頚椎症や頚椎ヘルニアの症状でお悩みの人の話を聞いていると
「デスクワークが楽に感じる椅子や机の高さってありますか?」
といった質問をよく聞きます。
頚椎症や頚椎ヘルニアでお悩みの人の中にはデスクワークが辛い人が珍しくありませんので、楽に感じる椅子や机の高さについて興味がある人も多いと思います。
そこでこのページでは、頚椎症や頚椎ヘルニアの人にとって楽な椅子や机の高さの条件について説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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頚椎症や頚椎ヘルニアの人にとって楽な椅子の高さや机の高さ
ご存知の人も多いと思いますが、頚椎症や頚椎ヘルニアは首の骨や軟骨が変形して近くの神経を圧迫して発生する疾患です。
大元の原因は首周辺での神経圧迫になりますので、首の関節に大きな負担が加わると症状が悪化しやすいという傾向があります。
つまり、椅子に座っている時や机を使用したデスクワークをする時の首の負担が少なければ症状の悪化を防げる訳です。
そこでここからは、出来るだけ首の関節に負担が少なくなる為の楽な椅子や机の高さの条件についてそれぞれ説明させていただきます。
① デスクワークをする場合は低い椅子よりも高い椅子の方が良い
まずは頚椎症や頚椎ヘルニアの患者さんにとって楽な椅子の高さについて説明させていただきます。
椅子に座った状態で何をするのかによっても変わりますが。デスクワークをする場合なのであれば基本的に椅子の高さは低いよりも高い方が負担は少なくなります。
なぜ椅子の高さは低いより高めの方が楽なのか説明させていただきますね。
人間の関節は「てこの原理」を利用してで力を発生させる構造をしています。
「てこの原理」の特徴を簡単に説明すると、作業をする手の位置と体重が最も偏っている重心の位置が遠ければ遠いほど支点にかかる負担は大きくなり、近ければ近いほど負担は少なくなります。
デスクワークをしている時はご自分の前方で手作業をしている訳ですから、体重が最も偏っている重心の位置が後方にあって距離が遠くなると負担は大きくなるという事です。
ここで椅子の高さについて話を戻しますね。
極端に低い椅子に座った場合は、座っている時のご自分の膝の位置がお尻よりも高い位置になってしまう事があります。
座っている時の膝の位置がご自分のお尻よりも高い場所にあると、重心はより低いお尻の方に偏りやすくなります。
お尻に重心が偏ってしまうと前方で作業をしている場所と重心の位置が遠くなってしまい、支点になっている腰や首の関節への負担が大きくなってしまうんです。
こういった理由があるので、デスクワークなどをする時はある程度高めの椅子に座った方が重心の位置が前に寄りやすく負担が少ないんですね。
具体的なオススメの椅子の高さは患者さんの体格や身長によっても変わるんですが、日本人の平均身長を考えれば37センチ以上の高さのある椅子がオススメになります。
これは実際に患者さんに協力してもらって、どういった椅子の高さが重心が後ろに偏りにくいのかを測って確認した事があるんです。
この結果から37センチ以上の高さの椅子であれば、ほとんどの日本人には適していると思います。
37センチ以上の高さの椅子であれば、椅子の低さが原因で頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が悪化する事はないと思います。
逆に言うと、37センチ以下の低い椅子は人によっては負担が大きく頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が悪化する可能性があるので注意して下さい。
ただし、37センチ以上の高さの椅子であれば「椅子の高さによる負担」で症状が悪化する事は少ないというだけで、症状の重症度によっては他の要因で痛みが悪化する可能性はあるのでその部分は注意して下さいね。
また、ある程度高めの椅子に座っても症状が悪化してしまう場合は、更に重心の位置を前方に偏らせる為にクッションなどをお尻の後方だけに敷く事をオススメします。
大事なのはクッションにお尻全体を載せるのでなくて、お尻の後ろ半分だけを載せるという部分です。
こうする事によってお尻で前向きの傾斜がつくられ、重心が更に前に偏りやすくなります。
この方法で椅子に座っている時の症状の悪化が軽減する事も珍しくないので、椅子の高さだけではなくこういった工夫も是非参考にして下さい。
② 楽な机の高さはどの首の角度が痛いのか?に左右される
ここからは、頚椎症や頚椎ヘルニアの人がデスクワークをする時に楽に感じる机の高さについて説明させていただきます。
とは言いながらも、申し訳ありませんが楽な机の高さに関しては正解がなく人によって違います。
そもそも頚椎症や頚椎ヘルニアの症状や痛みが強くなる条件は、神経が圧迫されている場所や角度などの違いで人によって大きく異なります。
同じ頚椎症や頚椎ヘルニアの患者さんであっても、辛く感じる姿勢や楽に感じる姿勢は全然違うんです。
そして楽な机の高さに関しては、どの首の角度が楽に感じるのか?どの首の角度が最も辛く感じるのか?によって変わってきます。
もし顔を少し下に向けている時の首の角度が最も楽に感じるのであれば、机の高さは低めに調節すれば顔を少し下に向けた状態で作業がしやすくなります。
逆に顔を上げていたり首の角度が真正面に近い方が楽に感じるのであれば、机の高さを高めに調節すれば首の角度が真正面に近い位置で作業がしやすくなります。
このように自分にとってどの首の角度が最も楽に感じるかによって楽な机の高さは変わりますので、自分の症状の特徴を把握して机の高さを調節するようにして下さい。
ちなみに、椅子の高さを変える事によって作業中の首の角度を調節する事も可能ですが、椅子の高さが低くなりすぎると負担が大きくなるのでその部分は注意して下さいね。
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頚椎症や頚椎ヘルニアが重症化すると色んな工夫もあまり意味がない
ここまでは楽な椅子の高さや机の高さについて説明させていただきました。
色々と細かく説明しましたが大切な注意点が一つあります。
頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が重症化しすぎている場合は、どんなに椅子や机の高さを調節したり工夫して座っても症状の悪化を防ぐ事が出来ない事も多いんです。
頚椎症や頚椎ヘルニアは重症化すればするほど炎症反応が強くなると考えられています。
炎症反応は近くの神経を興奮させて感覚を過敏にさせてしまう特徴を持っています。
感覚が過敏になると、通常であれば何でもないような弱い刺激や少ない負担でも痛みを感じやすくなってしまうんです。
つまり頚椎症や頚椎ヘルニアの症状が重症化して炎症反応がかなり強くなってしまうと、感覚の過敏性もかなり鋭くなってしまうので本当に少ない負担でも痛みを感じるようになってしまいます。
このページで説明した椅子や机の高さを調節する方法は、負担を軽減する事はできても負担を全くのゼロにする事は出来ません。
そのため、頚椎症や頚椎ヘルニアが重症化し過ぎている場合は、どんなに工夫しても座っている時の症状の悪化を防ぐ事が出来ない事も残念ながらあるんです。
とことん重症化してしまうと、自分の頭の重みを首で支える僅かな負担だけでも症状が悪化してしまう事もありますので、その場合は強く発生している炎症反応を治療やリハビリなどで改善する事を優先して下さい。
頚椎症や頚椎ヘルニアが重症化している場合は弱い刺激で行う優しい治療がオススメ
どんなに工夫をして椅子に座っても辛い状況を防げないのであれば、頚椎症や頚椎ヘルニアがかなり重症化して炎症反応が強くなっている証拠です。
こういった炎症反応の影響で感覚が過敏になっている人の場合は、できるだけ弱い刺激で行う優しい治療が有効になります。
弱い刺激で行う優しい治療が有効と言うよりも、弱い刺激で行う治療じゃないと体が受け付けないという方が正しいでしょう。
炎症反応の影響で感覚が過敏になると、マッサージなどの強い刺激で行う治療は逆に症状を悪化させてしまうケースも多いんです。
そのため、どんなに工夫して椅子に座っても症状が悪化してしまう場合は、炎症反応が強くなっている証拠なので出来るだけ弱い刺激で行う優しい治療を選択するようにして下さい。
あくまでも私の個人的な意見ではありますが、このページが少しでも治療院選びの参考になればありがたいです。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきます。
頚椎症や頚椎ヘルニアの人は椅子の高さが低すぎると座っている時の重心の位置が後方に偏ってしまい、その影響で症状が悪化しやすい傾向があります。
そのためデスクワークをする時の椅子の高さは少し高めの方が負担は少なくなりますし、机の高さはご自分の首の角度がどの角度が楽なのかを確認して調節すれば症状は悪化しにくくなります。
ただし、どんなに椅子の高さや机の高さを調節しても症状が重症化し過ぎている場合はあまり意味がありません。
どんなに工夫して座っても症状が改善しない場合は重症化しているサインなので、出来るだけ早めに信頼できる医療機関で治療やリハビリを受けるようにして下さいね。
ここからは少し営業トークになりますが、私は大阪府豊中市でよしだ柔整治療院という治療院を経営しています。
症状によっては限界もありますが頚椎症や頚椎ヘルニアの治療はそれなりに得意にしていますので、通える範囲にお住まいの方は遠慮なくご相談下さいね。
また、この記事以外にも頚椎症や頚椎ヘルニアに特化した内容の記事をたくさん書いています。
このページの下の方にリンクを貼っていますので、興味のある人は是非ご覧くださいね。
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