頚椎症や頸椎ヘルニアなど、首、肩、背中や腕、上半身に神経痛を発生させる疾患はなかなか症状が改善せずに苦しんでいる人が多い疾患です。
また、人によってはレントゲンやMRIでも明確な神経圧迫の場所が特定できず、症状の原因が不明と言われて困っている人もおられると思います。
こういった事から、首や肩や腕に痛みや痺れが発生する他の病気を疑う人も中にはおられるのではないでしょうか?
そこでこのページでは「頚椎症や頸椎ヘルニアと似た症状や病気」について説明させていただきますね。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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頚椎症や頸椎ヘルニアと似た症状を発生させる他の病気について
まずは簡単に頚椎症や頸椎ヘルニアの説明をさせていただきますね。
ご存知の人も多いと思いますが、頚椎症や頸椎ヘルニアは頚椎(首の骨)の神経圧迫によって発生します。
頚椎から伸びている神経は首や肩、背中や腕など主に上半身を支配している神経です。
そのため頚椎(首の骨)で神経を圧迫してしまうと、その神経が支配している領域に痛みや痺れを発生させてしまいます。
頚椎症や頸椎ヘルニアが上半身に症状を発生させるのは、こういった神経の特徴が関わっているからなんですね。
ただし厄介な事に、上半身に痛みや痺れを発生させる疾患は頚椎症や頸椎ヘルニアだけではありません。
他の疾患でも上半身に痛みや痺れを発生させ、頚椎症や頸椎ヘルニアに似た症状を発生させる事はあり得ます。
そこでここからは頚椎の神経圧迫が原因で発生する頚椎症、頸椎ヘルニアに似たような症状を発生させる疾患の説明をさせてもらいますね。
① 脳梗塞
まずは脳梗塞の説明からです。
ご存知の人も多いと思いますが脳で出血や血栓などによって脳の血管障害を発生させてしまい、片麻痺や痺れを発生させる事で有名な疾患です。
頚椎症や頸椎ヘルニアによって圧迫される神経の中には、痛みなどを脳に伝える感覚神経の他に筋肉を動かす運動神経も含まれているため、症状が重症化すると腕や手に力が入りにくくなったり動かしにくくなったりなどの運動障害が発生する事があります。
つまり、脳梗塞も頚椎症も痺れや運動障害を発生させる可能性のある疾患であり、場合によっては症状は非常に似ているんですね。
そのため、私も過去に脳梗塞の患者さんを頚椎症や頸椎ヘルニアと勘違いして治療した苦い過去があります。
その人の症状は腕や手に発生する痺れと力が入りにくいといった症状でした。
こういった症状は頚椎症や頸椎ヘルニアでもよくある症状なんですよね。
ただしなかなか症状が改善しない事と、少し言語障害っぽい症状がありましたので途中で脳梗塞を疑い病院に行ってもらいました。
結果はやはり脳梗塞でした。
この様に脳梗塞は頚椎症や頸椎ヘルニアと同じように、痺れや手に力が入りにくくなるなどの運動障害が発生する事があります。
(場合によっては痛みを感じる事もあります)
ただし、脳梗塞の特徴である言語障害や嚥下障害(水を飲む時に口からこぼれるなど)の特徴も発生する事が多いので、こういった症状を感じた時は気をつけて下さいね。
② 肋間神経痛
次は肋間神経痛についてです。
先ほども説明させていただいたように、頚椎症や頸椎ヘルニアは頚椎(首の骨)での神経圧迫が原因により上半身に痛みや痺れを発生させる疾患です。
一般的には上半身に痛みや痺れを発生させた場合、まず頚椎症や頸椎ヘルニアを疑うんですが、肋骨周辺やわき腹に出る痛みに関しては胸椎(胸の骨)での神経圧迫によって発生する肋間神経痛の可能性があります。
一般的には首や背中の治療を行えば、この肋間神経痛の症状も改善する事が多いのですが、肋間神経痛の中にはヘルペスウィルスによって痛みを発生させているケースも存在します。
ウィルス性の肋間神経痛は帯状疱疹というブツブツが皮膚に出現しますので、こういった症状を発見した時はすぐに内科に相談して下さいね。
(個人的には皮膚科よりも内科の方がきちんと抗生物質を出してくれる印象がありますのでオススメです)
ヘルペスウィルスによって発生する肋間神経痛は、治療が遅れると強い後遺症が残る事も多い疾患ですので本当に注意して下さい。
余談ではありますが、ヘルペスウィルスによる帯状疱疹は予防接種によって防ぐ事も可能なようですので、興味のある人は一度お医者さんに相談して下さいね。
また、非常に稀な話ではあるのですが、なかなかしつこい肋骨やわき腹周辺の痛みで悩んでいた患者さんが、MRIを撮ってみると悪性の肉腫が見つかった例も今まで1例だけ経験しています。
どういった症状であってもおかしいと感じた時は出来るだけ早く病院で検査を受ける様にして下さいね。
③ 四十肩 五十肩
次は四十肩、五十肩についてです。
四十肩や五十肩は原因が不明ですが肩周辺に強い炎症を発生させ、肩の動きが制限される疾患です。
基本的に痛みは肩周辺に集中する事が多いのですが、夜も寝れない程の強い炎症が発生する人の中には腕や手首にまで痛みを発生させるケースも存在します。
痺れなどを発生させる事はありませんが、四十肩や五十肩でも強い痛みが場合によっては腕や手に発生する事はあり得ますので、稀に頚椎症や頸椎ヘルニアの症状と間違えられる事があります。
また、肩の強い運動制限と激痛は四十肩や五十肩と診断される事が多いのですが、頚椎症や頸椎ヘルニアの症状でも重症化すれば肩や腕を動かせなくなるなどの症状が発生する事もあります。
そのため、本来は頚椎症や頸椎ヘルニアの症状にも関わらず四十肩や五十肩と診断される事が稀にあります。
痺れなどが発生している場合は四十肩や五十肩の可能性は低いと思いますし、首の動きや位置によって症状が発生する場合は頚椎症や頸椎ヘルニアの可能性がありますので注意して下さいね。
④ ガン
次はガンについての説明になります。
ガンは色々な臓器に発生しますが、稀に背中や肩に痛みを発生させる事があります。
痛みは大人が思わず言葉を上げてしまう程強烈なのですが、痛む条件がその時によってバラバラで全く痛みを感じない瞬間もあれば同じ動作で強烈な痛みを発生するなど、不規則的な痛みを発生させるのが特徴です。
(あくまで今まで私が見てきた患者さんの特徴ですが)
中には痺れなど頚椎症や頸椎ヘルニアに似た症状を発生させるガンもありますので、症状だけで判断するのは非常に難しいかも知れません。
全てのガンに当てはまる話ではありませんが、ガンの症状の場合は急激な体重減少などが発生する事も多いので、こういった現象に心当たりがある人は注意した方が良いと思います。
(実際に私が診てきた患者さんでガンによる痛みがあった人の多くは急激な体重減少がありました)
また、ガンによる痛みであっても治療によって一時的に症状が軽減する事はあり得ます。
実際に私の治療で痛みが軽減したけども、その後に検査したらガンが見つかった例がありますので。
しかし、症状が軽減したとしてもガンによる痛みの場合はすぐに症状は再発します。
(当たり前ですが、私の治療にガンそのものを治療する効果はありませんので)
そのため、手技療法など様々な治療によって一時的な効果があったとしても、ガンによって発生している痛みの可能性は十分あり得ますので注意して下さい。
ガンで背中や肩に痛みが発生するという事は非常に稀な事だと思いますが、なかなか改善しない症状なのであれば念のために病院で検査する様にして下さいね。
5 手根官症候群
次は手根官症候群の説明をさせていただきます。
手根官症候群とは、手首を通っている神経のトンネルである手根官を圧迫してしまい、手に痛みや痺れを発生させる疾患です。
重症化すれば夜も寝れない程の痛みを発生し、場合によっては手術しなければいけない厄介な疾患でもあります。
痛みや痺れが発生するという点では、頚椎症や頸椎ヘルニアの症状と非常に良く似ています。
ですが手根官症候群の場合は、痛みや痺れが手首から先で小指以外の手のひら側にしか発生しません。
これは手根官を通っている神経が上記の組織を支配しているからです。
逆に言えば、小指や手の甲側、腕などにも痛みや痺れを発生している場合は手根官症候群ではありません。
頚椎症や頸椎ヘルニアと手根官症候群との判別に使える知識ですので、是非覚えておいて下さいね。
6 心臓の病気
心臓の病気によって肩や背中に痛みが発生する事はあると考えられていますが、この症状は頚椎症や頸椎ヘルニアから発生する背中の痛みなどに結構似ています。
心臓の病気によって背中に痛みが発生していた患者さんは1例しか診た事はありませんが、歩いた後や小走りした後などに限定して背中に痛みが発生するという特徴的な症状を持っていました。
少しおかしな症状でしたので病院で精密検査をしてもらうと、心臓の大部分が詰まっていてもう少し処置が遅れると危なかったそうです。
おそらく運動によって負担が心臓に加わった時にだけ症状を発生させていた為、小走りなどの時に限定して痛みを感じていたんだと思います。
しかし、頚椎症や頸椎ヘルニアの症状であっても、走った後に症状が悪化するという現象は起こりえます。
心臓の病気によって頚椎症や頸椎ヘルニアのような症状を発生していた例は、私は1例しか知りませんのであまり大げさな表現は使いたくありませんが、軽い運動時のみに症状が発生するなどの症状に心当たりがある人は注意して下さいね。
7 筋肉痛や肩こり
最後に単なる筋肉痛や肩こりと頚椎症や頸椎ヘルニアの症状との違いについて簡単に説明させていただきますね。
頚椎症や頸椎ヘルニアの症状であっても、軽症であれば筋肉痛や肩こりに近い張り感などを訴える人は意外と多く、その為に本当は頚椎から発生している神経痛なのに単なる筋肉痛と勘違いしている人は少なくありません。
症状の違いはいくつかあるのですが、一番分かりやすい特徴は症状を感じ始めてからの期間です。
筋肉というのは人間の組織の中では比較的回復力の高い組織ですので、単純に筋肉だけに原因がある筋肉痛や肩こりが長期間に渡って発生し続ける事はまずありません。
筋肉痛は誰もが経験した事のある症状だと思いますが、通常だと2,3日、長引いても1,2週間もすればほとんどの症状は改善するはずです。
つまり、何週間も何ヶ月も症状が発生し続けている場合は、単純な筋肉痛や肩こりの症状では考えにくい現象なんですね。
もし筋肉痛に近い筋肉の張り感であったとしても、何週間も何ヶ月も継続するのであれば頚椎症や頸椎ヘルニアの可能性が高いと思いますので注意して下さい。
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まとめ
以上で私が考える頚椎症、頸椎ヘルニアと似た症状を発生させる疾患の説明は終わりです。
頚椎症や頸椎ヘルニアなどの疾患も非常に厄介な症状ではありますが、命に関わるような疾患ではありません。
怖い事を言うようですけども、このページで説明させていただいた症状の中には命に関わる病気もあります。
首や肩、背中や腕などに痛みや痺れが発生した場合、頚椎から発生している症状である可能性は高いと思いますが、なかなか症状が改善しなかったり、このページでの説明に心当たりがある場合はまずは精密検査を受けるようにしてください。
結果的にそれで異常がなければ喜ばしい事ですので。
また、頚椎症や頸椎ヘルニア自体も非常に厄介な疾患でもありますので、出来るだけ早く信頼できる病院や治療院に相談するように心がけて下さい。
もしどこに相談していいか分からない、どこに行ってもダメだったという人は1度私にお気軽にご相談してくださいね。
頸椎症や頚椎ヘルニア、首、肩、背中、腕や手の神経痛の治療には自信を持っていますので、きっとお力になれると思います。
以上で「頚椎症や頸椎ヘルニアと似た症状や病気」のページの説明を終了させていただきますが、下記に頚椎症や頚椎ヘルニアに関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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