肩こりの症状でお悩みの患者さんの話を聞いていると
「先生、お風呂や温泉で体を温めるのは肩こりに良い事なんでしょうか?」
といった質問をよくいただきます。
いわゆる体を温める温熱療法は、肩こりにとって有効なのかどうかという質問ですね。
実際に病院や整骨院で首や肩を温められた経験がある人も多いと思います。
そこでこのページでは、お風呂や温泉で温める事が、肩こりにとって有効なのかどうかについて説明させていただきます。
ちなみに私は医療系の国家資格である柔道整復師という資格を持っている人間です(ここをクリックすると私の柔道整復師免許証の写真が出ます)
医療系の国家資格を持っている人間の端くれとして、出来るだけ丁寧で分かりやすい説明を心がけていますので、こういった事に興味のある人は是非参考にして下さいね。
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お風呂や温泉で温めて血行が良くなれば肩こりが改善する事もある
ありきたりな説明ですし、聞いた事がある人も多いかも知れませんが、通常の肩こりというのは首や肩、背中(肩甲骨)周辺が血行不良で疲労物質が溜まり、その影響で筋肉が緊張する事によって発生します。
つまり肩こりの症状は、首や肩周辺の血行を良くしてあげれば改善する可能性が高い疾患でもあるんですね。
血行を促進する方法で最も効果的なのは、筋肉を動かす事、つまり適度な運動を行う事ですが、体を温める行為によっても血行は良くなると考えられています。
そのため、お風呂や温泉で体を温め、全身の血行が良くなれば肩こりが改善する事はあり得ます。
実際にお風呂や温泉に入った後に、肩こりの症状が楽になったという話は良く聞く話でもありますので、興味のある人は積極的に試すべきでしょう。
お風呂や温泉で温めると逆に症状が悪化する事もある
上記ではお風呂や温泉で体を温めると、肩こりの症状が改善する事もあると説明させていただきました。
いきなり真逆の説明をして申し訳ないんですが、お風呂や温泉で温める事によって症状が悪化してしまう肩こりの症状も実は存在します。
もっと詳しく言えば、もしお風呂や温泉で温めた後に肩こりの症状が悪化するのであれば、その症状は単なる肩こりじゃない可能性が高いんです。
こういった温めた後に症状が悪化する場合、その正体は単なる肩こりではなく、頚椎症や頚椎ヘルニア、ストレートネックなど、首の骨や変形によって近くの神経を圧迫して発生している神経痛の可能性が高いと思います。
頚椎症や頚椎ヘルニアとは、首の骨や軟骨が変形する事によって近くの神経を圧迫し、その神経が支配している領域に痛みや痺れなどの症状を発生させる疾患です。(必ずしも痺れが発生する訳ではありません)
軽症から重症例までの症状がかなり幅広く、重症であれば夜も疼いて寝れないなどの強い症状を発生させる事もありますが、軽症であれば肩こりに似た痛みや筋肉の張り感だけを感じる場合もあります。
頚椎症や頚椎ヘルニアで発生している肩こりの症状の場合、首の骨の変形部分には常に強い炎症が発生しています。
炎症は発痛物質とも呼ばれており、この炎症が強ければ強いほど痛みが強くなる傾向があります。
炎症は細胞が損傷したり破壊された時に血中に発生するのですが、その時の化学反応にある一定の熱量が必要になります。
つまり簡単に言えば、体を温めるとこの炎症を発生させる反応を強くしてしまう訳です。
そして炎症が強くなると痛みは強くなります。
この様なメカニズムが「体を温めた事によって悪化する」理由です。
頚椎症や頚椎ヘルニアは普通の肩こりと比べても炎症が発生しやすいため、温めた事によって悪化しやすい症状でもあるんですね。
肩こりのような症状であったとしても、ただの肩こりを温めて症状が悪化する事は少ないと思いますので、もし温めて症状が悪化した時は頚椎症や頚椎ヘルニアなどの初期症状を疑うようにして下さい。
実際に頚椎症や頚椎ヘルニアと診断された人の話を聞いていると、過去に長年に渡って肩こりの症状に悩まされていたという話をよく聞きますので。
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頚椎症や頚椎ヘルニアであっても、初期であれば異常なしと診断される事が多い
もし頚椎症や頚椎ヘルニアを疑った場合、病院へ行ってレントゲンやMRIなどの画像検査をされると思いますが、初期の頚椎症や頚椎ヘルニアの場合は「異常なし」と診断される事も決して珍しくありません。
お医者さんの診断基準はどうしても手術をするべきかどうかで判断される事が多く、首の骨や軟骨の変形、神経の圧迫などの問題点があったとしても、手術するほどの大きい問題じゃなければ「異常なし」と言われる事が多いんですね(こういった事は実際にお医者さんに聞いた事のある話です)
また、実際に異常があったとしても神経を圧迫している場所や角度によっては、MRIの検査でも写りにくい、写らない事も決して珍しい事ではないようです(これも実際にお医者さんに聞いた事があります)
しかし、ただの肩こりで温めて悪化する可能性は低いと思いますので、お風呂や温泉の後に症状が悪化する時は気をつけて下さいね。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきますね。
通常の肩こりであれば、原因は単純な血行不良になるため、温めて血行を良くしてあげれば症状が改善する事もあります。
しかし、肩こりのような症状を発生させていたとしても、中には頚椎症や頚椎ヘルニアなどが原因で肩こりの症状を発生させている人もいます。
そういった人がお風呂や温泉で過度に体を温めてしまうと、炎症反応が強くなって症状が悪化してしまう人もいます。
そのため、もしお風呂や温泉で症状が悪化した場合は出来るだけ早く病院や信頼できる治療院に相談して下さい。
もしどこに相談していいか分からない、どこに相談してもダメだったという人は一度私にお気軽にご相談して下さいね。
どこに行っても治らないしつこい肩こりや、頚椎から発生している症状の治療にはそれなりに自信を持っていますのできっとお力になれると思います。
また、下記に肩こりに関連するページのリンクも載せていますので、興味のある人はそちらも是非参考にして下さいね。
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