます。

(手作業の場合は首も連動して動く事も珍しくありません)

逆に言えば、本来はいくつもの関節を連動して動かなければいけない作業で、一つの関節を単独で動かしてしまうとその周辺には大きな負担がかかってしまうんですね。

首で説明すれば、例えば右に顔を向けた時に、首の動きと連動して、体も少し右に向けていれば首への負担は少なくすみます。

逆に、体は全く動かずに、首だけが単独で右に向いてしまうと過度な負担が首に入ってしまいます。

例えば顔を下に向けた時に、首の動きと連動して、背中を丸めるように下を向いていれば首への負担は少なくてすみます。

逆に、体は全く動かずに、首だけが単独で下を向いてしまうと、過度な負担が首に入ってしまいます。

つまり、下をうつむく動作に関しては猫背のように体を丸めた姿勢の方が負担は少ないんです!

猫背の人は下方向で作業をする事においては決して悪い姿勢ではありません。

例えばデスクワークなどではイスの高さを少し高くしたり、机の高さを低くしてパソコンを少し下にうつむくような姿勢で見るように行えば、猫背の人のデスクワークでも首への負担は少なくります。

しかし、猫背は下を見る動作には適していますが、真正面から上を見る動作に関しては体の向きに対して首だけが単独で逆方向に動いてしまい、大きな負担になってしまいます(猫背の人のデスクワークに多いですね)

このように猫背という姿勢は必ず悪い訳ではなく、猫背である事によって適した動作や苦手な動作というものが存在しています。

これは一般的に言われている「背筋をピンと伸ばした綺麗な姿勢」にも同様の考えが通用します。

背筋をピンと伸ばした動作は真正面を見る動作に関しては負担は少なくてすみますが、下を向く動作に関しては首だけが単独で下を向いてしまうため負担は大きくなってしまうんですね。

こういった事からも分かるように、負担の少ない正しい姿勢というのはその動作によって異なり、猫背の姿勢が有利に働く動作もあれば不利に働く動作もありますし、一般的に正しい姿勢と呼ばれている姿勢であっても、負担になりにくい動作もあれば負担になりやすい動作もあるんですね。

つまり、猫背が必ずしも体にとって悪いという訳でもないんです。

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頚椎症や頸椎ヘルニアの患者さんの楽な姿勢はその人によって個人差も大きい

上記では猫背が必ずしも頚椎症や頸椎ヘルニアの患者さんにとって悪いわけではないという説明をさせていただきました。

(猫背が良いか悪いかはその人の行っている動作によって変わります)

そもそも、頚椎症や頸椎ヘルニアの症状は神経を圧迫している場所や角度によって痛む条件が大きく異なるため、人によって楽な姿勢の個人差が大きい疾患でもあります。

神経を圧迫している場所によっては猫背のように背中を丸めている状態が最も楽に感じる場合もありますし、勿論その逆もあり得ます。

背筋をピンと伸ばした綺麗な姿勢であっても、神経の圧迫している場所や角度によっては辛いという人もいますし、その逆もあり得ます。

神経を圧迫している場所によっては、極端に首を横に倒した姿勢や下に俯いた状態が最も楽に感じるという人もおられます。

このように、頚椎症や頸椎ヘルニアの痛む条件は神経を圧迫している場所によって個人差が大きい為、その人にとっての楽な姿勢に正解はありません。

こういった説明をすると

「なら私は普段はどういった姿勢を注意すれば良いんですか?」

といった質問をよくいただきます。

非常に単純で簡単な返答になりますが、あなたが最も楽に感じる姿勢を維持するようにして下さい。

人間の体は正直ですので、楽に感じる姿勢はその人にとって負担は少なく、しんどいと感じる動作や姿勢はその人にとっては負担の大きな姿勢になっているはずです。

もし猫背のように背中を少し丸めている方が楽に感じるのであれば、普段から猫背の姿勢を多用しても問題はないと思います。

むしろ逆に質問ですが、猫背が楽に感じる人が無理やり背筋をピンと伸ばす姿勢を維持するのはしんどくないですか?

先ほども説明しましたが、自分がしんどいと感じる姿勢はその人にとって良い姿勢とは言えません。

(しんどいと感じるという事は何らかの負担が体には加わっているはずです)

勿論、背筋を伸ばしている姿勢が楽に感じる人もおられると思います。

どの姿勢が正解という訳ではありません。

その人の骨格やクセ、神経の圧迫している場所などによって楽な姿勢や体勢には個人差がありますので、もし猫背の状態が楽と感じるのであれば、あなたにとっての正解の姿勢は猫背です。

このページでも説明させていただいたように、動作によっては猫背が必ずしも悪い姿勢という訳でもありませんので、もし猫背を気にしている人はあまり気にせずに自分が楽だと感じる姿勢を維持しましょう。

よく「猫背を治します!」といった宣伝をしている整骨院や治療院を見かける事もありますが、そもそも猫背は必ずしも悪いものではないと思っていますので、無理して治す必要もないかと思います。

(単純に見た目を気にしている場合は別の話になると思いますが)

また、こういったご自分が楽に感じる姿勢が大事だという事は、寝る時の姿勢などにも通用する話です。

頚椎症や頸椎ヘルニアの症状は重症化すると、夜も寝れなくなるほどの強い夜間痛を発生させる事も珍しくなく、その影響で寝る時の姿勢や寝方についてお悩みの人も多いと思います。

この楽な寝方などに関しても、神経を圧迫している場所や角度によって大きな個人差がある為、ご自分が最も楽に感じる姿勢や体勢で寝る事が正解です。

場合によっては抱き枕などを使用して楽に感じる事もありますので、色々工夫してご自分が最も楽に感じる姿勢を模索して下さいね。

まとめ

ここで簡単にまとめさせていただきますね。

猫背という姿勢は行う動作によっては体にとって有利に働く事もあり、必ずしも頚椎症や頸椎ヘルニアの原因となっている首の関節に大きな負担が発生する姿勢ではありません。

また、そもそも頚椎症や頸椎ヘルニアは神経の圧迫している場所や角度によって痛む条件が大きく異なり、神経圧迫の状況によっては猫背の姿勢が楽に感じる事も決して珍しい事ではありません。

そのため、もしご自分が猫背のように背中を丸める姿勢にしんどさを感じないのであれば、猫背の姿勢をあまり気にしなくても良いかと思います。

注意していただきたいのは、このページでは必ずしも猫背が悪い訳ではないという説明をしているだけで、猫背の姿勢をオススメしている訳では決してありません。

猫背の姿勢がしんどく感じ、背筋を伸ばしている姿勢を楽に感じる人も当然おられます。

卑怯な言い方になってしまいますが、頚椎症や頸椎ヘルニアは本当に人によって痛む条件が大きく異なりますので、ご自分が楽に感じる姿勢を優先するようにして下さいね。

また、頚椎症や頸椎ヘルニアの症状は重症化すると、そもそも楽に感じる姿勢が存在しないという人もおられます。

このようにどういった姿勢であっても楽に感じないのであれば、症状が重症化している可能性も高いと思いますので、出来るだけ早く信頼できる病院や治療院に相談するように心がけましょう。

もしどこに相談していいか分からない、どこに相談してもダメだったという人は遠慮なく私にご相談して下さいね。

どこに行っても治らないようなしつこい頚椎の症状の治療に関しては、それなりの自信を持っていますのできっとお力になれると思います。

以上で「猫背は悪いとは限らない?頚椎症や頸椎ヘルニアと猫背との関係」についての説明を終了させていただきますが、下記に頚椎症や頚椎ヘルニアに関連するページのリンクも載せていますので興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。

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