変形性膝関節症など膝の痛みでお悩みの人の話を聞いていると
「先生、私は立ち仕事や立っている時に膝が痛くて辛いんですが何か良い方法はありませんか?」
といった質問をよくいただきます。
立っているのが辛いのであれば、出来るだけ座っていただいた方が良いとは思うのですが、中には仕事で仕方なく立っている人も多いと思います。
そこでこのページでは、変形性膝関節症など膝の痛みが発生しにくい立ち方について説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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膝に負担が少ない立ち方
当たり前の話ではありますが、立っていて変形性膝関節症など膝の痛みが発生する理由は、膝に長時間体重がかかってしまう為発生しています。
そのため、まず一番気をつけなければいけない事は出来るだけ立っている時間を短くする事ではありますが、仕事などの条件によっては、立ちたくなくても長期間立っていなければいけない人も大勢おられると思います。
そこでここからは、膝に負担が入りにくい立ち方を説明させていただきますので是非参考にして下さいね。
それでは早速、負担のかかりにくい立ち方の方法を説明します。
立った時に両足のつま先の方向を「揃えない」様に置いて、どちらか片方の足に体重を偏らせて下さい。
(出来れば痛くない方の片足に体重は偏らせた方が良いでしょう)
たったこれだけです。
もちろんここからは理由を説明させていただきますね。
立ち仕事などを行っていると、この膝にかかる体重そのものを消す事はできません。
しかしどちらか片方に体重を分散する事は可能です。
立っている時につま先の方向が同じ方向(前)に揃ってしまうと、どんなに足を動かしても重心の位置の変化は小さくなってしまい、片足に体重を偏らせる事は難しくなってしまいます。
これは人間の体の構造上、つま先の方向に重心が移動しやすい様につくられているからなんですね。
足関節、膝関節、股関節は連動して動きますので、つま先が外に向けばそれに連動して膝や股関節の方向も外に向きます。
足関節、膝関節、股関節を含めた下肢の向きが外に向けば、当然重心の位置もそちらに変化します。
ここで気を付けてほしい点が一つあります。
両足のつま先の方向を「揃えない」で、どちらかのつま先を外に向ければ、上記の説明の様にどちらか片方の足に体重を偏らせる事やりやすくなります。
しかし、どんなに楽な体勢であってもずっと同じ体勢を維持する事は大きな負担になります。
実は人間の筋肉は動かしているよりも同じ姿勢を維持する方が疲労しやすいという特徴を持っています。
そのため、体がしんどいと感じたら(できればしんどくなる前に)立っている時は、頻繁に足を置いている位置を変化させて下さい。
そうする事が筋肉の疲労を軽減する事に繋がります。
そして、足の位置を変化させる時に守ってほしい事がただ一つ。
両足のつま先の方向を「揃えない」事です。
どんなに足を置く位置を変えても、つま先の方向が同じ方向を向いていると片足に体重を偏らせる事が難しくなりますので気をつけて下さいね。
具体的にはどちらか片方の足のつま先を前に向けて、もう片方の足のつま先を外側に向けて下さい。
角度的にはちょうど90度くらいです。
もちろんその人が楽な角度もあると思いますので、この足の置き方は「基本の形」であって実際にはご自分が楽だと感じる場所に足を置いて下さいね。
ついでに言わせていただきますが、よく立っている時は両足にまんべんなく体重をのせましょうと指導する人がいます。
はっきり言ってこの考え方は大間違いです。
先ほども説明したように、どんなに楽な体勢であってもその状態をずっと維持するのは非常に負担が大きくなります。
(そもそもまんべんなく体重をのせる行為自体が楽な体勢ではありませんが)
姿勢による負担を減らしたいのであれば頻繁に重心の位置を変化させなければいけませんので、両方に均等に体重をかける方法は適していません。
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立って手作業をする時の注意点
また、立ち仕事で痛くなる人の場合は、ただ立っているだけではなく立った状態で作業をしていると思います。
そういった時は出来るだけ作業をする場所に近づくようにして下さい。
人間の関節は「てこの原理」で動いています。
支点になる部分から作業をする距離が遠ければ遠いほど、支点にかかる負担が大きくなります。
逆に支点からの距離が近ければ近いほど、支点にかかる負担は少なくてすみます。
支点というのは最も重心がかかっている場所の事です。
立ち仕事をされている場合、そのほとんどは自分の前方での作業だと思われます。
つまり、前に近い部分に重心を持ってくればそれだけ膝にかかる負担も減らせる事が可能になるんです。
実はこの場面でも先ほど説明した立ち方が有効に働きます。
両足に均等に体重をかけた状態で物を持ち上げたり前方で手作業をしてしまうと、そのバランスをとるために必ずお尻が後ろに突き出す様な動作になってしまいます。
人間の体の中で最も重たい部位はお尻になりますので、お尻を後ろに突き出してしまうと、重心の位置も後ろに下がってしまうんですね。
その結果作業を行う場所と重心の位置が遠くなってしまい、膝への負担が大きくなってしまいます。
(へっぴり腰の様な状態ですね)
重心を前に持ってきて作業をする場所に最も近づける簡単な方法は、実は片足に体重を偏らせる事なんです。
(つま先の方向が前に向いている方に体重をかけましょう)
よくレジなどカウンター越しでお客さんに荷物を渡す作業などでも、重心を前に持ってきているかどうかで大きく膝への負担が異なるため、こういった事も気をつけるようにして下さいね。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきますね。
立ち仕事など、立っている時に変形性膝関節症など膝の痛みが悪化する原因は、当たり前の話ではありますが足に体重が長期間加わった結果によって発生しています。
そこでこのページで説明している立ち方や注意点に気をつけていただければ、症状の悪化を防げるはずです。
しかし、このページで説明している方法は立ち仕事や立っている時の膝への負担を減らす方法であって、負担をゼロにする方法ではありません。
長時間立っていれば負担は蓄積されますし、症状が重症化していればどういった些細な動作でも痛みは発生してしまいます。
そのため立っている条件で常に痛みが発生しているのであれば、出来るだけ早く信頼できる病院や治療院に相談する様に心がけて下さい。
もしどこに相談していいか分からない、どこに行ってもダメだったという人は1度私にお気軽にご相談してくださいね。
私は変形性膝関節症など膝の症状の治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
以上で「立ち仕事や立っている時の変形性膝関節症など膝の痛みの注意点」のページの説明を終了させていただきますが、下記に膝の痛みに関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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