頚椎症や頸椎ヘルニアでお悩みの人の話を聞いていると
「先生、頚椎症や頸椎ヘルニアの症状はカラーなどで首を固定すると楽になるんでしょうか?」
といった質問を稀にいただきます。
腰などのコルセットやサポーターと違って、一般的に首をカラーで固定する事は珍しく、そのため行うべきかどうか悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
そこでこのページでは、頚椎症や頸椎ヘルニアは首のカラーで固定をするべきなのかどうかについて説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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首のカラーやコルセットによる固定の効果は個人差が非常に大きい
見出しでも書いているように、少し卑怯な答えで申し訳ありませんが、首のカラーやコルセットによる固定の効果は人によって非常に個人差が大きい印象を持っています。
首を固定する事によって症状が改善する人もいれば、全く効果が無い人もいますし、場合によっては症状が悪化される人もいるんですね。
ご存知の人も多いかも知れませんが、頚椎症や頸椎ヘルニアとは首の骨や軟骨の変形によって近くの神経を圧迫してしまい、その神経が支配している領域に痛みや痺れといった症状を発生させる疾患です。
つまり大元の原因は首の骨の組織変形であるため、首の関節に加わる負担が大きければ大きいほど症状が悪化する傾向があります。
首を固定する目的は、首を動かした時の負担によって首の症状が悪化する事から、動きを止めて首に加わる負担を軽減させる事を目的にしています。
しかし、人によって首の楽な位置や角度は微妙に異なる為、カラーやコルセットで固定した角度が、必ずしもその人にとって楽な位置に固定出来るかどうかは固定してみなければ分かりません。
特に頚椎症や頸椎ヘルニアは神経を圧迫している場所や角度で、痛む条件や楽な首の位置が人によって大きく異なる事が多い疾患なので、どの位置で固定するのが正解なのか非常に難しいんです。
腰のサポーターやコルセットの場合は、腰の動きはある程度限定的であるため固定しやすいんですが、首の場合は関節の可動域が構造上大きい為に正解が人によって大きく異なってしまうんですね。
そのため、正直に言って首の固定が有効かどうかは患者さんが実際に試して見ないと誰にも分かりません。
ちなみに、首のカラーやコルセットを使用してみて症状が楽になったという人の話を聞いていると、普段から仕事などで長時間に渡って下を見続けるような作業をされている人が多い印象があります。
下を見て作業をする場合は、出来るだけ首だけじゃなく背中も丸めて下を見るようにすれば、首周辺の負担は少なくてすみます。
おそらくですが首を固定する事によって、首だけの動きでは下が見にくくなってしまうため、自然と背中なども丸めて下を見るような動作に変化する事で首への負担が軽減されているんでしょうね。
こういった事からも分かるように、もし普段から仕事や勉強で長時間に渡って下を見続けて首の症状が悪化する人は、カラーやコルセットとの相性は良いかもしれません。
また、車の乗車時などのわずかな揺れで痛みが発生する人の場合も、比較的首の固定が有効に働く患者さんが多い印象を持っています。
車の揺れや歩行時の僅かな首の揺れる動きだけで症状を強く感じる場合は、そもそも頚椎症や頸椎ヘルニアがかなり重症化している可能性が高いと思いますが、こういった症状に心当たりがある人は首のカラーなど固定をする事で症状が軽減する可能性もありますので参考にして下さいね。
逆に、カラーやコルセットを使用してみて症状が悪化したという患者さんの話を聞いていると、コルセットをつけると力が入ってしまい余計に首の症状がしんどくなったという話をよく聞きます。
首の固定は、首の動きを抑制する事によって首の負担の軽減を目的に行われます。
しかし、悪く言えば正常な首の動きの「邪魔」もしています。
普段から首や肩や背中に力が入りやすい人からすれば、一つ一つの動作で邪魔や抵抗感を感じる事によって余計に首や肩に力が入りやすくなってしまうんですね。
必要以上に肩や背中に力が入る事は、首の症状の発生の大きな原因の一つですので、普段から肩に力が入りやすい人は、カラーやコルセットとの相性はあまり良くないかもしれません。
効果には非常に個人差が大きい事ですので、結局は使用してみないと誰にも答えは分からない事ではありますが、首の固定に興味を持っている人は是非参考にして下さいね。
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固定が楽な人でも症状の軽減に伴って固定がしんどくなる事もある
上記では、頚椎症や頸椎ヘルニアの人がカラーなどによって首の固定を行った時の効果は非常に個人差が大きいという説明をさせていただきました。
人によっては逆効果になる事もありますので、結局は首を固定してみてどういった経過を辿るのかを見てみないと分からないというのが正直な本音です。
首の固定が有効に感じる人の多くは、僅かに首を動かしただけでも症状を強く感じる人が多い為、重症例であればあるほど首の固定が楽に感じる人が多い傾向はあります。
しかし、首の固定に関しては注意してほしい事があります。
その注意点とは、仮に首の固定が楽に感じたとしても、途中からしんどく感じるように症状が変化する事も多いという点です。
上記でも軽く説明させていただきましたが首の固定の最大の目的は、首の動きを制限する事によって首を動かした時の負担を感じにくくする事です。
しかし、首の固定はある意味では正常な首の動きを邪魔しているという要素もある行為です。
僅かに首を動かしただけで強い症状が発生している時なのであれば、首の固定が有効に働く事も多いと思いますが、症状が改善してきて首をある程度動かしやすくなってきた場合に感しては、首の固定は正常な首の動きの邪魔をして逆にそれが負担になる事もあります。
実際に、頚椎症や頸椎ヘルニアの症状でお悩みの患者さんのお話を聞いていると、最初は首のカラーで固定する事が楽に感じていたのに、症状が改善するに連れて固定をすると余計にしんどく感じるようになったという話は珍しくありません。
人間の感覚というのは非常に正直な反応を示しますので、しんどく感じるという事はその人にとっては負担の大きい行為であり、楽に感じるのであればその人にとっては負担の少ない良い行為だと思います。
そのため首の固定が楽に感じていたとしても、途中からしんどく感じるように変化したのであればカラーなどによる固定をはずす事を検討した方が良いかと思います。
何だか患者さん任せの頼りない意見に聞こえるかもしれませんが、患者さんが行った行為が体にとって良い事なのか?悪い事なのか?の判断は患者さん自身の感覚や感想が最も参考になりますので覚えておいて下さいね。
また、ここでは「首の固定は最初は楽でも症状の軽減に伴ってしんどくなる事もある」といった説明をしていますが、症状の軽減がなくても固定が途中からしんどくなる事もあります。
頚椎症や頸椎ヘルニアはその日の調子や状態によって、同じ人であっても痛む条件が大きく異なるという事も決して珍しくありません。
例えば頚椎症や頸椎ヘルニアの人にとっての楽な枕の高さについてもよく質問を受ける事が多いのですが、こういった楽な枕の高さなども日によって変化する事も多い印象を持っています。
いずれにしても、ご自身がしんどいと感じる状態はその人にとって決して良い行為とは言えませんので注意して下さいね。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきますね。
頚椎症や頸椎ヘルニアの人が首のカラーなどで固定した時の効果は、人によって非常に個人差が大きく全ての人にオススメ出来る方法ではありません。
首を固定する事によって楽になる人もいますし、逆に症状が悪化するという人もおられます。
少し卑怯な説明になってしまい申し訳ありませんが、その人にとって首の固定が有効なのかどうかは実際に固定してみないと誰にも分からないというのが正直な本音です。
ただし、仮に固定が楽に感じたとしても、頚椎症や頸椎ヘルニアの症状は途中で変化しやすい疾患でもありますので、首の固定が途中からしんどく感じる事も珍しくありません。
いずれにしてももし首の固定を行うのであれば、ご自身が楽に感じるのか?しんどく感じるのか?などご自身の感覚や感想を最優先にして判断して下さいね。
人間の感覚は正直ですので、ご自身が楽に感じるのであれば良い行為と言えると思いますし、しんどく感じるのであればあまり良い行為とは言えないと思います。
また、首の固定を考えなければいけないという事は、そもそも頚椎症や頸椎ヘルニアの状態がかなり重症化している可能性が高いと思います。
頚椎症や頸椎ヘルニアの症状の発生には、筋肉の緊張状態や炎症反応の有無なども大きく関わっていますので、手術以外の施術によって症状が改善する事も決して珍しくはありません。
しかし、頚椎の変形や神経圧迫の重症度によっては手術をしなければ改善しない症状も一定数存在しておりますので、あまりにも症状が強い時は手術も一つの選択肢としてお考え下さいね。
手術をすべき症状なのに手術を嫌がって症状を放置していると、更に色々なリスクが高まりますので。
もしどこに相談していいか分からない、どこに相談してもダメだったという人は一度私にお気軽にご相談して下さいね。
どこに行っても治らないしつこい頚椎から発生している症状の治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
以上で「頚椎症や頸椎ヘルニアは首のカラーで固定をするべきか?」のページの説明を終了させていただきますが、下記に頚椎症や頚椎ヘルニアに関連するページのリンクも載せていますので興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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