肩こりでお悩みの患者さんの話を聞いていると
「先生、私が痛みを感じるのは肩というよりも背中なんですが、これって肩こりなんでしょうか?」
といった質問をたまにいただきます。
本当に素朴な疑問だと思いますが、痛みが出ているのは肩じゃなく背中に集中しているという人も実際に結構いますので、こういった疑問をもっている人がいてもおかしくないかも知れませんね。
肩こりのように、単純な筋肉の緊張が原因で背中に痛みが発生する事は実際に起こりうる事ではありますが、長時間に渡って背中に痛みが発生している場合はその原因が単なる肩こりじゃない可能性もあります。
そこでこのページでは、背中の痛みは肩こりなのかどうかについての疑問と、長引く背中の痛みの原因について説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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「肩」こりでも首や背中に痛みが発生する事もある
まずそもそもの話になりますが「肩こり」という医学用語は存在しません。
そのため、「肩こり」と言ってもどの辺の痛みの事を表しているのかに関しては、非常に曖昧でかなり大雑把な表現になっています。
多くの場合で、首、肩、背中周辺の筋肉の緊張によって発生する症状の事を「肩こり」と呼んでいますので、背中周辺の筋肉の緊張の事を「肩こり」と呼んでも不思議ではありません。
実際に単純な筋肉の張り感が原因で背中に痛みを発生させている人もいますので。
余談ですが、英語には「肩こり」という単語は存在しませんが、「こっている」という単語は存在しているようです。
英語であれば「肩がこっている」「首がこっている」「背中がこっている」というように、症状別に呼び方が変わりますが、日本語のように統一して「肩こり」という言葉は存在しないんですね。
さて、肩こりのような単純な筋緊張でも背中に痛みが発生する事はあると説明させていただきましたが、背中の痛みがなかなか長引かずに長時間も継続する場合はただの肩こりじゃない可能性が高いと思います。
聞いた事がある人も多いかも知れませんが、通常の肩こりというのは首や肩、背中(肩甲骨)周辺が血行不良で疲労物質が溜まり、その影響で筋肉が緊張する事によって発生します。
つまり通常の肩こりはどんなに強い症状を発生させていたとしても、その正体は単なる血行不良から疲労物質が溜まって発生する筋肉痛です。
筋肉痛は誰もが経験した事があると思いますが、通常であれば数日、長引いても1週間から2週間もすればほぼ改善するはずです。
肩や首は毎日のように酷使する人も多く、常に筋肉痛のような症状を発生させている人も中にはいるかも知れませんが、それでも症状がほとんど改善せずに何ヶ月も継続するなんて事は、ただの血行不良から発生している筋肉痛ではあり得ません。
背中の痛みが肩こりでも発生する事はあり得ますが、何週間も何ヶ月も背中の痛みが継続する場合は、その症状の正体がただの肩こりじゃない可能性が高いので気をつけて下さいね。
長引く背中の痛みは頚椎症(けいついしょう)や頚椎ヘルニアの可能性あり
上記でも説明させていただいたように、何週間も何ヶ月間も背中の痛みが改善せずに長引く場合は、その症状の正体はただの肩こりでは考えにくい現象です。
こういった長引く背中の症状の正体で一番可能性が高いのは、頚椎症や頚椎ヘルニア、ストレートネックなど、首の骨や変形によって近くの神経を圧迫して発生している神経痛だと思います。
頚椎症や頚椎ヘルニアとは、首の骨や軟骨が変形する事によって近くの神経を圧迫し、その神経が支配している領域に痛みや痺れなどの症状を発生させる疾患です。(必ずしも痺れが発生する訳ではありません)
「首の問題なのに背中に痛みがでるんですか?」と疑問を持つ人もいるかもしれませんが、首の骨を出口にしている神経の中には、背中の筋肉や感覚を支配している神経が含まれています。
そのため、首の変形などによって神経を圧迫してしまうと、背中に痛みを発生させる事もあり得るんですね。
また、軽症から重症例までの症状がかなり幅広く、重症であれば夜も疼いて寝れないなどの強い症状を発生させる事もありますが、軽症であれば肩こりに似た痛みや筋肉の張り感だけを感じる場合もあります。
このように重症であれば、ただの肩こりでは考えられない症状を発生させますので分かりやすいんですが、頚椎症や頚椎ヘルニアなどで症状が発生していたとしても、軽症であれば肩こりに近い症状を発生させますので、ただの肩こりと勘違いされやすいんですね。
実際に頚椎症や頚椎ヘルニアと診断された人の話を聞いていると、過去に長年に渡って背中の症状に悩まされていたという話をよく聞きます。
つまり、なかなか治らないしつこい背中の症状の正体は、頚椎症や頚椎ヘルニアなどの初期症状の可能性が非常に高いんです。
こういった話をすると
「肩こりや背中の症状で何ヶ月も悩んでいる人なんて大勢いるんじゃないですか?」
という質問をよくいただきます。
その通りです。
こういった人は本当に大勢いると思いますし、実際にこういった人で色々な治療院や病院に相談したけど改善しなかったという人も大勢おられるでしょう。
少し極論になってしまうかもしれませんが、その大勢の人の多くは、首の骨の変形などが肩こりの症状に大きく関わっていると大真面目に私は考えています。
先ほども説明したように、通常の肩こりは血行不良から発生する筋肉痛のようなものです。
はっきり言って通常の肩こりが何ヶ月も安静にしていて改善しないなんてあり得ないんです。
症状がそれだけしつこく長引くという事は、何かしらの組織損傷や変形がなければ考えにくい現象でしょう。
骨の変形などが症状に大きく関わっており、尚且つ肩こりのような症状を発生させる疾患で最も可能性が高いのは、頚椎症や頚椎ヘルニアなどの疾患で間違いないと思います。
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頚椎症や頚椎ヘルニアであっても、初期であれば異常なしと診断される事が多い
もし頚椎症や頚椎ヘルニアを疑った場合、病院へ行ってレントゲンやMRIなどの画像検査をされると思いますが、初期の頚椎症や頚椎ヘルニアの場合は「異常なし」と診断される事も決して珍しくありません。
お医者さんの診断基準はどうしても手術をするべきかどうかで判断される事が多く、首の骨や軟骨の変形、神経の圧迫などの問題点があったとしても、手術するほどの大きい問題じゃなければ「異常なし」と言われる事が多いんですね(こういった事は実際にお医者さんに聞いた事のある話です)
また、実際に異常があったとしても神経を圧迫している場所や角度によっては、MRIの検査でも写りにくい、写らない事も決して珍しい事ではないようです(これも実際にお医者さんに聞いた事があります)
しかし、このページで何度も説明させていただいたように、何かしらの組織の問題(骨の変形など)が無い限り何ヶ月も背中の症状が継続する事は考えにくい現象ですので、やはり頚椎の問題を疑うようにしてくださいね。
頚椎症や頚椎ヘルニアから発生している肩こりの症状なのであれば、弱い刺激で行う治療が効果的
もしあなたが現在感じている肩こりの症状が頚椎症や頚椎ヘルニアが原因で発生しているのであれば、残念ながら一般的な整骨院や病院などで行われているマッサージや電気治療では改善しにくい症状のはずです。
実は頚椎症や頚椎ヘルニアの症状は非常に治療が難しく、お悩みの人が非常に多い疾患でもあります。
頚椎症や頚椎ヘルニアのように、首の骨や軟骨の変形などが症状に大きく関わっている場合、その周辺には常に強い炎症が発生しています。
炎症は近くの神経を興奮させて、感覚を過敏にさせる特徴を持っています。感覚が過敏になると、簡単に言えば少しの負担やちょっとした動作でも痛みを感じやすくなってしまうんです。
つまり、こういった症状の方にマッサージなどの強い刺激で行う治療を行うと、あまり効果がない所か逆効果になってしまう可能性があるんですね。
どこの治療院やマッサージに通っても改善しなかったという人は多いと思いますが、そのほとんどの治療が割と刺激量の多い治療である事が多いと思います。
逆に、優しく弱い刺激で行う治療であれば、治療行為が負担になりませんので改善する可能性があります。
弱い刺激の治療を行っている治療院は、あまり多くはないと思いますが、もしよろしければこのページで書かれている事を治療院選びの参考にして下さいね。
もしどこに相談していいか分からない、どこに相談してもダメだったという人は一度私にお気軽にご相談して下さいね。
どこに行っても治らないしつこい肩こりや、頚椎から発生している症状の治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
なかなか治らないしつこい肩こりの症状の正体は、頚椎症や頚椎ヘルニアの初期症状の可能性が高いと私が考える一番の根拠は、そういった肩こりのような症状に頚椎症や頚椎ヘルニアに使うような優しい治療を行うと改善する事が非常に多いという実体験からきています。
この部分は文章だけでは何の証明も出来ませんので申し訳ないんですが、このページで書かれている内容が少しでもみなさんのお役に立てれば嬉しく思います。
以上で「長引く背中の痛みは肩こりなのか?その原因とは」のページの説明を終了させていただきますが、下記に肩こりに関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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