変形性膝関節症など膝の痛みでお悩みの人の話を聞いていると
「先生、私は重たい物を持つと膝が痛くなるんですが、何か良い方法はないでしょうか?」
といった質問をよくいただきます。
一番良い方法は出来るだけ重たい荷物を持たない事だと思いますが、中には仕事や家事で仕方なく持たなければいけない人も多いと思います。
そこでこのページでは、変形性膝関節症など膝の痛みでお悩みの人が重たい物を持つ時の注意点について説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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変形性膝関節症など膝の痛みを抱えている人の重たい物を持つ時の注意点
当たり前ですが、膝にかかる荷重が重ければ重いほど膝を痛めるリスクは高まります。
そういった事が長期間に渡り続けば、膝の組織を損傷してしまう訳ですね。
その結果、変形性膝関節症などの原因になる可能性もあります。
つまり重たい物を持つというのは膝を痛めるリスクが上がるという話でもあるんですね。
細かいアドバイスを行おうとすればキリがありませんが、変形性膝関節症など膝の痛みを抱えている人が重たい荷物を持ったり、運ぶ時の注意点は大雑把に言えば2つだけです。
1 作業をする場所に出来るだけ近づく
人間の関節のほとんどは「てこの原理」を利用して力を発生させます。
「てこの原理」というのは、支点から作業点が遠ければ遠いほど作業をするのにより多くの力を必要とし、近ければ近いほど少ない力で作業を行う事が出来る法則です。
簡単に説明すれば、物を持ちあげる時やどこかに置こうと思った時に、その場所に自分が近づけば近づくほど膝への負担は少なく、自分の位置が遠ければ遠いほど膝への負担は大きくなるという事です。
正確には自分の位置というよりも、自分の重心の位置(体重が最も集中している場所)から物を持ち上げたり置いたりする場所が近ければ近いほど負担は少なくてすむという事になります。
物を持ち上げたり運んだりする時において、この法則は非常に重要になり、尚且つ膝を痛めている人の動作を確認していると意外と出来ていない人が多い動作でもあります。
特に膝が悪い人の場合は、膝に体重をかけるのをこわがって重心の位置が必要以上に後ろに位置している人が多い印象があります。
膝に体重をかけないようにして重心を後ろにした状態で物を持ち上げようとすると、余計に負担が大きくなりますので気をつけましょう。
2 膝を捻じらないようにする
この理由はいたって単純です。
単純な話ですが膝の関節は構造上、曲げたり伸ばしたりする事は出来ても捻じる動きやひねる動きには適していません。
つまり、膝は捻じる動きやひねる動きのように関節が回転するような動作は負担になりやすいという事になります。
重たい物を持った状態で膝を捻じる動作を繰り返すと、変形性膝関節症の原因にもなりますので気をつけて下さいね。
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膝に負担をかけない具体的な荷物の持ち方
ここからは具体的な荷物の持ち方について説明させていただきますね。
重たい物に出来るだけ近づく方法
ほとんどの人は何か重たい物を持ち上げる時、もしくは重たい物を運んでどこかに置こうとした時、両足に均等に体重を乗っけて地面を踏ん張っていると思います。
両足に均等に体重をかけてしまうと、一見力が入りやすく思えるかもしれません。
しかし、両足に均等に体重をかけた状態で物を持ち上げてしまうと、そのバランスをとるために必ずお尻が後ろに突き出す様な動作になってしまいます。
人間の体の中で最も重たい部位はお尻になりますので、お尻を後ろに突き出してしまうと、重心の位置も後ろに下がってしまうんですね。
その結果作業を行う場所と重心の位置が遠くなってしまい、膝への負担が大きくなってしまいます。
(へっぴり腰の様な状態ですね)
重心を前に持ってきて作業をする場所に最も近づける簡単な方法は、実は片足に体重を偏らせる事なんです。
まずは右足でも左足でも結構ですので、どちらか片方の足を前に出して下さい。
(痛みが少ない方の足で結構です)
この時出来るだけ物を持ち上げる場所、もしくは物を置く場所に近い部分に前足を置いて下さいね。
そしてその状態で物を持ち上げる、もしくは物を置く時には後ろ足の踵を少し浮かして、体重の8割から9割ぐらいを前足に偏らせて下さい。
(場合によっては後ろ足を完全に浮かして、全体重を前足にかけてもかまいません)
こうする事によって、重心を最も前に近づき膝への負担は少なくなります。
また、片足に体重をかければ力が入らないから重たい荷物を持てないんじゃないか?という疑問をお持ちの人もおられると思います。
もちろん、じっと「動かさず」にその場で重たい物を持ち続ける場合は、両足に均等に体重をかけなければいけません。
しかし物を持ち上げる時や置く時というのは、物を「動かす」といった動作が関わります。
物を「動かす」のであれば、どちらかの足に体重を偏らせて、その後の体重の移動を利用して物を持ち上げる事が出来るため、私がこのページで説明している様な方法の方が間違いなく適しています。
百聞は一見にしかずです。
実際に試してみて下さい。
絶対にこの持ち方や運び方の方が楽に感じると思いますので。
膝を捻じらない荷物の持ち方
荷物を持つ仕事というのは当然「運ぶ」動作も関わります。
重たい荷物を持って運ぶ時に方向転換したり移動をすれば捻じる事も発生すると思います。
その時に気をつけてほしい点は1つだけです。
必ず膝を捻じる方向に足のつま先を向ける様にして下さい。
それだけで膝を捻じる負担をかなり軽減できます。
つま先の方向というのは、膝や股関節など下半身の動きと連動しています。
例えば体を左に捻じった時に左足のつま先の方向が左側に向いていれば、膝は捻じられずにすみます。
この様につま先の方向というのは作業をする時にかなりの部分で関わりますので覚えておいて下さいね。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきますね。
変形性膝関節症など膝の痛みの場合は、膝に加わる荷重が増えれば増えるほど負担は大きくなる傾向があります。
そのため、重たい荷物を変な持ち方などで持つと膝への負担が大きくと症状は悪化してしまいます。
人間の関節はてこの原理で力を発生させますので、重たい物を手で持ち上げた時に自分から遠ければ遠いほど支点になる膝の負担は大きくなってしまいます。
つまり、物を持つ時は出来るだけその物体に近ければ近いほど、膝への負担は少なくてすむという事になります。
また膝は解剖学的な特徴上、捻じる動きには適していません。
そのため膝を捻じらないように気をつけましょう。
こういった事を気をつけていただければ、膝に痛みを抱えている人が重たい物を持つ、運ぶ時の負担をかなり軽減できると思います。
特に介護の仕事や、運送業や建築や土木関係の人は、このページで書かれている内容が役に立つと思います。
しかし、あくまでも膝への負担を軽減する事が出来るだけで「負担をゼロにする事は出来ません」
症状が重症化していれば、どういった些細な動作でも痛みは発生してしまいますので、出来るだけ早く信頼できる病院や治療院に相談する様に心がけて下さいね。
もしどこに相談していいか分からない、どこに行ってもダメだったという人は1度私にお気軽にご相談してくださいね。
私は変形性膝関節症など膝の治療には、それなりの自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
以上で「変形性膝関節症など膝の痛みの人が重たい物を持つ時の注意点」のページの説明を終了させていただきますが、下記に膝の痛みに関連するページのリンクも載せていますので興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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